Intel 社と Apple 社の新しい CPU（SoC）が発表・発売されています。
そこで、各社のパソコン用 CPU の特徴をざっくり並べてみました。
第12世代 Core CPU Alder Lake（Intel 社）
11月4日に発売予定の Intel の新世代 CPU です。
これまでモバイル向けなどに採用されていた big.LITTLE（異種混合コア）構成になります。（Apple の M1 もそうです）
高性能コア（消費電力多め）が最大８コア、高効率コア（消費電力少な目・性能控え目）が最大８コアで、対象とするパソコンに応じてそれぞれのコア数を変える事により、性能重視から消費電力重視までをカバーします。
高性能コアは１コアで２スレッド、高効率コアは１コアで１スレッドを処理できるので、最大２４スレッド処理になります。
従来の同一コアを複数搭載していた CPU であれば、処理の内容を気にせずにそれぞれのコアに割り振ればよかったのですが、異なる性質のコアが搭載されているとなると、処理の割り振りもその内容（重い処理か軽い処理か）に応じてコアを選択する必要があります。（そうしないと本来の性能を発揮できない）
CPU 本体にもそのためのユニットがあるようですが、OS 側でもそれに対応する機能を持っていれば、より性能を引き出せると思われます。
Microsoft 社の新しい OS である Windows 11 はこの機能を持っています。（Windows 10 は対応していません）
外部インターフェースでは PCIe Gen 5.0 と DDR 5 に対応します。
ただし、メモリーについてはチップセット側での対応も必要で、ハイエンドでは DDR 5、ミドルレンジでは DDR 4 対応になる可能性があります。
その他にも CPU の形状が正方形から長方形に変更されて既存の CPU クーラーが使えないとか、お値段がちょっと上がるとかいった情報もあります。（メーカー製 PC を購入するには関係ない話です）
Ryzen 5000（AMD 社）
2020 年に発売された AMD 社の Ryzen 5000 シリーズは、単一種コアを搭載した CPU です。（同一チップに GPU も搭載している場合は、APU と呼ばれています）
現状、Intel 製 CPU に比べて高性能・低消費電力（と低価格）となっていますが、第12世代の Core i シリーズに対してその優位性が保てるのかが注目されます。
コア数は 4,6,8,12,16 の５種類があり、１コア２スレッド、最大32スレッドの処理が可能です。
2021 年には Radeon Graphic 内蔵の APU である G シリーズも発売となり、別途ビデオカードを用意する事なく最新アーキテクチャの Zen 3 を利用する事ができるようになりました。
しかし、他社が最新 CPU（SoC）を発表・発売をしたのに対し、１年以上新しい CPU を出していない事と、今後 big.LITTLE 構成が一般化するかもしれない状況に対して、何らかのアクションを起こすのではないかという期待があります。
M1/M1 Pro/M1 Max（Apple 社）
2020 年にそれまでの Intel 製 CPU をやめて自社製 SoC（System on Chip）である M1 を搭載した製品を発売した Apple 社ですが、新しく M1 Pro と M1 Max という２種類の SoC を搭載した製品を発表しました。
従来の M1 が高性能コア／高効率コアが４/４個に対して、M1 Pro が6,8/２個、M1 Max も6,8/２個になり、１コアあたりの性能も向上しているとの事です。
内蔵 GPU のコア数はそれぞれ、7,8個、14,16個、24,32個と増加しています。
M1 はユニファイドメモリー（チップに内蔵されているメモリー）を採用していて後から増設できないため、動画処理などを考えた場合に用意されているメモリー容量が少々心もとなかったのですが、M1 Pro/M1 Max ともに増設されていて、それぞれ、8,16GB/16,32GB/32,64GB となり、多くのメモリーを要求するような処理でも無理なくこなせるようになっていると思われます。
そして、現状唯一 M1 シリーズが非採用の Mac Pro ですが、M1 Max であれば「Pro」を名乗ってよいのではないでしょうか。（さらに上の SoC を出してくる可能性もありますが）
各社の CPU（SoC）の特徴を並べてみましたが、ご自分が求めるものに合った製品を選択する際の一助となれば幸いです。
