寺社仏閣におしゃれなお店、海の開放感と情緒たっぷりの江ノ電……見どころが多く、四季を通じて散策エリアとして人気の鎌倉。その中で静かな注目を集めているのが、鎌倉の各所で開催されている朝市です。
まず最初に立ち寄りたいのが、JR鎌倉駅から程近い鎌倉市農協連即売所。通称「レンバイ」と呼ばれるこの即売所は昭和3年、外国人牧師の助言により始まった日本初のヨーロッパ式マルシェ(市場)です。
近年注目を集めるオレンジズッキーニや紅芯大根など「鎌倉野菜」という呼び名も「この市場で売っているもの」、すなわち日本の伝統野菜をはじめ、フランスやイタリアの物珍しい野菜などの総称として生まれたのだとか。
1月1日から1月4日の期間を除く毎朝、地元農家の方々がローテーションで市を開いています。始まる時間はおおよそ午前8時から。
一般の方はもとより、鎌倉界隈の飲食店の人たちもここに通い、その日の旬の食材を吟味しています。日没までやっているので、鎌倉散策を楽しんだ後に来るのもよいですね。
鎌倉からだと稲村ケ崎の少し手前、海に面した鎌倉パークホテルでも、毎月第1日曜日に朝市を開催し賑わいをみせています。新鮮な魚や地場野菜は朝8時半から整理券を配布。鎌倉漁業協同組合に加えて地元の名店が出店しているのも魅力のひとつで、同ホテルのレストランの特製ケーキや魚介類の炊き込みご飯など、飲食コーナーも充実しています。飲食コーナーは午後9時からの販売です。ちょっと遅めの朝ご飯を楽しめますよ。
魚介類の朝市としては、江ノ電の腰越駅から程近い腰越漁港も要チェック。この界隈は、江ノ島駅や鎌倉駅周辺の賑わいとは少し一線を画し、おだやかでのんびりとした雰囲気が漂う魅力的なエリアです。ここで開催されているのが、腰越漁協の朝市。4月から7月末までは、第1、第3木曜日の午前10時から開催しています(荒天・不漁時は中止)。
獲ってすぐに氷で締められた朝どりの魚、その鮮度はもちろん抜群。アジをはじめ、季節によって多種多彩な魚が並んでいるのも朝市の楽しいところです。また、腰越漁港はシラスや畳いわしを天日で干している風景も見どころのひとつ。とりわけシラスは先月の3月11日に解禁を迎えたばかり。今では「湘南・腰越の春の味覚といえば、生シラス」といえるほど、知名度もグングン上昇中です。
運が良ければ、朝市や漁港前の直売所でで生シラスをゲットできるかも!?入手できなくても、直売所直営の食堂「しらすや」さんで舌鼓を打つことができます。ぜひ生シラスのつるんとした食感に、春の到来を感じてくださいね。