テニスもファイナルズを残してほぼ、シーズン終了ですね。今年はトップ選手の怪我が続出で後半戦は何だか寂しいシーズンとなってしまいました。
原因とされるのが過酷なトーナメントスケジュール。
4大大会では5セットマッチで4〜5時間と言った試合がザラ。しかも1日置きに次の試合が組まれていますから、トップの選手ほど試合数が多くなり、それだけ故障にさらされる機会も多くなると言うわけです。
ちなみに今年はじめのランキングはこんな感じでした。
1位 アンディ・マレー(怪我でシーズン終了)
2位 ノバク・ジョコビッチ(怪我でシーズン終了)
3位 ミロシュ・ラオニッチ(怪我でシーズン終了)
4位 スタン・ワウリンカ(怪我でシーズン終了)
5位 錦織 圭(怪我でシーズン終了)
怪我で総倒れです。コートスピードが遅く試合時間が長い全仏などには出場をキャンセルし、大会数を抑え気味にしたフェデラーなどは大活躍。やはり試合時間の長さなどが問題のようです。
そこで、実験的ではありますが21歳以下の選手を対象に11月7日から11日までの5日間にかけて行われるクスト・ジェネレーションATPファイナルズでは試合時間を短縮する為のルールを適用するという事になりました。
■新しいルールとは?
このトーナメントで新しく採用されたのがこちら。
・4ゲーム先取(3-3でタイブレーク)の5セットマッチ
・ノーアドバンテージ方式
・ノーレット:サービスがネットに当たって相手コートに入った場合でもそのまま試合が続行
・オンコートコーチング:1セットにつき1回のみコーチングを受けることが可能
・ウォーミングアップの時間が5分に短縮
・審判は主審のみで、ツアー大会のチャレンジシステムで利用されているホークアイ(ビデオ判定システム)を線審の代わりに導入
・メディカルタイムアウト1試合につき1回まで(3分間)
・ショットクロック:ポイント間は25秒を厳守
4ゲーム先取での5セットマッチ!!最短で4-0、4-0、4-0(12ゲーム)で試合終了です。これ普通の試合ならば1セットめでタイブレーク(7-6)になれば、ゲーム数は上回ってしまうという、かなりの時間短縮です。
そして地味にすごいのがラインパーソンがいない事。なんだかんだで時間をくっているのがジャッジの時間。チャレンジシステムが導入されてからリプレイの時間でかなり長引いているのは事実。
選手によっては『どう見ても入っていた』球でも、気分転換や回復の時間を稼ぐためチャレンジで時間をかせいている選手も多々います。これが、全部ビデオ判定になるのであれば文句無しですからね。考えましたね〜4大大会は全てこれにすればいいのでは?と思ってしまいそうですが、全仏など頑にやらなそうですね(全仏はビデオ判定のチャレンジすらない)
他にもレットボールをなくした事で、レットかそうで無いかの判定に時間を割かれる事がなくなりました。
要するに審判の負担が減り、よりシンプルなジャッジにしようでは無いかという事ですね。サッカーも含めテクノロジーをスポーツに導入するのは賛否ありますが、僕はとてもいい方向に進むのではないかと思います。
また、テレビ放送なども6-0、6-0、6-0で終わるのであれば2時間の放送時間で済みますが、フルセットまでなると4時間超となり、見る側も疲れてしまいますし、テレビ局側もその放送時間の枠取りをしなくてはならない為リスクが大きいですよね。
このテストルールではだいたい試合時間が2時間以内に終るようにセッティングされていますので、野球中継と同じくらいのテレビサイズで、場合によっては複数試合の中継も可能となり、放映側にもメリットがあるわけです。
■時短時短でほんとに大丈夫?
韓国のチョン・ヒョン選手が早々と準決勝進出を決めていますが、新ルールではオンコートコーチングが導入されています。今まではコートの外にいるコーチとボディランゲージで何やら符牒のような合図を送る選手や大声で伝えるような事が、暗黙の了解でやられていましたが、ここをきっちりと明文化。コーチがコートに入れるようになりました。
タブレットの様な端末も持込み可能で、チョン・ヒョン選手もシャポバロフ選手との戦いの中では選手の傾向などを端末で確認しながら試合の臨んでおりました。
こういった時短のルールだけではなく、選手にもプラスになるルールが持込まれているのはバランスがとれていていいかと思います。
通常のツアーにどれだけこの新ルールが適用されるかは見物ですが、時短ルールで選手に負担が減って、より集中したエキサイティングな試合を見せてくれる事を期待しています。
来年のツアーも楽しみですね!