「24-TWENTY FOUR-」や「プリズンブレイク」、「LOSTシリーズ」などが民放で放送されるようになってから人気が急上昇の海外ドラマ。
以前から、ビバリーヒルズ青春白書、フレンズのようなホームドラマ仕立てのドラマは日本でも人気でしたが、毎回映画のようなクオリティを見せてくれる最近のシリアスなストーリーは新たな境地を開いたと言っても過言ではないでしょう。
実際の所、制作費も毎回映画を撮っているような感覚のものも多く、タレントへのギャランティも1話数千万円、中には億単位のスターもいるから驚きです。俳優さんの演技、CGのクオリティ、音楽などより進化を遂げた海外ドラマに年末年始はどっぷりハマってみるのはいかがでしょうか?
■嘘を見抜く心理戦は必見。
心理サスペンス『Lie to Me』
映画レザボアドッグスでMr.オレンジを好演したティム・ロス演じる、心理学者カル・ライトマン博士が、「微表情」と呼ばれる一瞬の表情や仕草から嘘を見破ることで、犯罪捜査をはじめとするトラブル解決の手助けをする姿を描くサスペンスドラマ。
ライトマン博士は一見ちゃらんぽらんな態度にみえて、実は駆け引き上手。じっとその心理を見据えていて、何気ない一言に反応した体の動きや顔の表情、言葉選びなどからその人が嘘をついているかどうか一瞬で見抜いてしまいます。
嘘の表情を見せた瞬間のドラマの演出がまた見事で、実際嘘をついて後々困ったことになる実在の人物の映像がその場その場で差し込まれるのが見所の一つ。たとえばクリントン大統領の不倫疑惑の会見の模様だったり、O.J.シンプソンの殺人疑惑であったり、実際の写真をフラッシュバックとしてみせることで、嘘をついている対象の心理を浮かび上がらせています。
これを一度見てしまうと、普段会っている人の表情にも気を付けてみてしまう自分がいます。気がつかないかもしれませんが、嘘をつく時って人はいろんな表情や動作を無意識にしてるものなんですよね。こういうの見透かされてるのかなと思うとゾッとします(汗)
嘘だけでなく、感情や記憶なども読み取るライトマン博士。嘘を許さない天才博士も、時に家族には優しい嘘をつく時もあり、そんな矛盾が人間くささを引き立ててドラマをより深いものにしています。
深夜放送などでも民放で放映されていましたが、今は大型レンタルショップなどでシーズン3まで借りることができます。シーズン2まではセルもありますので、気に入った方はアマゾンなどでもご購入もできます。
米FOXでは似たような心理サスペンスドラマが他にも沢山出ています。読心術・テレパシーといったメンタルマジックで事件を解決してゆくサイモン・ベイカー主演の『THE MENTALIST / メンタリスト』や人の心を読む特殊能力を持った主人公が活躍する『リスナー 心を読む青い瞳』などオススメドラマがたくさんあります。『Lie to Me』はその中でもイチオシです!
■病魔と向き合う偏屈な医師の物語。
『Dr.HOUSE』
診断医としての評価は高いが一匹狼で捻くれ者のグレゴリー・ハウスとそのチームが、他の医師が解明出来なかった病の原因をそれぞれ専門分野の能力や個性を生かして突き止めていく姿を描く医療ドラマ。
エミー賞やゴールデングローブ賞など数々の賞に輝く『Dr.HOUSE』シリーズもはやシーズン6。視聴率でも24を抜いて全米屈指の人気ドラマとなりました。
『Dr.HOUSE』は日本ではそんな科が存在するか分かりませんがなんと診断専門の“診断科”の医師。
ハウス医師が診断するのは病名がまったく分からない難病の患者ばかり。時には記憶を失っていて自分の住所も名前も職業すらも分からないような急患だったり、結婚式の愛の誓いを立てる直前で気を失う若者だったり、時には小国の独裁者とバラエティに富んだ患者ばかり。
物語を通して語られるのは病気以外では、ハウスの過去と周りの人間関係のお話。ハウスは過去に足を切らなければならないような状態に陥った過去があり、そのときに足の切断を頑なに拒んだため、バイコディンという麻薬に近い薬で一生治らない痛みを抑えながら生活しています。
その痛みからか、他人に対して冷たく思いやりの無い態度や言動を取ってしまうハウスに振り回される周りの医師達と、天才的な診断で命を救ってゆくハウスにたよらざるを得ない病院や患者との葛藤などが描かれています。
杖をつきながら、嫌みを振りまくハウス。その根底には彼の足の痛みと人間に対する不信があります。
全ての人間は嘘をつく。
上でご紹介した『Lie to Me』と同じテーマなんです。
患者は症状や原因などを体の調子がいい時は隠そうとします。しかし、命が危なくなるととたんに今まで隠していた事情などを語り始めます。命と引き換えにするような嘘が次々に暴かれます。時には血縁関係、時には性的し好だったりお金だったり。
病気を題材にしつつも、そこに生まれる人間ドラマを見事に描く医療ドラマ『Dr.HOUSE』。まだ見てなかったら要チェックです!
■さえない高校の合唱部、さてどうなる?
『glee』
gleeとは・・・”歓喜”や”愉快”といった意味だそう。グリー部とは・・・イギリス生まれの、合唱団(特に男性合唱団)によく見られる名称。元々はイギリスで17世紀中頃に発祥した「グリー」と呼ばれる音楽ジャンルを歌う団体で、今では合唱部をさすそうです。このドラマ、オバマ大統領をはじめセレブリティに大人気のコメディドラマなんです。
音楽業界内にもファンが多く、ジェニファー・ロペスやアン・ハサウェイなどが出演を熱望。コールドプレイ、ポール・マッカートニーは、作品内で曲を使って欲しいと公言している人気番組。
ストーリーは・・・かつて自分が合唱で活躍した夢を、同じように子供達にもう一度見せてあげたいと新任教師ウィル・シュースターが合唱部のメンバーを募集します。しかしそこは学校で目立たない存在の合唱部、案の定、いじめられっこばかりが入部してきます。
学校では落ちこぼれや嫌われ者、変わり者とよばれる合唱部の面々。ウィルはあの手この手で部員達の自信を引き出し、歌やダンスの才能を開花させてゆきます。
才能を開花した部員達(実際はプロのダンサーやミュージシャンだから当然なのですが…)はすばらしい歌声とハーモニーを披露してくれます。見所はなんといっても、60年代~90年代のスタンダードから最新のヒットソング、著名なミュージカル・ナンバーなど、毎回幅広いジャンルから名曲をカバーするパフォーマンス(ショウ・クワイアー)。
曲のチョイスが秀逸で、どの世代、そのジャンルを取っても心躍らすナンバーになっています。それを証拠に、サウンドトラックが3作品連続で全米アルバム・チャートの1位を記録するなど、全米で社会現象を巻き起こす大ヒットとなっています。
洋楽が好きな方にはたまらない80年代ロックのグリーサウンドは必見です!
今回ご紹介したものはシーズン途中の物を含まないので、続きを気にせずゆっくり楽しめます。本国では新シーズンがスタートしているものもありますので、続きも期待できます。冬はどうしても寒さなどから家にこもりがちですが、夜長を海外ドラマで埋めてみるのもまた一興ですよ!