いざ地震などの災害に見舞われた時、まず持っていくべき「非常用持ち出し品」については、消防庁など公的なHPでも掲載されています。簡単にまとめますと、以下のとおりです。
◎貴重品(健康保険証のコピーなど)
◎避難用具(懐中電灯、携帯ラジオ、予備の乾電池など)
◎生活用品(軍手、ライター、マッチ、ナイフなど)
◎救急用具(絆創膏や消毒液、胃腸薬、持病の薬、とげぬきなど)
◎非常食品(家族3日分。乾パン、缶詰、飲料水など)
◎衣料品(防寒着、下着、靴下など)
これらは、必要最低限の"必需品"といえます。ライフラインが復旧するといわれる3日間をしのぐものですが、実際の震災後のように長期間の避難所生活や車での寝泊りを強いられると想定すると、「あると便利なもの」の枠が広がっていきます。
そんな役立つものの数々を、避難生活に起こりがちなシーンごとにご紹介しましょう。
蛇口をひねるとすぐに水が出てくる日常と大きくかけ離れた避難生活。給水車にズラリと並ぶ人の列も、よくテレビでみる光景です。その際、持ち運びで便利なのが
ポリタンク。大きなバケツですと、こぼれるリスクもあります。給水用にビニール袋が配布されるケースもありますが「1人あたり10リットルまで」といったケースでは賄いきれず、持ち運びも不便です。テレビなどでは焼酎の大型ペットボトルなどを活用している方もいましたが、やはりポリタンクが最も重宝します。
そして、貴重な水を食器などの洗い物で使うわけにもいきません。そこで重宝するのがサランラップなどの
キッチン用ラップ。食器にかぶせることで、食事を終えたらラップだけ捨てて洗い物が出ないということですね。もちろん、かぶせるものが食器でなくても構いません。 ちなみにラップは、けがをした場合の包帯として使ったり、汚れた場所に座りたいときに敷いたりなど、他の用途にも活用できるので便利です。
重ねて言いますが、水は貴重です。自衛隊の方々が臨時のお風呂を開設するといったこともありましたが、基本的にはお風呂には入れないと思っておいたほうがよいでしょう。そこで活躍するのが
ウェットティッシュです。体を拭いたり、けがをした際の止血や消毒にも活用できます
また、集団での生活において、臭いがあると他人への申し訳ない気持ちも相まって、心がすさんでくるもの。そこで、
消臭スプレーもあると便利です。さらにお口のにおいが気になって、他人と会話しづらい状況も生まれました。お水を使わずに口腔ケアができる介護用のウェットティッシュも、防災用品として流用できそうです。
生ごみや子どものおむつを廃棄する際など、エチケットの面でも大型の
ビニール袋は用意しておきたいところ。なおラップと同様、ビニール袋の用途も多彩です。大型であれば穴をあけて、雨の際にポンチョのようにも使えますし、ちょっとした荷物を運ぶ際にも便利。防寒対策としても活用できます。
また、ごみ収集がない状況によっては臭いもきつくなりますので、悪臭対策で
マスクも有効です。
学校の体育館のようなところに皆、一同に寝る避難所生活。先の地震の際には、夜鳴きする赤ちゃんを抱えて夜中に外であやしたり、避難所を出て自動車生活を送る家族もいました。
睡眠はパワーの源ですから、
アイマスクや
耳栓を用意しておくのもひとつの手。さらに熊本大地震でも、毛布が一人1枚行き渡らない状況もありました。寒さ対策対策として、下に敷く
段ボールや
ヨガマット、寝袋もあるとよいでしょう。
お子さんがいる場合、心と体のケアをしっかりしてあげることが大切ですよね。震災時に「役立った」という声が多かったのが、
お菓子類。食品のストックというと、お湯かお水を注ぐだけでご飯が食べられる「アルファ化米」や乾パン、缶詰、レトルト食品が注目されがちですが、心がホッとするお菓子類も実は大切。誰もが知るグリコのお菓子「ビスコ」には賞味期限5年間の保存缶タイプがあるなど、昨今は防災対策としても活用できる商品が多くリリースされています。
また、おもちゃ類はかさばってしまいがちなので、
トランプやお絵かきを楽しむ
スケッチ&クレヨンなどのほうがおすすめです。クレヨンは、がれきや扉などに伝言を書き残す際にも使えます。