さて、これから荒川線に乗って早稲田から三ノ輪橋まで、順を追っておすすめスポットをご紹介していきます。
まずは「鬼子母神前」で下車し、約100m続く立派なケヤキ並木の参道を通って向かう鬼子母神堂。ここに祀られているのは、鬼子母神というインド由来の神様です。恐ろしげな名前の通り、かつては人間の子供を喰う存在でしたが、お釈迦さまが鬼子母神の末っ子を隠すことで改心し、それから安産・子安の神様となりました。実際にこのお堂のご本尊をみると、幼子を抱き、菩薩のような優しさがにじみ出ています。ご本尊に掲げられている「鬼子母神」の文字にも注目してみてください。「鬼」の文字の上の「ノ」がなく、角がないため鬼ではない、ということなんですね。
他にも境内には樹齢約700年を数える大イチョウがあり、"子授け銀杏"とも呼ばれています。子どもを授かりたい女性がこの大イチョウの幹を抱くことで祈願していたのだとか。
さらにもうひとつ、境内で目を引くのが駄菓子屋さん「上川口屋」です。創業はなんと230年以上前。日本一古い駄菓子屋さんと言われています。
ジブリ映画「おもいでぽろぽろ」に登場する駄菓子屋さんのモデルになったとの説もあり、日々子どもはもちろん、お参りに来た大人も懐かしい駄菓子を物色しています。
続きましては都電荒川線「飛鳥山」もしくは「王子駅前」停留所で下車してすぐのところに広がる飛鳥山公園。
ここは江戸時代から桜の名所として知られていますが、桜以外の季節もファミリー層から熱い支持を得ています。これからの季節は、1万5千株のつつじや、京浜東北線沿いに植えられている約1300株のあじさいが見頃です。
低くても飛鳥"山"というくらいですから、園内には高低差があります。そこで平成21年に登場したのが、高齢者やベビーカーのお母さんでも気軽に無料で利用できる「あすかパークレール」という自走式モノレール。かたつむりのような丸っこい車両は「アスカルゴ」の名前で親しまれています。なお園内には、「北区飛鳥山博物館」「紙の博物館」「渋沢史料館」と3つのミュージアムがあるほか、子どもに人気のお城や、都電やD51機関車の展示などもあります。ぜひご家族揃ってお出かけください!