芝シーズンを制するのは誰だ?

LONDON, ENGLAND – JUNE 26: Kei Nishikori of Japan stretches to reach for a return shot during his Gentlemen’s Singles second round match against Denis Kudla of the United States on day four of the Wimbledon Lawn Tennis Championships at the All England Lawn Tennis and Croquet Club at Wimbledon on June 26, 2014 in London, England. (Photo by Al Bello/Getty Images)

2019年のクレーコートシーズンは波乱なくというべきか、恒例行事のようになラファエル・ナダル選手の12回目の栄冠で幕を閉じました。

奇しくもATPランキングのベスト4がそのまま準決勝の対戦となりましたが、久しぶりのクレー復帰を果たしたフェデラー選手は1セットも取れずに敗退。

別の山のジョコビッチ選手対ティーム選手の試合は降雨でフルセット。2日に渡る激戦を制して決勝まで上り詰めたティーム選手には決勝まで休養日なし。

かたや万全の状態で待ち受けるナダル選手には、1ミリの隙もありませんでしたね。むしろよくティーム選手は、あのナダルから1セット取れたなという感想でした。

ナダル選手は準々決勝の相手、錦織選手も2日続けての試合となり、相手がお疲れモードの人と当たることが多く、そういう面でも彼はラッキーなスケジュールで進められたのが勝因だったのではないかと思います。優勝にはツキも味方していたんですね!

この試合で右腕上腕部を負傷した錦織選手は、芝のシーズンをウインブルドンまでスキップするそうです。これは残念なニュースですね。ぜひ万全な体制で今年のウインブルドンは臨んで欲しいものです。昨年のベスト8のポイントをセーブするためにも、ここは怪我を早く治して、プレーはできませんが気持ちを充実させる我慢の時期となって欲しいものです。

錦織選手が出場予定だった、ハレの大会はフェデラー選手が永久参加となっておりますので、きっとここにフェデラー選手は調整の標準を合わせてくるのではないかと思います。

昨年のウインブルドン勝者のジョコビッチ選手はこの芝シーズンで2300ポイントを稼ぎ出さないと昨年のポイントがなくなりますがなんとまだ全仏優勝のナダル選手とは4000ポイント(!)以上差があるので、ナンバーワンの座は安泰と言ったところでしょうか。

ピンチなのは昨年準優勝だったケビン・アンダーソン選手。現在は怪我のためマイアミの試合からずっとリハビリ中で、クレーシーズンは出場なしでした。ぶっつけ本番で昨年のポイントをディフェンドできるかどうかも一つの見どころとなるかと思います。トップ10陥落なるか。。。

芝は他のサーフェスと比べ、1ヶ月ほどしかシーズンがなく、大会も数大会と限られるため、明らかに他のサーフェスより試合数が少ないです。なので、選手たちはあまり芝の経験値を積めないのが難しいところ。

強い選手は勝ち上がることで、より試合数をこなせるため試合の中で芝にアジャストできますのでかなり有利です。逆に言えばランキングが低い選手は、試合に出てもすぐ負けてしまうと1年で数時間しか試合コート上に立てず、ほぼ芝の経験なしでウインブルドン本大会に臨まないといけないという過酷な状況となります。

もちろんこのシーズンになって俄然注目が集まるのは『芝の帝王』フェデラー選手。37歳となった今もプレースタイルがより攻撃的に進化して、試合時間が大幅に短くなっています。

全仏を制したナダル選手も20代前半の時から比べると、かなり攻撃的にプレースタイルがシフトしています。これは試合時間を短縮して、長いトーナメントでの体の負担を減らすという意味合いが強いと思います。年齢的にもフェデラー選手は、体の負担を減らすことにかなり注力して、サーブとボレーを磨くことで、1ポイントの時間を短くし、トーナメントを戦い抜いています。

我らがマラソンマンと言われる錦織選手ですが、毎回毎回5時間超の試合をトップ選手と続けていれば、やはり決勝にたどり着く前にガス欠になってしまうので、こう言ったフェデラー選手たちのようなマイナーチェンジが必要なのかなと感じてしまいます。それが彼の持ち味でもあるのですが、年齢を重ねると難しくなってくるので、今後新しい武器を手に入れてくれることを祈っております。

全仏は惜しかったですが、早いコートが得意な大坂なおみ選手にも期待が集まる今大会。芝の女王となってまたメディアを湧かせてくれるのか、とても楽しみにしています!

頑張れ、錦織・大坂!

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