春の海の幸を求めて、湘南よりさらに西へ出かけて、静岡県に行ってみましょう。まずご紹介したいのは、伊豆半島で獲れる金目鯛です。
なかでも注目されているのが、東伊豆町の稲取。少し前までは河津桜をお目当てに訪れる観光客で賑わい、現在は3月末まで開催中の「稲取温泉 雛のつるし飾りまつり」が盛況です。
この地にある稲取港で水揚げされた金目鯛は、近年「稲取キンメ」と呼ばれるようになりました。キンメダイは千葉や高知などでも水揚げされますが、稲取キンメは餌となる生物の違いからか、脂のノリが高く、とりわけ美味だと言われています。
土日祝日には東伊豆町役場の駐車場で、朝市が行われています。金目鯛の漁は一年を通じて行われていますが、脂のノリを求めるならば冬から4月初旬にかけてがおすすめ。稲取や水揚げ日本一を誇る下田の飲食店や宿泊施設では、金目鯛の刺身や煮つけはもちろん、しゃぶしゃぶやなめろうなど、さまざまな味わい方ができますよ!
次は、伊豆半島の付け根部分に位置する沼津。沼津港周辺は、水揚げしたての新鮮な魚介類を食べさせてくれる飲食店が軒を連ねています。
春は、先ほど紹介した生しらすに加え、生桜海老もおすすめです。2019年、桜海老は残念ながら不漁が続いているため、水揚げしたての"生"に出会えたらラッキーですね!
さらには日本最大級の展望型水門や、競りの様子を見学できる「沼津魚市場INO」など、見どころも豊富です。また、沼津港の南に広がる駿河湾は、最も深い地点で水深2,500m。日本一深い湾であり、ときおり深海魚も水揚げされます。こうした風土にちなんでオープンした「沼津深海魚水族館」も、休日になると行列ができるほどの人気です。
ぜひ観光と併せて、伊豆の春の味覚をお楽しみください。