ついに日本人初のグランドスラム制覇の瞬間が訪れました!数年前でしたら、錦織選手が筆頭の候補でしたが、怪我などの影響もあり、最近はどうかなと思っておりました。今回可能性としては得意なハードコートで、しかも地元の全米でと期待がかかっており、ベスト4まできたので錦織優勝なるか!と期待値が上がっておりました。
大阪選手も地元ですし、二人一緒にベスト4まで勝ち上がってきたので、もしかすると男女ともに?・・・なんて思っておりましたが、まさかの女子の方でグランドスラム頂点まで上り詰めてしまうとは。大阪選手すごいです。
今回の全米はとにかく気温が高く、エクストリーム・ヒート・ポリシーというグランドスラムでは全豪でしか適用されていなかった熱中症対策ルールが適用されました。
このルールは具体的に言うと気温が摂氏35度以上になった場合、最終セットの前に、10分間のコート外での休憩(セットブレークの120秒を含む)が認められると言うルールです。男子にはこのルールがないのですが、今回はあまりにも暑い日が続くので、男子にもこのルールが適用されました。それほど暑かったので、途中リタイアする選手が続出し、大会は荒れました。
女子のシードダウンも相次ぎ、比較的ラッキーなドローだった大阪選手はみるみるうちに決勝まで駒を進めました。
途中1時間以内に終わってしまう試合(対サスノビッチ戦 6-0.6-0)などもあり、体力面でも大分有利に進められたのも今回の勝因の一つかと思います。決勝戦はあの女王セリーナ・ウイリアムスに対して、ぐぅの音も出ない圧勝で(審判騒動はありましたが)初戴冠。
それにしても、見事な勝ちっぷりでした。大阪選手本当におめでとうございます!
■2週連続優勝なるか
さて、今週は日本に帰ってきている大阪選手。来週から始まる東レパンパシフィックオープンに出場予定です。いつもは有明のコートが使えるのですが、東京オリンピックに向けて改修中のため今年は立川の立飛アリーナ(収容人数3000人)という会場で行われます。小さなコートですので、もうすでにチケットは完売。チケットショップでも今現在の価格がSS席で15000円とプレミアチケットとなっておりました。
会場がいつもより小さく、インドアのコートなので勝手が違いますが、大阪選手はこの大会、過去準優勝も経験している相性がいい大会なので今回も期待が持てます。
なぜかと言うと、上位シード勢が軒並み欠場を発表しているからなんです。A・ケルバー(ドイツ)、A・セバストバ(ラトビア)、C・スアレス・ナバロ(スペイン)、M・ブザルネスク(ルーマニア)が欠場とのこと。
これにて、大阪選手より上位のランカーは、アンゲリク・ケルバーとキャロリン・ガルシアの2人のみとなりました。今回の優勝でランクをググッとあげたことで上位勢とは当たらずにベスト4まで試合できるようなドローとなるかと思うので、2週連続での優勝も見えてきますね!
気になるドローは明日15日発表予定です。
ちなみに東レ パン パシフィック オープンテニストーナメントはシングルス28ドロー、賞金総額約80万ドル、プレミア700というカテゴリー。2週連続優勝でさらにポイントを積み上げて、年末のWTAファイナルに駒を進めてほしいものですね!
■市販品でもグランドスラム優勝!
すでにテレビなどでも大々的に報道されていますが、大阪選手のラケットはヨネックスのEゾーン98という市販モデルだそうで、『市販品でもグランドスラム優勝!』『大阪半端ない』など多くの声が寄せられておりますね。
テレビで伊達公子さんが『プロではあり得ない』などとも発言しておりましたが、メーカーの宣伝上個人モデルが出る選手はカスタムして作成してくれますし、やはりレアケースなのかもしれないですね。ナダルも割と市販品に近いモデルを使っていたりするので、ありえないとは言い切れないですがこの数年でラケットの性能が飛躍的に上がっているので、プロが使うモデルと市販品の差がほとんどなくなってきていると見たほうがいいかと思います。
大阪選手の何よりすごいのがガットも一般プレーヤーと変わらないものを使っていること。
プロはナチュラルガット(反発も良くて、フィーリングも最高だが高価)を使用するのが普通です。選手によっては独自のガットを用意してもらったり、複数の組み合わせなどでテストを行っています。そんな中、大阪選手は普通のスポーツショップで買えるナイロンガットを使用しています。プロの中でもナチュラルガットとポリエステルのガットを縦横別に張って耐久性やフィーリングを変えて使う選手は多いですが、プロでナイロンガットは結構珍しいです。以下の写真を掲載しておくので、もし気になった方はスポーツショップで探してみてください。2000円前後で買えると思います。
セッティングは縦(メイン)POLYTOUR PRO125、横(クロス)REXIS130を50〜60ポンドの間で張っているそうで、パワーがありすぎる大阪選手はフルスイングでも飛びすぎないように太めのナイロンを横に貼ることでコートに収まるようなセッティングにしているようですね。
そういう意味ではまだ道具に頼りきっていないということで、ぴったりくるラケットやストリングのセッティングが決まれば、まだまだ伸び代があるような気が個人的にはしております。
コートに収まらないほどのパワーを抑えて使う彼女が、これから全てのパワーを縦横無尽に打ち分けられる日が来たら・・・と思うと、セリーナのような女王の時代が彼女にもくるかもしれません。今後の大阪選手に期待ですね!