世界遺産であるマチュピチュ遺跡の発見から100年を記念して行われている「インカ帝国展」に行ってきました。
考古学・人類学・歴史学などの最新研究を基に、インカ帝国の人々や文化が紹介され、インカ帝国の始まりから、スペインに滅ぼされるまでの流れが分かるようになっていました。
金合金製頭飾り
太陽を崇拝し、黄金をその象徴として崇めていたインカにはたくさんの黄金の装飾品がありました。しかし、後に支配したスペイン人がそれを取上げ、溶かし、金の延棒にしてスペインに持っていってしまったので、現存するものは少ないそう。支配するために「心のよりどころ」を奪う意図も含まれていますが、あまりに黄金を欲しがるので、インカの人は、スペイン人は黄金を食べているんだと思ったそうです。
副葬品の人形
高さ数cmの小さな銀製の人形で、美しい織物をや帽子を着けています。インカ帝国では、生贄の風習があったそうで、生贄として捧げられた子供と一緒に埋められていたものです。
ケロ
儀式などで使われた杯。王と妃が描かれています。カラフルな色合いがきれいでした。織物もいくつか展示されていましたが同じように赤やグリーン、オレンジのものが多かったです。
チャチャポヤス地方の少女のミイラ
眼球が残っている非常に珍しいものだそう。ペルー北部のチャチャポヤス地方はインカ帝国を築いたケチュア族とは異なる民族が住んでいましたが、インカ帝国に征服され、ミイラによる埋葬というインカ式の葬制が取り入れられます。葬送儀礼として頭を剃られ、小さく折りたたまれたミイラが4体、展示されています。ミイラが並んで展示されている様子は衝撃的でした。
ミイラ包み
布に包まれ、顔の刺繍が縫われているミイラ。他のミイラもこの様な布に包まれていたが、盗賊に布をはがされてしまったそうです。
キープ
文字をもたないインカ文明では、縄の結び目の形で 数字を記録、伝達していたそうです。10進法を使っていたということです。そして総延長4万kmに及ぶ「インカ道」をキープを持ったチャスキ(日本でいう飛脚)が走り、情報を収集・把握していたそう。チャスキは1日で280kmもインカ道を走ったそうです。こんなに長い距離の道が整っていたなんてすごいですね。そして、1日に走る距離も!
また、最後に3Dスカイシアターがあり、マチュピチュの映像が見られます。鳥になったように、空を飛んで上からマチュピチュを見るという映像になっていて面白かったです。実際にマチュピチュに行ったように感じられました。
文字も鉄器も車輪も持たなかったインカ帝国がマチュピチュを作り、このような高度な文明をどうやって築くことが出来たのか、不思議な思いがしました。マチュピチュはいつか行ってみたいです。