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特集記事【2019年2/20日号】

厳しい寒さが続くと、桜の開花が待ち遠しくなりますよね。そこで、じょいふるねっとの特集において春の定番といえる桜特集です。

「親しい仲間とのお花見は、毎年、開催場所が決まっている」という方も多いのではないでしょうか。それはそれとして楽しみつつ、別の趣ある桜を紹介したいと思い、今年は「歴史情緒と花見」というテーマを掲げました。

お寺や神社で咲く桜は、それだけで歴史情緒が漂うもの。よって今回はお寺や神社の境内だけでなく、「昔懐かしい鉄道が走る風景」だったり、地域そのものに歴史があるような場所をあえて選んでみました。

また、親しい友人やご家族との花見を満喫した後の週などにお出かけできるよう、首都圏のソメイヨシノが開花するピークよりも少し後、4月に入ってから楽しめるスポットになっています。

ぜひともお出かけして、心温まる日本の春の風景をお楽しみください。
皆さんは「日本五大桜」をご存じでしょうか?この5本は大正11年に国の天然記念物に指定された桜の名木のこと。福島県の「三春滝桜」、山梨県の「山高神代桜」、岐阜県の「根尾谷の淡墨桜」、静岡県の「狩宿の下馬ザクラ」、そして今回ご紹介する埼玉県の「石戸蒲(いしとかば)ザクラ」です。

日本五大桜のうち都心部から最も近い石戸蒲ザクラがあるのは、埼玉県北本市にある東光寺の境内。歴史情緒があり、なおかつ桜そのものにも歴史がある名所です。

樹齢は800年といわれています。品種は、世界でこの1本のみと考えられている「かばざくら」。江戸彼岸桜とヤマザクラが自然に掛け合わされたものと考えられています。ちなみに、名前の「かば」は、源頼朝の異母弟である「蒲冠者(かばのかじゃ)源範頼」が由来といわれています。

この桜が見頃を迎えるのは例年4月10日前後。ソメイヨシノよりも開花が数日遅くなります。かつては4本の幹があり、その根元は11mもあったそうですが、長い風月にさらされて幹が次々と折れ、昭和40年代には枯れる寸前だったとか。しかし、回復に努めた結果、ふたたび花をつけるようになり、今もなお回復活動が続いています。

石戸蒲ザクラを鑑賞した後は、この地域の桜の名所であり、石戸蒲ザクラとほぼ同時期に咲き誇る「城ヶ谷堤」に足を運んでみましょう。もともと江戸時代に水害対策として築かれた堤に、現在は約60本の桜並木が連なっています。道幅が広くないため、満開時には桜がトンネルのようになり、地面に咲く菜の花の黄色と相まって、すがすがしい春の情景を創り出します。

大規模ではありませんが、古き良き日本の田舎を思わせる周囲の環境と、見事な枝ぶりは一見の価値ありです。敷物を広げてお花見できるスペースもあるので、お弁当を持って出かけるのもいいですね。

4月上旬に日曜日、ぜひご家族揃って、桜の名木と桜並木をいっぺんにお楽しみください。
■石戸蒲ザクラ(北本市観光協会)
■城ヶ谷堤(北本市観光協会)
常陸国(ひたちのくに)は、今でいうところの茨城県。奈良時代に律令制が敷かれ、地方の情報を集めるため、各地に「風土記をつくりなさい」との命が下りました。そのうち、現在まで残っているのは5つの風土記のみ。そのうちのひとつが「常陸国風土記」です。

茨木県石岡市にある「常陸風土記の丘」は、歴史と伝統のある当地にちなんで生まれた文化複合公園です。市内には、旧石器時代から縄文、弥生かけての遺跡が数多く発掘されており、常陸国風土記が編纂された頃は、茨城最古の都市として発展を遂げていました。

施設内には昔の家屋を復元した「鹿の子史跡公園」や「古代家屋復元広場」、展示が充実している「展示研修施設」などがあり、さまざまな時代の歴史に触れることができます。その中で最も目を引き、この施設の象徴といえるのが「獅子頭展望台」。「石岡のおまつり」に巡行する獅子頭を巨大サイズにしたもので、その大きさは日本一!圧巻のインパクトです。

さて肝心の桜ですが、公園内には随所にソメイヨシノが植えられ、華やかさを与えています。しかし、花見客が多くなるのはソメイヨシノから1週間後くらいに咲き始める紅枝垂れ桜の季節からです。

例年4月中旬から下旬にかけて、ピンク色をした枝垂れ桜がそこかしこで咲き誇り、遊歩道をのんびりと歩きながらお花見することができます。なかでも圧巻なのは、紅枝垂れ桜のトンネルです。一見すると「藤の花?」と思われるかもしれませんが、ここまでしっかりとトンネル状になっている紅枝垂れ桜の並木は、なかなか他ではお目にかかれません。ライトアップが行われる夜桜鑑賞もおすすめですよ!

他にも、江戸時代風の建物でお食事やお茶が楽しめるお食事処や、お子さんが楽しめる遊具広場などもあり、あらゆる年齢層に対応したスポットとなっています。ぜひ足を運んでみてください。
■常陸風土記の丘
 ホームページ:http://business2.plala.or.jp/fudoki/
日本における鉄道の歴史を感じさせてくれるような、牧歌的な風景が広がるとっておきのスポットがあります。群馬県と栃木県を走る、わたらせ渓谷鐵道です。

沿線に広がる四季折々の自然に、時期に応じて運行されるトロッコ列車。首都圏からだと浅草駅発の東武特急両毛号で容易にアクセスできるとあって、のどかな電車の旅を楽しみたい方に人気です。同鐡道を利用して日光や足尾銅山などに足を伸ばすこともできます。

春は、渡良瀬川に沿って伸びる沿線が、うららかな日差しの中で色づく季節。桜や花桃の木が多いため、車窓からの眺めもいい感じです。特に下車をおすすめしたいのは水沼駅。この駅は「関東の駅百選」に選ばれるほど個性的な駅。駅のホームのすぐ脇に、温泉施設「水沼駅温泉センター」があるんです。

渡良瀬川の対岸と、周囲の自然を眺めながらのんびり疲れる浴室。この温泉目当てに訪れる人も少なくありません。そして、この駅周辺には河津桜から雅桜、ソメイヨシノ、十月桜、枝垂れ桜、八重桜、フゲンソウ桜など、約300本の桜が迎えてくれます。品種と咲き時が異なるため、3月中旬から約1か月にわたり、桜を楽しめる点も魅力。電車と桜を同時に収めようとする写真ファンも多く訪れています。

駅の程近くにある黒保根運動公園の周辺にも多くの桜が咲き、渡良瀬川と桜並木の競演も見事。ぜひ周囲をのんびりと散策してみてください。

ここで散策と温泉を楽しみ、さらにお時間が許すなら、水沼駅からさらに4駅ほど進み、神戸(ごうど)駅へ向かいましょう。駅周辺の見どころは、約300本の花桃。例年4月上旬頃に開花し、4月中旬の土日には花桃まつりが開催されます。神戸駅のホーム脇には、かつて東武鉄道特急「けごん」として活躍した車両があり、改装されてレストランになっていますので、そこで腹ごしらえをするのもよさそうです。

絵に描いたように「のどか」な桜の風景を、ぜひ同鐡道の旅でお楽しみください。
■わたらせ渓谷鐵道
 ホームページ:https://www.watetsu.com/
■水沼駅温泉センター
 ホームページ:http://www.mizunuma-sb.com/
今後の特集の参考にさせていただきます。
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