6月から7月にかけてウインブルドン、ユーロ2016とスポーツウィークが目白押しでスポーツファンは寝不足儀皆のではないかと思います。ロンドン、パリとヨーロッパでの大会ですので、時差で試合開始が深夜帯なのでしんどいですよね(笑い)時差放送してもらっても、次の日にはスポーツニュースで先に結果を知ってしまう結果になるので、結局どうしても見たいビッグマッチなどは眠い目をこすりながら徹夜することになりました。
そんなビッグマッチのひとつがこれ、世界772位のマーク・ウィリスvsウインブルドン7回優勝のロジャー・フェデラーの対戦です。772位の選手はもちろんウインブルドンにはストレートインできませんが、センターコートでフェデラーと試合をしています。果してそこにはどんなシンデレラストーリーがあったのでしょうか。
マーク・ウィリス選手は地元でテニスを教えるテニスコーチで、近年はプロとしての活動はほぼありませんでした。2016年の獲得賞金はたったの292ドル、今の為替ですとプロとしての年収は3万円。対戦相手のフェデラーは今年だけでも85万ドル近く賞金で稼いでいます。そんなウィリス選手も若い頃は優勝したマレー選手とともに将来を嘱望されるプレーヤーでしたが、怪我などで挫折。今は週給40ドルほどで子供達にテニスを教えて暮してきました。
ウインブルドン直前まで新しくできた彼女にテニスでもう一度頑張るように励まされるまで、フルタイムのプロテニスプレーヤーになるという目標を断念するつもりでいたそうです。ATPの試合にはグレードがあり、下からフューチャーズ、チャレンジャー、ツアーと続くのですが、ウインブルドンはのツアーの最高峰。ウィリス選手はグランドスラム大会どころか、ツアーレベルの大会でさえ一度もプレーしたことがなかったプレイヤーです。そんな彼が、センターコートで柴野王者フェデラーと試合することになるとは…
まずウインブルドンは128ドローで、最大128人出場枠があるのですが、だいたい予選通過者用に16枠取られています。その16枠をATPランキングの100位以降の選手で予選を争うのですが、772位ですとその予選にすら出られません。ただ、ウインブルドンは全英というだけあってイギリスの国内予選の枠があります。
その1枠を争ってイギリス人のATPランキングの上位者が厳しい予選を戦うのですが、マーク・ウィリス選手はランキングにも足りないので、主催者推薦枠で国内予選の大会にエントリーしています。そこで3連勝、見事の1枠を手に入れました。その後はATP100位台の選手が集うウインブルドンの予選にも続けて3連勝!見事ウインブルドンの芝に足を踏み入れることができました。
本戦出場だけでも信じられないことなのですが、1回戦も突破し、芝の王者フェデラー相手に披露した不屈のショットをご覧ください。
試合では敗れはしたものの、フェデラー相手にいくつもの素晴らしいポイントを奪い、見事にウインブルドンの2回戦を戦い抜いた彼に、観客席からは惜しみない拍手が送られました。今回のウインブルドンの2回戦進出のポイントで世界ランキングも400位近く急上昇、賞金450万円手に入れました。
これからのウィリス選手はコーチとしての職に戻るのか、ツアープロとしての道に再び歩み出すのか注目したいところです!