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特集記事【2008年2/20日号】

2月は「如月」。ですが「梅見月」とも言います。3月は「弥生」。その異称は「桜月」「花見月」などです。暦にその名を刻むほど、梅と桜は古くから日本人に愛されてきました。

日本最古の歌集「万葉集」には、桜に比べて梅のほうが多く登場。そのため当時は「梅見」のほうがポピュラーだったといわれています。万葉歌人達は春になると梅見の宴を開き、歌を詠みました。その後、日本人の食文化に「梅干し」が入ってくることにより梅の木も盛んに植樹され、全国に広がっていったのです。

一方、桜を愛でる歴史も古く、7世紀頃には今でも桜の名所として知られる奈良・吉野山に、持統天皇は足しげく花見に通ったといわれています。その後、豊臣秀吉や徳川家光など、時代ごとの天下人に寵愛されました。徳川吉宗は飛鳥山(現・東京都北区)に千本を超える桜を植え、庶民の娯楽として花見を奨励。その後、現在もっとも一般的な桜「ソメイヨシノ」が登場し、広まっていきました。

花自体は珍しいものではなく、日本の各地で見ることができる梅と桜。しかし樹齢を重ねた名木や、周囲の風景と見事に溶け合った名勝など、「そこでしか見ることができない風景」を目の前にすると、おのずと感動が湧き上がってきます。さっそくご紹介しましょう。
西暦710年から794年まで日本の首都は奈良、すなわち「平城京」でした。その中心にある平城宮や朱雀門などの建築や、道路が「碁盤の目」をなした都市計画などは、唐の都、長安を倣ったものといわれています。建築や街づくりだけでなく、遣唐使を通じて唐の文化が流れ込んできた時代です。そして「梅」もまたしかり。中国原産の梅は日本の風土にもよく似合い、貴族達がその香りの優雅さや、色鮮やかな花弁に魅せられたのはいうまでもありません。

その当時は主に「白梅」が愛でられていました。貴族達は春になるとこぞって梅の木の下で酒宴を開き、歌を詠みました。自宅の庭に植えて鑑賞したり、実を生で食べたりする風潮もこの頃流行したといいます。平安時代に梅干が出現する前のことです。

かつて栄華を極めた平安京の都、平城宮は、現在「平城宮跡」として世界遺産に登録されています。広大な敷地に東院庭園や朱雀門など当時の建築が復元され、平城宮跡資料館など見どころも豊富です。その資料館のそばに小さな梅林があります。数十本と規模は小ぢんまりしていますが、かつての都で眺める梅は、悠久の歴史を感じさせてくれます。
奈良の梅といってまず思いつくのが、奈良、京都、三重のちょうど境に広がる月ヶ瀬梅林です。全国屈指の梅の名所として知られ、大正11年に国の名勝指定を受けています。名張川(別名:五月川)が山あいを縫うように流れ、川に沿って切り立ったV字の渓谷が連なる・・・その斜面に1万3千本もの梅。渓谷と梅がおりなす美しい風景と梅の香がいちめんに漂い、観る者を和ませてくれます。

花の盛りは例年2月下旬から3月上旬頃まで。高地に位置するため、奈良市街の梅より若干遅めの開花となります。白梅と紅梅が入り混じり、谷を埋め尽くす風景は、まさに「絶景」。ここでしかできない「梅見」をぜひ楽しんでください。ちなみに4月は入れ替わるようにして、約3千本の桜が谷を覆います。

月ヶ瀬梅林の歴史は、同地区にある真福寺の天神社建立の際、菅原道真の好んだ梅を植樹したことから始まったとの言い伝えがあります。実際、この梅林で最も古いとされている梅の木は、旧月ヶ瀬村地域にある「桃仙の梅」。樹齢はおよそ600年だそうです。

また、ダムによって生まれた月ヶ瀬湖に架かる八幡橋もビュースポットのひとつ。その橋のたもとには樹齢500年の白梅「白髪の梅」があります。1969年、ダム完成に伴って河畔からこの地に移された梅は、今年も元気に可憐な花を咲かせています。
月ヶ瀬梅林と並び、奈良の三大梅林といわれているのが、賀名生梅林(あのうばいりん)と広橋梅林です。

北曽木の丘陵を約2万本の梅が覆う賀名生梅林。南北朝時代、都を追われた公家達は、この地の梅を見て、栄華を偲んだ歌を詠んだといいます。いちめんに広がる白や淡い桃色の梅。あたかも山全体に霞がかかったように見え、思わず息を飲むほどです。2月下旬から3月下旬頃までが例年見頃となっています。

一回りするとおよそ3時間かかるほどの巨大な梅林にはいくつかのビュースポットがあります。山の北側斜面にびっしりと梅が咲き並ぶ姿を目の当たりにできる「口の千本」をはじめ、「東雲千本」「奥の千本」「西の千本」など、起伏に富んだ名勝を楽しみながら散策することができます。ちなみにこの「千本」とは吉野山の桜になぞらえた呼び方です。

広橋梅林は、葛城山や金剛山、大和平野を見渡せるダイナミックな眺望と梅のコントラストが見事。約25ヘクタールの野に、約5000本の梅が花を咲かせます。見頃は例年2月下旬から3月中旬まで。遊歩道が整備されており、全長約3.2キロの「梅林満喫コース」では、梅の里の風情を存分に感じることができます。一方、全長約1.2キロの「天守の森コース」は、梅林を抜けて杉木立を歩き、広橋城跡の残る山頂までのハイキングコース。歴史情緒と自然の素晴らしさ、双方を感じさせてくれます。

自然の景観美を「借景」とし、ここでしか見られない「野の梅」を堪能できる奈良の梅林。桜の盛りも良いけれど、梅の頃も味わい深いですよ!
   
■平城宮跡
住所:奈良県奈良市佐紀町
お問い合わせ:0742-30-6752(奈良文化財研究所)
ホームページ:奈良県観光情報 大和路アーカイブ
■月ヶ瀬梅林
住所:奈良県奈良市月ヶ瀬
お問い合わせ:0743-92-0300(月ヶ瀬観光会館)
ホームページ:http://narashikanko.jp/kan_spot/kan_spot_data/w_si200.html
■賀名生梅林
住所:奈良県五條市西吉野町北曽木
お問い合わせ:0747-33-0301(五條市西吉野支所地域振興課)
ホームページ:賀名生梅林(あのうばいりん)
■広橋梅林
住所:奈良県吉野郡下市町広橋
お問い合わせ:0747‐52‐0001(下市町役場 情報センター)
ホームページ:http://www.town.shimoichi.nara.jp/kankou/ume/ume_mein.htm
 
月ヶ瀬梅林の最寄り駅は、伊賀鉄道の上野市駅。“伊賀”の名でおわかりのように、忍者の里・伊賀上野へ立ち寄ってみませんか?

上野市駅界隈には見どころが盛りだくさん。おすすめは「伊賀流忍者博物館」です。同館の「伊賀流忍者屋敷」では、「くノ一(女忍者)」が数々の仕掛け・からくりが施された屋敷内をエスコート。実演も見ることができます。「忍術体験館」では伊賀忍者が上野城へ密かに潜入する様子を映像で見られるほか、忍者が作戦実行のために使った道具の一部を実際に使ってみることも可能。当時使用された本物の手裏剣を含め、400点以上の忍具が展示されています。他にも生活に役立つ?忍者の知恵を学べる「忍者伝承館」や、「忍術体験広場 忍術ショー」なども開催され、まさに忍者一色のテーマパークといえます。お子さんも大いに楽しめそうな施設です。

また、木造三層の天守閣を持つ上野城、この地にゆかりの深い松尾芭蕉の真筆などが展示されている芭蕉翁記念館など、歴史的価値の高いスポットが目白押しです。お食事も、伊賀牛や伊賀米、伊賀酒、豆腐田楽、かたやき、和菓子など、食通をも唸らせる名産品がふんだんにあります。

ぜひご家族で“忍者の里”に立ち寄ってみてはいかがですか?
 
かつて武田信玄が治めた甲斐の国(現・山梨県)。豊かな自然と歴史情緒漂う名所が至る所にあります。最初にご紹介する桜の名所は、山梨県北杜市武川町にある実相寺(じっそうじ)。室町時代に開かれた日蓮宗の寺院です。その境内に、福島県田村郡三春町の「三春滝桜(みはるたきざくら)」、岐阜県本巣市の「淡墨桜(うすずみざくら)」と並び、“日本三大桜”といわれる桜の名木があります。それが「山高神代桜(やまたかじんだいざくら)」です。例年4月上旬に開花します。

日本最古の桜といわれる山高神代桜は、国指定の天然記念物。樹齢は2000年といわれ、日本武尊(ヤマトタケル)がこの地に植えたという伝説も残っています。根回りは13.5メートル。エドヒガンザクラの中では日本一の巨木です。大地からうねるように生える「幹」、そして通常の桜の木ほどのスケールを持つ「枝」。縦横無尽な枝が桜の花をつけて満開になると、これが一本の木かと疑いたくなるほどの「凄み」を感じます。2000年もの間、実直に花を咲かせてきた老木の生命力は、「花の美しさ」以外のことも感じさせてくれます。

さらに素晴らしいのは、周囲の風景と見事に調和していること。お寺の建築はもとより、遥か遠方には南アルプスの甲斐駒ヶ岳。晴れた日には、まだ雪の残る標高2967メートルの名峰が、神代桜の背景として鮮やかに浮き上がります。また、境内には一面を黄一色に染める水仙の花やチューリップも広がり、桜と美しいコントラストを描きます。桜をはじめとした「春の要素」がすべて詰まっているお寺といえるでしょう。

次に紹介するのは富士山の西側、富士川が流れる身延町。かつて日蓮聖人が入山して開いた身延山久遠寺です。境内にあるのは、「枝垂れ桜」。例年3月下旬から4月上旬頃にかけて境内の枝垂れ桜が一斉に咲き誇り、桃源郷さながらの風景が広がります。中でも圧巻なのは、樹齢400年といわれる巨大な枝垂れ桜。山高神代桜の樹齢2000年には負けるものの、大きな滝のように桜が垂れ下がる様は、思わず息を飲むほどです。なにより「枝ぶり」が見事。盆栽のような美しさが、天然で実現しているといったところでしょうか。

しだれ桜は久遠寺界隈にも広がっており、この周辺は日本さくらの名所百選に選ばれています。これら桜を一望したいのなら、久遠寺の裏手にある身延山ロープウェイに乗ってみましょう。全長はおよそ1.5キロメートル、山頂までの所要時間は約7分。ロープウェイに乗っている最中から、麓に広がる桜の木々を鑑賞できます。山あいの里が、おしろいで桃色の化粧したかのように染まってみえます。山頂には、かつて日蓮聖人が山を上り、両親と師匠に想いを馳せたといわれる「奥之院思親閣」があり、展望台からは富士山や駿河湾、南アルプス連峰、八ヶ岳連峰、秩父連山がパノラマとなって広がっています。ここでしか見られない風景を存分に味わってください。

富士山を間近で見たい、さらにそこに桜があればなおよし。そんな希望をお持ちの方におすすめしたいのが、河口湖の桜です。この地の桜は富士山麓に多く見られる「富士桜」。

例年4月下旬から5月上旬まで、薄桃色の桜の群落がアカマツの林に彩りを添えるように咲き誇り、その可憐な姿から「乙女桜」とも呼ばれています。開花時期と合わせ、河口湖創造の森では「河口湖富士桜ミツバツツジまつり」が開催され、観光客で賑わいます。

見どころのひとつは、河口湖の東岸に突き出した岬、産屋ヶ崎。湖に写る「逆さ富士」の名所としても有名で、かの松尾芭蕉はこの地で「雲ぎりのしばし百景つくしけり」と詠み、現在は句碑が建っています。桜のシーズンは例年4月中旬から4月下旬にかけて。ピーク時には写真愛好家の姿をあちこちで見かける、名所中の名所です。

河口湖南岸の中央には武田信玄ゆかりの神社、富士山中で最も古いといわれる冨士御室浅間神社(ふじおむろせんげんじんじゃ)があり、鳥居をくぐると美しい桜並木が私たちを迎えてくれます。花の頃は4月中旬から4月下旬にかけて。毎年4月29日には「流鏑馬祭り」を実施。駆ける馬上から的を射る伝統の技に、誰もが歓声を上げます。その姿と桜との調和もまた、日本の春の一幕といえるでしょう。

■実相寺(山高神代桜)
住所:山梨県北杜市武川町山高2763
お問い合わせ:0551-26-2740
ホームページ:http://park8.wakwak.com/~matsunaga/
■身延山久遠寺
住所:山梨県南巨摩郡身延町身延3567
お問い合わせ:05566-2-1011
ホームページ:http://www.kuonji.jp/
■河口湖創造の森
住所:山梨県南都留郡富士河口湖町船津6603
お問い合わせ:0555-72-1111
ホームページ:http://www.fujisan.ne.jp/search/info.php?ca_id=2&if_id=634
 
山高神代桜のある実相寺界隈にはもう一箇所、桜の名所があります。それが真原(さねはら)の桜並木。牧草地の道路脇、およそ700メートルに約200本の桜並木が続いています。都会にも桜並木はありますが、この地の並木道はとても牧歌的。時の流れる速さが違うと実感できるほどです。穏やかな雰囲気に定評のあるミネラルウォーター「南アルプスの天然水」のCM、そのロケ地にもなりました。

その南アルプスが育んだ名水を使ったウイスキー工場が北杜市白州町にあります。サントリー白州蒸留所です。仕込みから発酵、蒸留など、順を追って見学できるガイドツアーが好評。見学後はシングルモルトウイスキーの試飲タイムが30分設けられています。お酒を飲まない方は見学のみ参加することもできます。

その他、世界のウイスキーの歴史がわかるウイスキー博物館や、オープンデッキでウイスキーと相性のいい料理を揃えたレストラン、お土産や限定ウイスキーが購入できるファクトリーショップ、世界各地のブレンデッドウイスキーやシングルモルトウイスキーを有料で試飲できるバーも併設。野鳥の声を聞きながら、ほろ酔い気分で施設内の森を散策するのも一興ですよ!
 
今後の特集の参考にさせていただきます。
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