2017年シーズンも終了し、新たな幕開けに向けて全豪オープンのエントリーリストなど、テニス界にも続々と来年度のニュースが入って来ておりますね。
一年を振り返ると今年は『復活』の年でありました。フェデラーは全豪優勝を初めにウインブルドン、全仏、そして全米と勝ってシングルスランキング1位に返り咲いたナダルを筆頭に、ベテラン勢の活躍が目立ちました。
ひと昔前でしたら30歳は引退の年でしたが、今年のグランドスラム優勝者(フェデラー36歳、ナダル31歳)、準優勝者(全豪‥ナダル【31歳】、ウインブルドン‥M・チリッチ【29歳】、全仏‥S・ワウリンカ【32歳】全米‥K・アンダーソン【31歳】)にはアラサー世代が活躍しております。
1990年代の絶対王者のピート・サンプラスも『道具に拘らずにもっと新しいラケットを試していれば・・・私のテニス人生ももっと長かったかも知れない』とこぼすように、道具の進化による部分も大きいと思いますが、それ以外にもトレーニング技術の進化やフィジカルサポートの分野の発展も多いかと思います。
また情報技術の発展でより効果的なトレーニングや戦術指導が行えるようになりました。対戦相手の傾向や自分の配球パターンの改善などビッグデータを解析するチームを持つマレーの様な選手もおりますし、今後ITを味方に付けたスポーツ選手がよりアドバンテージを持って試合に臨めるのではないかと思います。
そういった面では2018年シーズンは新たな転換点のような気がします。
2017年シーズンの最後に行なわれたNEXTGENの試合ではテレビの放送サイズに収まるように4ゲーム先取の試合方法が採用され、線審もすべてビデオ判定に置き換えて行なわれました。試合の途中にはタブレットを持ったコーチも入る事ができ、観客はより多くの情報をスコアが面から得られるようになりました。
卓球やバレーボールがかつてそうであったように、得点制度を見直すことでよりエキサイティングな試合運びを期待する事が出来るでしょう。2018年はそうした新ルールで行われる大会が増えて行くのかなど、テニスファンにとっては注目すべき1年となるかと思います。
また、ズベレフを始めとした新世代がトップ選手と入れ替わり、長い間君臨してきたビッグ4時代は2017年完全に終わりを告げました。アジア勢では鄭現選手も大活躍し、錦織選手につづく新しいアジアのスター選手が久々に現れました。ここ10年はまさにBIG4の独占時代であったので、21才以下のニュースターが一気に花咲いたのも2017年の特徴ですね。2018年はきっとニュースターとベテランの一騎討ちの年となることでしょう。
そして忘れてはならないのが、ベテラン勢の復活と共に2017年は悲しい事に『怪我』の一年でもありました。
錦織選手をはじめとするトップ選手が軒並みリタイアする事になった今シーズンを鑑みても、新たなるルール導入は時短も含め、選手にとって身体の負担を軽減できるいいチャンスかと思います。
2018年は、新勢力の台頭(ズベレフやルブレフ、シャポバロフといった若手、もしくはデータ分析チームをもった選手)とベテラン勢の踏ん張りに注目しています!来年もまた全ての選手が怪我などのトラブル無く、テニス界が盛り上がる一年になれば良いですね。