錦織圭選手が、チャレンジャー大会のHPPオープン(ヘルシンキ)で1年5ヶ月ぶりに優勝を果たしました。前回の優勝は怪我から復帰でいきなりの初戦を優勝で飾ったカリビアン・オープン。その後、翌月にはツアー大会のアトランタオープンでベスト8に入るなど復調を見せるも左ひざを負傷。復帰の焦点にしていた得意な全米オープンもキャンセルし、年間最終ランキングは352位に終わっていました。
今年は3月まで怪我のリハビリに当て、暖かくなってきたマイアミにて復帰戦を戦いますが1回戦敗退。6月には復帰後初となるグランドスラム大会の全仏オープンにて1回戦をフルセットの上勝利、ただこの後ベン・シェルトン選手との2回戦は途中棄権となりました。調子が上がらないまま、7月にはウインブルドンに出場、こちらも1回戦負け。
暖かくなった8月にはチチパス選手を相手に6-4,-6-4のストレート勝利で、マスターズ8強へ進出。その後もパリオリンピックでも活躍し、10月のジャパンオープンでもベスト8。だんだんと調子を上げてきているのがわかっていました。
個人的にはグランドスラムのような5セットマッチを中1日で行うのはかなり年齢的、プレースタイル的に厳しくなっているのではないかと思います。ビッグサーバーでもないので、どうしても試合時間が長くなり、体への負担が増加します。フェデラーもそうであったように、後期は前への意識を高めてボレーで時短のポイントを増やしたり、参加する大会を絞ったりしながらなら、まだまだ上位に食い込めるプレーを見せてくれています。
今回のHPPオープンでも簡単に勝てそうだった試合でもフルセットまで持ち込まれてしまう場面などもありましたが、前後の動きや要所でのボレーやドロップショットなど経験を生かした試合運びで、優勝をもぎ取りました。コートカバー力やクイックネスは流石の一言。また後ろからでもエースが取れる伝家の宝刀バックハンドのダウンザラインも磨きがかかったように思います。
今年はこの大会を最後にオフに入るそうですが、来年も楽しみな結果となりました。7月末には581位だった世界ランクも最新で107位まで上昇しており、グランドスラムのストレートイン圏内のトップ100もほぼ手中に。プロテクトランキングではなく実力でグランドスラム本戦に戻ってきた錦織選手に来年も期待が高まりますね!頑張れ錦織!