先月、すごい選手が現れた!とBLOGでご紹介した選手を覚えてらしゃるでしょうか?カルロス・アルカラス選手です。先月のマイアミ大会では2007年に19歳で優勝したノバク・ジョコビッチ(セルビア)に代わる史上最年少(18歳333日)の王者となり、マスターズ大会全体では1990年トロント大会のマイケル・チャン(アメリカ)、2005年モンテカルロ大会のラファエル・ナダル(スペイン)に次いで3番目に若いチャンピオンとなりました。
この勝利で得たポイント1000ポイントを提げて望んだ次の大会は初戦で姿を消したものの、次の大会バルセロナ・オープンでは優勝。クレーシーズンに入ってから好調を維持し続け、なんと次のATPマスターズ1000大会のムチュア・マドリード・オープンでは、準々決勝では母国のクレー王者ナダルにフルセットで快勝、次戦の準決勝では世界ナンバーワンのジョコビッチ選手にもなんと逆転勝ち!
決勝のスベレフ戦では、6-3、6−1と圧勝。10代にしてもう1年でマスターズ大会を2つ戴冠しています。これがどれほどすごいかというと、元世界4位の錦織選手ですらまだマスターズ大会での優勝はありません。ビッグ4全盛期の錦織選手と比べるの少々酷ですが、それを加味してももうすでに偉業達成です。
このトーナメントの試合を何試合か私も追いかけて観戦しておりましたが圧倒的なクイックネス(錦織選手のような俊敏性)とナダルのようなパワー、そしてジョコビッチのようなメンタルタフネスと柔軟性を持ち合わせた化け物のような選手でした。10代にしてここまでの完成度を誇ると、もう5年以内に確実にナンバー1、またフェデラー1強時代のようなアルカラス時代が到来するのも近いのではないかと感じました。
少し上の世代のスベレフ、チチパスらの世代を明らかに凌駕していて、1世代下なのに頭一つ抜けている感覚です。これからやってくる全仏などもとても楽しみにしています。今週はナダル戦で痛めた足痛のためローマをスキップしていますが、怪我なく全仏を迎えることができればナダル以来の10代のフレンチオープンチャンピオンが見られるかもしれませんね!