現在行われているウインブルドン、ついにベスト4が出揃いましたね。全仏に引き続き結局ベスト4にビッグ3が全員入るという、『いつもの』メンバーになってしまいました。
なかなか近代スポーツでは珍しいことですが、テニスにおいては30代の選手がトップを独占するという状況が続いています。もうお気づきかと思いますが、ここまでの2019年の全豪ジョコビッチ、全仏ナダルと遡り、2018年のグランドスラムも、
全豪:優勝ジョコビッチ、準優勝チリッチ
全仏:優勝ナダル、準優勝ティーム
全英:優勝ジョコビッチ、準優勝アンダーソン
全米:優勝ジョコビッチ、準優勝デルポトロ
2017年も
全豪:優勝フェデラー、準優勝ナダル
全仏:優勝ナダル、準優勝ワウリンカ
全英:優勝フェデラー、準優勝チリッチ
全仏:優勝ナダル、準優勝アンダーソン
調べてみたら、この3年ずっとこの3人でグランドスラム回していたんですね(笑)
今回の錦織選手の試合もほぼ彼のベストのプレーを出し切ったと言ってもいいでしょう。ただ、それでも彼ら3人に届かないのは経験の差というよりも、何か別の要素があるように思えてなりません。
この3人に共通するのは1年間怪我せずツアーを戦える強いフィジカルを持っていることです。グランドスラムは他のツアーの試合と違い5セットマッチになります。優勝するまでには2週間のうちに5セットマッチを2日おきに7試合も行わなければならず、どんなにワンマッチに強い選手でも、週の後半ミドル・サンデーを挟んだ後の週は疲れも出てきて、動きに精彩がなくなってきます。
錦織選手もまさにそのタイプで、短期決戦では強い選手。昨年のATPファイナルではフェデラーにも勝利し、ベスト8までしか出場できないこの試合でも2回のベスト4の経験があります。ただし、マラソンマンと揶揄されるだけあって1試合が長い、、、、
今年の全仏では1週目の平均試合時間数が3時間を超えていました。案の定、ナダルとの準々決勝ではガス欠で1-6,1-6,3-6とストレート負け。これではビッグ3にグランドスラムで勝つことは難しい状況です。
かたやフェデラーを始めビッグ3の選手たちはミドル・サンデーまでの1週目を2時間以内にまとめてきます。フェデラーに至っては1時間半を切る試合もあったりして、体力には余裕がある状態で常に万全を期しています。
そう言った意味でも今回の錦織選手はミドル・サンデーまでの平均試合時間を2時間以内で納めてフェデラー戦に臨みましたので、かなりいいところまで行ったかと思います。
30代の3人の選手も20代までは同じように1試合の試合時間は割と長めでした。道具の進化や、ITなどの登場により戦略分析とより効率的な配球のパターンなどを割り出して、彼らは試合時間を短縮してきました。
これにより、体の負担も軽減され、より長い期間トップで戦えるように進化した3人にまだこれから数年はテニス界も支配が続きそうですね。
ネクストジェネレーションと呼ばれる、錦織選手より若い世代も台頭してきておりますので、錦織選手にも試合時間を短縮して、体に負担なく1年を通じて活躍して欲しいですね。
頑張れ錦織!