日本の芸術家として、この人ほど知られている人はなかなかいません。メディアにしばしば登場することで、アート好きでない方にもよく知られている岡本太郎氏。その記念館が東京・青山にあります。
ここの建物は、もともと太郎氏が父の岡本一平氏から相続し、太郎氏が1996年に亡くなるまで自宅兼アトリエとして使用していた地です。およそ半世紀もの間、ここで暮らしながら絵画や彫刻、大阪万博の太陽の塔などの構想を練り、数々の作品を仕上げてきました。
記念館は、一言でいうと"賑やか"。居間だったスペースには「座ることを拒否する椅子」をはじめ、氏の作品やレプリカが、良い意味で雑然と置かれています。そこにたたずむ、太郎氏の全身をかたどって作られたというリアルなマネキン像も!マネキンになっても"圧"を感じるのが太郎氏たるゆえんです。
一方、アトリエは往年の姿のまま残されています。棚には無数のカンバス、机の上には筆や刷毛。作品も展示されています。
2階には、定期的に企画展が開催されています。太郎氏が生前に興味を抱いたモノやコトにまつわる展示や、太郎氏の影響を受けた現在の作家の作品展示など、バラエティ豊かです。展示室内で音楽のライブやトークイベントが開催されることもあります。
そして、見逃せないのは庭。オブジェの数々が居並び、それぞれが生命を持っているかのようにイキイキとしています。2階のベランダからは、太陽の塔をモチーフにした作品が見下ろしていたりと、遊び心も満載。これらの作品は実際に触ることもできます。また、記念館内すべて撮影OKというのも、アートスペースとしては珍しいですよね。庭を眺めながらティーブレイクできるカフェもありますよ。
ちなみに、今回ご紹介したのは「岡本太郎記念館」。川崎市には、氏の作品を数多く所蔵・展示している「川崎市岡本太郎美術館」があります。どちらも異なる魅力に溢れていますので、ぜひお出かけください。