テニスはこれからタフシーズンへ突入!

全豪が終わり、舞台はアメリカや南米などハードコートシーズンが続いておりましたが、テニスも次の4大大会の全仏ローランギャロスに向けて、クレーコートのシーズンが始まりました。

赤土(アンツーカ)のシーズンはタフシーズンと呼ばれます。なぜタフかといいますと、赤煉瓦の粉をまいた土のコートではボールスピードが遅くなり、なかなかポイントが決まりません。

そのため、普段パワーやスピードで決めてくる選手やビッグサーバーがポイントを簡単にとれなくなり、その結果試合時間が自然と長くなりタフなシーズンとなるのです。

求められるのは相手の逆をつく戦略性などクリエイティブな発想のテニスが求められるのです。ここ数年、このクレーシーズンに結果を出しているのが錦織選手です。

 

遅いコートは元来彼はあまり得意としてこなかったのですが、ボールが遅くなった時にフォアに回り込める分、彼の得意ショットが活きてきます。また緩急を織り交ぜた彼の創造的なプレースタイルもサーフェスにマッチして、彼の得意不得意の感覚とはズレているのかもしれませんが、結果を残せるサーフェスとなっているようです。

怪我などの影響で、直前は振るいませんでしたが、今シーズンも身体に負担が少ないクレーでは期待が出来そうです。

■スペイン勢はクレーが得意

南米やスペイン勢は国内のコートがクレーコートが多く、ジュニアのときからクレーでしのぎを削っているのでクレーが得意な選手が多いです。その代表ともいえるのがラファエル・ナダル選手です。全仏では土魔人の異名を取るほどで、勝率は9割越え。

とにかくクレーでは敵無しです。ここ数年は怪我の影響もあり、そのなりをひそめていますが、2017年は絶好調、もっと調子のいいフェデラーに決勝で敗れているもののグランドスラムやマスターズ大会で決勝に進出するなど今年は復調の兆しを見せています。さて、土魔人復活となるのでしょうか?

また、スペイン勢でいうとダビド・フェレールもクレーのスペシャリストとして有名ですね。圧倒的なディフェンス力と走力でどんな球にも食らいつく泥臭さで、長年トップ10を維持していました。まさにトップ10の門番のような存在だったのですが、今年は絶不調。1回戦負け続きで不安を残します。

南米、スペイン勢以外でも、ロシアの選手もクレーが得意ですね。注目はアレクサンドル・ドルゴポロフ選手。特徴的なクイックサーブからのド迫力の各ショットが魅力。どの球も強力なのに加えて、柔らかさも兼ね備えている少し変わったタイプの選手です。錦織選手とダブルスを組むこともあるので、お顔を見たことがある方も多いのではないでしょうか?

■このシーズンに必要なスキルは?

クレーというサーフェスでは他のコートと違い、着地した後のボールスピードが極端に落ちるためサービスエースが出にくいという特徴があります。なので、ビッグサーバー不利のコートです。ビッグサーバーで今強い選手というと、アメリカのイズナー選手、クロアチアのカルロビッチ選手、強いところでいうとカナダのミロシュ・ラオニッチ選手などでしょうか。

彼らは通常230km近いサービスを放ちますが、クレーコートではコースが甘いとやすやすと返球されてしまいます。クレーで求められるのは逆に強いリターン力なんですね。

かつて強いリターンで全仏を制したのはアンドレ・アガシ選手。彼もクレーを得意としておりました。またラリーが続くので、走力が求められます。かつての選手をあげるのであれば、この選手を挙げずにいられません。

マイケル・チャン選手です。17歳3ヶ月にしてグランドスラム制覇(男子史上最年少)、175cmと小柄でありながら、最高順位は2位とまぎれもなくトップの選手でした。全仏では足を攣りながらも、当時のno.1選手のイワン・レンドル選手にアンダーサーブを放ち逆転勝利。もはやこの試合は伝説となっています。

https://www.youtube.com/watch?v=BrV2CCWDwYM

マイケル・チャンと錦織の師弟コンビが再び、全仏をにぎわせてくれるのを長年のテニスファンとして期待しています。

上記の様に、このシーズン求められるのはリターン力、走力、そして展開力の3つです。この全てを兼ね備える錦織選手にも注目ですよね。さて、これから始まるクレーシーズンはどの選手が活躍するのでしょうか?楽しみです!

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