勝手に「今日は何の日」シリーズ!
ということで、今回は2月21日をとりあげてみたいと思います。
みなさんは、921年2月21日は何をしていましたか?
この日は、陰陽師(オンミョウジ)として有名な安倍晴明(アベノセイメイ)が生まれた日です。
「陰陽師」は、天文学、暦学、易学、時計などに通じ、イベントの吉日を選定したり、遷都の際に土地・方角などを占ったりと、重要な役割を果たしていたようです。
「陰陽師」というと、なにやらオカルト的な響きがしますが、実際そのようなエピソードもいくつかの文献に残っており、時代を通じて研究もされていました。
安倍晴明は、幼少の頃に鬼の姿を見ることができたとか。
その後、晴明はあの藤原道長の寵愛を受けますが、道長にかけられた呪いを自身の式神を使って解いた、というエピソードも『十訓抄』(鎌倉時代の説話集)に記されています。
さて、晴明が幼少期に見た鬼ですが、このような「妖怪・もののけ」に関する記述は、実は『続日本紀』(797年完成。平安時代初期に編纂された勅撰史書)に初めてその記述がみられます。
なんと、「妖怪」は今から1200年以上前から日本に住みついているんですね。
また、清少納言は『枕草子』の中で「妖怪・もののけ」について記述していますし、『源氏物語』の作者である紫式部も日記の中で触れています。
さらに、源平の戦いについて記した『太平記』にも「妖怪・もののけ」が出てきます。
時代を下っても、「妖怪・もののけ」を扱った作品は数知れず。
室町時代
『百鬼夜行絵巻』
江戸時代
『浮世絵』(葛飾北斎)
『画図百鬼夜行』(1776年に刊行された鳥山石燕の妖怪画集)
『夭怪着到牒(ばけものちゃくとうちょう)』(1788年(天明8年)鶴屋喜右衛門(仙鶴堂)から出版された、北尾政美の画による黄表紙)
明治に入っても、「妖怪・もののけ」はその存在を主張し続けます。
小泉八雲(『怪談』耳なし芳一、雪女など)
柳田國男(『遠野物語』座敷童、むじな、ろくろ首など)
水木しげる(『ゲゲゲの鬼太郎』)
京極夏彦(『巷説百物語シリーズ』)
各時代で新しい「妖怪・もののけ」が考え出されてきましたが、昭和に入ってからも「口裂け女」「トイレの花子さん」などその時代にあったものが誕生しています。
そして、「妖怪・もののけ」の最新版がこれ。
『妖怪ウォッチ』
今、小学生に絶大な人気を誇り、「アニメ・ゲーム・映画」などあらゆるメディアで社会現象を巻き起こしています。
いつの時代も「妖怪・もののけ」は日本人に愛され、永遠に生き続けていくのかもしれません。