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特集記事【2008年5/20日号】

初夏に向けて、健康的にダイエット!
「アロマテラピー」という言葉、皆さん耳にしたことがあるかと思います。

アロマテラピーとは、ハーブなどの天然植物に含まれる成分を抽出した精油(エッセンシャルオイル)を使い、心とカラダを健康にする自然療法です。

最初にこの言葉が登場したのは、フランスの化学者、ルネ・モーリス・ガットフォセが著した『芳香療法』という本の中。 しかし、言葉が登場する以前から、「香り」は私達の暮らしに潤いを与え、民間療法などとして活用されてきました。

ずっとさかのぼれば、人間が「火」を使いはじめたとき、同時に香りも手に入れたと言われています。火に木をくべ、煙が上がる。その煙を介して、木が香りを放つ。そして、くべる木によって香りが異なることに気づく。時としてその香りは神経を高ぶらせ、それが宗教的な儀式へと繋がっていったといわれています。「香り」は英語で「Perfume(パフューム)」。これは元来「煙を通して」という意味合いです。

その後、「香り」は古代ギリシャやローマで香料が使われ始めます。「香りのオシャレ」の始まりです。それが洗練されて「香水」となり、ヨーロッパ各地へ普及していきました。

日本でも「香り」は飛鳥時代から親しまれていたといいます。一説によると、淡路島に流れ着いた流木を火にくべたところ、とても良い香りを発したため、推古天皇に献上されたとのこと。そこから宗教的な意味合いとして「お線香」となり、一方で香りを楽しむ文化として「香道」が誕生しました。

香道にはさまざまな流派があり、茶道や華道といった芸道のひとつとして現在も行なわれています。しかし、香道を習わなければ「香り」の恩恵を授かれない、というわけではありません。「花の匂いを嗅いだら、気分が和らいだ」。広い意味でいえば、これも香りの恩恵です。現在では、日々の暮らしの中で気軽に、かつ健康的に「香り」を楽しむことができます。
アロマテラピーは、フランスやベルギー、イタリア、ドイツなどでは、保健が適用されるれっきとした医療として扱われています。裏を返せば、「処方する側」に一定の知識が必要であるということです。そのため、精油(エッセンシャルオイル)を購入して使用する際には、まず最初にしっかりと但し書きを読み、適切な量、使用法で利用しましょう。また、効能に個人差があることも踏まえておいてください。ではさっそく、精油ごとにどんな効果が期待できるかを紹介していきましょう。
 
イランイラン
熱帯に咲く花の香りが心地よいイランイランは、整髪料としても重宝されてきました。
ストレスや不安な感情を抑制し、穏やかな気持ちへといざなってくれます。

ローズ
かのクレオパトラも愛したといわれるローズ。
高価なものは1滴の精油を作るのに50本のバラを用いるといわれています。
マイナス思考を改善し、ホルモンバランスを調整。
デトックス効果やお肌のアンチエイジング効果も期待できます。

ジャスミン
白い花をつけるジャスミンの精油は、深みのある甘い香り。
元気になりたいときにおすすめの精油です。妊娠中の使用は避けるようにしましょう。

クラリセージ
葉、そして花に甘い香りを携えたクラリセージは、ストレス緩和や神経の高ぶりを抑えるとともに、
筋肉痛や頭痛緩和にも効果があるとされています。
高い鎮静作用を誇るため、アルコール摂取前の使用は控えましょう。

コリアンダー
ハーブとしてもおなじみのコリアンダー。
スパイシーな草の香りが身体を温め、「ヤル気」を促してくれる効果があるといわれています。
関節炎などの痛み軽減に利用されることも。

ペパーミント
鎮静作用のあるペパーミントは、精神疲労などにも効果的。
気分を爽やかにしてくれる植物ゆえ、ガムなどにも使われていますよね。
消化不良や乗り物酔い、歯痛などを和らげるチカラもあるとされています。

ユーカリ
すっきりと芳しいユーカリは、高ぶった心を落ち着かせ、消化器系に良いとされています。
消臭効果の高さも特長のひとつです。

ラベンダー
ご存知ラベンダーは鎮静作用のほか、加齢臭対策や不眠対策にも期待大。
皮膚のやけどにも有効です。

ローズマリー
殺菌力に優れるローズマリーは、集中力を高める効果が期待できます。
冷え性対策にも効果的。

サイプレス
糸杉の木の香りが心地よいサイプレスには鎮静作用があり、ホルモンバランスを整える効果が。
肌の老化予防、発汗抑制、咳などによる喉の痛みにも効果があるといわれています。

サンダルウッド
和名は白檀(ビャクダン)。
香道にも用いられるサンダルウッドの香りは、“東洋”を彷彿とさせる甘い香り。
胸焼けや下痢などによいとされ、気分を穏やかにする効果もあります。
なかなか寝付けない時にもおすすめです。

ローズウッド
颯爽としていて、穏やかな芳香。
心をリラックスさせるため、ホッと一息入れたいときにおすすめです。

フランキンセンス
和名は乳香。甘い香りですが、しつこさを感じない爽やかさが特長です。
仕事や勉強などで集中力を高めたいときにおすすめ。

クローブ
スパイスとしても使われるクローブの芳香は、身体を温めたいときにおすすめ。
夏場のクーラーで冷えた身体を温めましょう。同時に食欲増進効果も期待できます。

レモン
ご存知、レモンの爽やかな香りです。気分をリフレッシュさせ、
集中力を高める効果があるといわれています。

オレンジ
オレンジの精油は、沈んだ気分を高揚させ、消臭や美肌にも効果が期待できます。
 
精油の使い方にはさまざまな手法があります。
ここでいくつかご紹介しましょう。

まずはアロマポット。精油は熱を加えることで香りがいっそう高まります。アロマポットにお湯を注ぎ、その中に精油を数滴。

あとはポットの下部のローソクに火を灯せばOKです。

ローソクの代わりにランプが備え付けられているものもあります。部屋に香りが拡散するので、精油の種類によっては消臭や花粉対策としてもおすすめです。

現在はさまざまなデザインのアロマポットが市販されているので、お部屋のインテリアに合わせて楽しみましょう。

「温める=香りが高まる」効果は、お風呂でも活用可能。入浴する際、お風呂に4〜5滴程度入れてかき混ぜます。お肌に直接作用し、なおかつ蒸気として吸引できる点が特長です。浴室が密閉された空間であることも、効果を高める特長のひとつ。ただし柑橘系の精油など、刺激の強いものの使用は避けるようにしましょう。リラックスできる、鎮静効果のある精油がおすすめです。洗面器にお湯を貯めて「足浴」を楽しむ際には、消臭効果のあるような製油を選ぶのもよいでしょう。

もっとも手軽なのは、ハンカチやティッシュを利用する方法。1、2滴オイルを染みこませ、香りを嗅ぎます。外出時でも気軽にアロマを楽しめる、というわけです。また、マグカップなどにお湯を入れて精油を数滴垂らし、カップに鼻を近づけて吸引する方法もあります。

また、精油を取り入れた香りアイテムも多く出回っています。たとえば、ハーバルインセンス。いわゆる「お香」です。火をつけると煙が立ちこめ、香りが広がっていきます。

商品には精油やハーブの名前が入っていますので、お好みのものを買って楽しみましょう。また、精油で香りをつけたアロマキャンドルは、香りとともに炎の「ゆらぎ」が心を鎮めてくれること請け合いです。

マッサージをする際に精油を使うと、「香り」と「マッサージ」の相乗効果が期待できます。ただし精油は「香りの凝縮」。原液はとても刺激が強いので、アロマ用のキャリアオイル(植物油)で薄めて使用すること。ストレス緩和やむくみを取る効果が期待できます。

ジメジメして気分が沈みがちな梅雨、そして夏バテなどで食欲不振に陥りがちな夏。
これからの季節に向けて、「香り」のある健康的な暮らし、始めてみてはいかが?

今後の特集の参考にさせていただきます。
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