猫との日常 part3 「爪切り」

「爪切り」が大変です。

 

 

猫を飼っています。

 

室内飼いです。

 

 

彼らの爪は伸びます。

 

人間と同じですね。

 

 

ただ、決定的に違う点は、

 

彼らの爪は「恐ろしい武器」なのです!

 

 

 

というわけで、1~2週間に1度は、「爪切り」をしなければなりません。

 

放っておくと、彼らの爪はどんどん鋭利になり、ナイフみたいに尖っては触るもの皆傷つけるからです。

 

 

しかし、ここで問題があります。

 

彼らは、「爪切り」が好きではないのです。

 

というより、大嫌い、いやもっと言えば、憎悪しているのです。

 

 

まあ、理解はできます。

 

彼らの自慢の武器を取り上げようとしているわけですから。

 

しかし、無邪気に振り回すその武器が、知らず知らずのうちに人を傷つけていることに彼らは気づいてないのです。

 

 

先日もこんなことがありました。

 

夏の夜、私がハーフパンツで過ごしていると、揺れたTシャツの裾に惹かれたのか、はたまた何か人間には感知できないモノを捉えたのか、真相はわかりませんが、ともかく彼らのうちの1匹が、歩き出した私の腰の辺りに急に飛びついたのです。

 

 

彼と目が合い、彼がふと体を縮こませたその刹那(1刹那=1/75秒)、

「あ、コイツ今から飛びかかってくるぞ。」

「あ、最近コイツの爪切ってなかったな。」

「あ、こないだ病院で測ったとき、体重が2.5kgだった。」

「あ、このままいくと、俺のケツに爪が食い込み、さらにその刺さった爪に2.5kgの重さがかかる。」

「あ、これヤバイかも。」

と、かなりの情報量をスーパーコンピューター並みに一瞬で処理した私の脳は、さらにスピードを上げて私の手に指令を出しました。

 

「コ、コイツの体重を支えないと!!!」

 

気づいたときには、私は臀部に走る激しい痛みになんとか耐えながら、同時に2.5kgのネコの体を両手で支え、ほんのり涙を浮かべつつ、なぜか敬語で「マ、マジで勘弁していただけませんか?」とつぶやいていました。

 

そのとき私の目に映った彼の顔は、とっても無邪気で可愛かったです。

 

その一方で、私の臀部には彼の右前足の先にある鋭利な刃物による刺し傷が赤い3つの点として刻まれ、そして私の膝のあたりには彼の左後足によるものと思われる赤い3本の線が描かれ、まさに点と線とが一体となった素晴らしい芸術作品が展開されていたのです。

 

このようなことがあまりに頻繁に起こるため、私の両足はまるで夏の夜の星座を映し出すプラネタリウムのようになっていました。

 

このプラネタリウムでは、見たこともない星座が至る所に燦然と輝き、やたら頻繁に流れ星が観測できます。

 

 

私は反省し、以前にもましていっそう「爪切り」をこまめに実践するようになりました。

 

そしてそれを可能にするのが、「彼らが寝てる間にこっそり爪を切ってしまおう」作戦です。

 

起きているときの「爪切り」に対する彼らの抵抗は、それはそれは激しいもので、私が彼らの爪を切っているのか、私が彼らに爪で切られているのか、よく分からないほどの修羅場になることが多く、作戦としては下の下。

 

孫子曰く、「彼を知り己を知れば、百戦して危うからず」

 

まあ、それはそれとして、今回は「寝ている間なら危険は少ないかな」ということです。

 

 

というわけで、彼らの眠りに落ちるタイミングを今か今かと伺いつつ、ついつい彼らより早く夢の世界に入り込んでしまう今日この頃です。

 

たまに、彼らはその恐ろしい武器を使って私を起こしてくれます。

 

もちろん、無邪気な可愛い顔とともに。

 

 

 

 

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