昨年の昨年11月1日から今年1月3日までの投票によって、今年の本屋大賞のノミネートが出揃いましたね〜
本屋大賞と言えば、最も映像化が多い文学賞とも言われる賞ですよね。その手の権威が選ぶ小難しい賞ではなくて、本屋さんが自分で読んで良かったと思える物に投票しているので、最も間違いない賞だと僕は勝手に思っています。
今年は以下の10作品がノミネートしました。
『i』西加奈子(著)ポプラ社
『暗幕のゲルニカ』原田マハ(著)新潮社
『桜風堂ものがたり』村山早紀(著)PHP研究所
『コーヒーが冷めないうちに』川口俊和(著)サンマーク出版
『コンビニ人間』村田沙耶香(著)文藝春秋
『ツバキ文具店』小川糸(著)幻冬舎
『みかづき』森絵都(著)集英社
『蜜蜂と遠雷』恩田陸(著)幻冬舎
『夜行』森見登美彦(著)小学館
はじめの頃は新人作家にスポットが当たるような『あまり知られていないが、佳作』というような雰囲気の本がノミネートされている印象でしたが、回を重ねるごとに直木賞作家や他の文学賞受賞作家などのそうそうたるメンバーが名をつられるようになって、若干これだと他の文学賞と変わりなくなっちゃうよという印象もなきにしもあらずです。
ただ、結局のところベストセラー作家には人をひきつける実力がそれだけあるということの印で、良作家にハズレ無し!ということが証明されたに過ぎません。過去の受賞作もほとんどが映像化されていますが、その映像化作品もことごとくヒット連発しています。このことからも単に小説として面白いだけでなく、映像化も視野に入れた作品づくり、シナリオ化という賞の色合いも見えてきますね。本屋さんと出版社、映像を作品化する制作サイドももちろん注目のビッグタイトルなんです。
今回はベストセラーで本屋大賞常連の森見登美彦さんの『夜行』も選ばれております。京大出身の森見さんは、いつもの作品のように今回も京都を舞台にすこし不思議な世界を描いています。今までは惜しいところで大賞を逃しています。さて悲願の大賞受賞はなりますでしょうか?
森見さんのお話は読書に抵抗がある方でもとても読みやすい語り口なので、何から読んでいいか分からないという方には、とってもおススメです。不思議な森見ワールドに一気に連れて行ってもらえると思います。
また、芥川賞を受賞した村田沙耶香さんの『コンビニ人間』もノミネート。芥川賞としてはすこし異質なエンターテインメント章句の強い面白い作品です。コンビニで働く30代半ばの女性を描く悲喜こもごものお話。コンビニを世界の中心とした小さな世界で巻き起こる男女の人生模様を描いた作品ですが、芥川賞とのビッグタイトル同時受賞はあるのでしょうか…
個人的にはまだ読んでいないのですが、川口俊和さんの『コーヒーが冷めないうちに』という本が気になっています。最近話題のタイムリープ系のお話なのです。ここに来れば過去に戻れるという不思議なうわさのある喫茶店フニクリフニクラを訪れた4人の女性たちが紡ぐ、家族と、愛と、後悔の物語だそうです。
作者の川口さんは大阪府出身で元劇団音速かたつむり脚本家兼演出家。この作品がデビュー作だそうですが、舞台の脚本家ということはこのお話、そのまま映像化出来るような気がします。そう言った意味でも受賞を期待しておりますので、今からでも遅くない!と思ってこれから読んでみようと思います。
注目の大賞発表は4月11日(火)となっておりますので、みなさんチェックしてみて下さい!