あじさいが映える場所といえば、お寺です。雨に濡れた参道のかたわらに、慎ましく咲くあじさいの花。日本人なら季節を感じずにはいられませんよね。そこで、おすすめの"あじさい寺"を3つご紹介しましょう。
まずは千葉県松戸市の長谷山本土寺。1277年に開かれた日蓮宗のお寺で、広々とした境内には本堂、像師堂、開山堂、仁王門、瑞鳳門と味わい深い木造建築に加え、五重塔もそびえ立ち、それらが豊かな自然と調和しています。
例年6月上旬には5千本もの花菖蒲が咲き、その後を追うようにして十種以上のあじさいが境内を彩ります。本堂正面の石段をはじめ、妙朗堂に向かう参道など、至るところにあじさいが咲き誇り、風情溢れる雰囲気を創り出しています。五重塔を望むところにもあじさいが群生し、塔をバックにあじさいを写真に収める人が後を絶ちません。また、花菖蒲が咲く菖蒲田にもぜひお立ち寄りください。
続きまして西に目を向けてみますと"あじさい寺"として外せないのが東京都日野市の高幡不動尊金剛寺です。
こちらは大日如来を本尊とする真言宗のお寺で、「関東三大不動」のひとつに数えられます。一般的には"高幡不動尊"と呼ばれており、初詣には例年約30万人もの参拝客が訪れる人気のお寺です。
重要文化財に指定されている仁王門や不動堂も見ごたえ十分。そしてあじさいは、日本各地に古くから自生する野生種「山あじさい」を含めると約200種以上、7500株余りとのこと。例年、6月1日(土)から7月上旬にかけて、あじさいまつりが開催されます。
なお、高幡不動尊の境内から続く愛宕山では"お遍路さん"ができることをご存じですか?四国八十八ケ所巡拝を模した巡拝コース「山内八十八ケ所巡拝路」が整備されていて、88体の弘法大師像をおよそ1時間かけて巡ることができます。その参拝路がそのままあじさいや山あじさいの見どころとなっていますので、ご利益を授かりながらあじさい鑑賞できるというわけです。ぜひ足を運んでみてくださいね。
最後は山梨県南巨摩郡富士川町の小室山妙法寺。こちらも境内に色鮮やかな約2万株ものあじさいが植えられています。2019年6月24日(月)から6月30日(日)にかけて「小室山妙法寺あじさい祭り」が開催されます。週末にはよさこいい踊りや和太鼓演奏などのイベントもある他、模擬店コーナーでは地元の特産品である柚子を使った餅やうどん、お菓子等も販売されています。
ピーク時の境内では、写生を楽しむ子供たちや、写真を趣味にしている方まで、皆が想い想いにあじさいを楽しんでいます。"あじさいが咲く山寺"の風情を、ぜひ満喫してみてください。