ちょっと気が早いですが、次のグランドスラムは全仏オープンで、5月末から6月初めにかけて開催されます。
そこで気になっているのが、大坂選手のグランドスラムの連勝についてです。昨年の全米に引き続き、まさかの全豪も優勝。おまけと言ってはなんですがランキングも1位に。
いまだかつて日本人でこれほど短期間で結果を出した選手はいなかったので、世間からの期待値はMAXです。そうはいってもまだ21歳の女の子ですから、連日の報道や、あまりにも加熱しすぎた熱狂に自分のペースを保ちきれていないのかなと思います。
コーチの交代劇などもあり、優勝後のトップシードで迎えたはじめの試合はなんとストレート負けになってしまい、さらに注目を浴びてしまいました。世界ランク1位、世界のテニス女王としての重圧が彼女にのしかかってしまいましたが、これは一時的なもので、結果を出していくことで自然とクリアされていくのではないかと私は思っています。
そこで重要なのが、今まさに行われているBNPパリバオープン(インディアンウエルズ)です。昨年この大会で優勝をしてから才能が開花、大きな自信をつけた大会ともなります。
アメリカで春に行われる大会では最も大きな賞金が出る大会で、男子はベスト10全ての選手が出場します。まさにグランドスラム前哨戦なわけです。
サーフェスはハードコートで、もともとスピードのあるコートですが、インディアンウェルズという土地は砂漠地帯にあり、乾いた空気のせいかよく飛び、よく跳ねます。なので、選手によっては打感が合わないなどの理由で上位シードであっても早い段階で姿を消してしまうなんてこともあります。
特に女子に至っては、シードダウンが多い大会で過去5年で1桁ランキングの選手が優勝したのはシモーナ・ハレプ選手のみ。さて、ランキング1位で臨む期待の大坂選手はいかに?
この後はもう一つの春の祭典、マイアミオープン。ここは大坂選手が自宅を構えるいわばホーム。こちらの大会もプレミアマンダトリーと呼ばれる、グランドスラムの次に大きな大会で、インディアンウェルズとともにビッグな大会です。
春のハードコートシーズンが終わった4月の中旬あたりからいよいよ土の季節に突入します。年間グランドスラムの期待がかかる大坂選手はこのクレーシーズンに入る前にいかにポイントを伸ばせるか、死守できるかが連覇成功の大きなキーになるかと思います。
ランキングが上位で全仏に入ることができれば早い段階でトップ選手同士の対ケルがなくなるからです。特にクレーコートはボールのスピードが遅く、ラリーが長引くのでスタミナの消耗が激しいので、なるべく省エネでトーナメントを上がっていくという工夫の必要な大会でもあります。
かつて名手と謳われた、世界ランキング1位の選手たちも全仏だけは勝てない選手が数多くいました。大坂選手はハードヒッターで足も速く、コートカバーリングがいい選手なので、クレーコートは苦にしていないと思いますが、このハードコートシーズンに頑張っていただいて是非とも『楽な』トーナメントを勝ち抜いてほしいですね!