先日から始まったロジャースカップも残念ながら錦織選手は初戦敗退となってしまいましたが、初戦に当たるはずの相手が、ガスケ選手かペール選手というドローもなんだか不可解なドローでした。どちらの選手もフランスの選手で、錦織選手キラーとして有名な選手。というか二人とも錦織選手が苦手としている変則的な選手なんですよね。ついでに言うと昨年もこのロジャーズカップには出場していて、初戦敗退。ドローに悪意も感じてしまいますが、なんとも相性の悪い大会なのです。
ただ、そのあとのUSオープンはいい成績を収めているので、彼にとってはこの相性の悪いシーズンをスキップして体調万全でグランドスラムのUSオープンを迎えて欲しいですね。
さて、そんな錦織選手の使っているギアといえばウイルソンのULTRA TOUR 95 CV ですが、中身は前作のBURNにULTRAシリーズについていたクラッシュゾーンという打球時間を最大化する技術を追加したものでした。
いまウイルソンではこの打球時間(ボールとラケットが接している時間)を最大化するという取り組みをどうも行っているようなのです。
というのも先日発売された新モデルCLASHではウッドより柔らかいという触れ込みで、『ウイルソンの革命』とまで自ら言ってしまっているニューモデルを出してきました。 柔らかさというのはラケットのしなりのことですが、硬いラケットは弾いてしまうので、ボールとの設置時間が短く打感がぼやけた感じになりますが、柔らかいラケットは一回掴んで離すような、上級者がいう『ボールを潰す』というような感覚になるといいます。 下の動画を見るとどれだけ柔らかいかがわかります。
どれだけのボールとラケットの接地時間かというと違いは約3/1000秒ほど。さらにウイルソンではこの3/1000秒を5/1000秒に変えるガットまでも出してきました。
ウイルソンのガットブランドLXNのSMARTです。名前の通り賢いガットとのことですが、早くす隠語した当たりの時は硬く反応し、ゆっくり当たった時は柔らかく反応するとのこと。
LXNのサイトでは『プレーヤーが、ハードショットでエースを奪いに行くときは、ポリエステルがもつようなパワーとコントロール性能を求める。一方で、ドロップショット、スライスショットで揺さぶりを掛けるときは、ナイロンやナチュラルがもつような、柔らかいフィーリングを求める。#賢いストリング「ルキシロン・スマート」は、あなたのために、自ら考え、その真逆とも言える性能に変化する。』とのことでした。
果たしてそんな感覚が打ってわかるのか、しなるラケットと賢いガットの組み合わせで1ヶ月ほど試してみました。
打ってみた感想としては『えっ、なにこれ』っていう感覚でした。ポスって軽いあたりでしたが楽に飛んでいく、ポスっというボールの潰れる感じが気持ちいい打感でこれはなかなかいいぞ!というファーストインプレッションでした。
普段はバボラのピュアアエロという硬いラケットを使っているのですが、明らかに打球感が違うので、戸惑いました。このCLASHというラケットは鈍感な人でもわかるくらい、第1球めで柔らかいと実感できる珍しいラケットです。
ラケットフレームが柔らかいと何がいいかというと、とにかく手首や肘に優しいのではないかと思います。硬いラケットはどんなに振動対策をしても、フルスイングするとやはり体への負担は大きくなります。ただ、こちらのラケットはかなりしなってくれるので、そこまで強く振らなくても楽にボールを飛ばせている感覚があります。少し僕には飛びすぎかなという感覚がありましたが、そこはガットのテンションを硬く張るなどして調整できるのかなと思いました。
次に噂の賢いガットですね。早く振ると硬くなって、遅く振ると柔らかい、そんなことがあるのかいなと思っておりましたが、なるほど若干ですがフィーリングとして、わかりますね。
特に強打した際に、より弾いてくれる感じがあると思います。今回は特別柔らかいラケットに張ってしまったので、その辺がラケットによるものなのか、ガットに由来するものなのかわからなくなってしまいますが、確かに違いを感じられました。
ちょっと画像ではわかりにくいかもしれませんが、ガットの断面が結び目のところで見えると思います。白い丸が3つ見えるかと思いますが、3つのポリエステル繊維からなるマルチ構造で、この構造と表面のコーティングなどからこの機能が生まれているのかなぁと思います。
一般的なポリガットに比べると飛びはまずまずですが、打感がとても柔らかいです(ポリとしては)。普段ナイロンガットをお使いですぐ切れちゃうのが不満だけど、ポリは硬くて嫌という方にはもってこいかもしれないですね。
ポリならではのスナップバックが効きますので、スピンはすごくかかるので、中高生の部活で使うには切れないし、ハードヒットもできるし、もってこいのコスパの良いガットだと思いました。
私は週末プレーヤですが、ちょいちょい大会にも出ておりますので、ガットがすぐ切れてしまうのが悩みでしたが、ガットをポリに変えたり、ラケットを違うものにしてみたりと、いろんなセッティングを試すことで自分にあったラケットとガットのセッティングが見えてきたように思います。
もしテニスをやられる方がおりましたら、一度参考に賢いガットなどお試しくださいませ。