最後にご紹介するのは、信州の秘湯と呼ぶにふさわしい秋山郷の切明(きりあけ)温泉。長野県の最北端ゆえに東京からは少々アクセスしづらいかもしれませんが、一生に一度は行ってみたいと思える温泉郷です。
秋山郷は、平家の落人伝説が残る地。中津川峡谷沿いに位置する「切明リバーサイドハウス」は、例年10月下旬から11月初旬にかけて見頃を迎える紅葉を楽しみながら露天温泉でゆったりできる宿。
露天風呂は通常貸し切り制のため、心底ゆったりとしたい方におすすめです。内湯も24時間、源泉かけ流し。こちらも大きく開放的な窓から、錦秋に染まる木々を眺めることができます。
なお露天風呂から川を挟んだ向かい側には、夫婦岩なる巨岩の姿も。紅葉とのコントラストがよく映えています。
さらに珍しいのは、ワイルドな野天風呂が楽しめること!中津川に降り立ち、川床を掘ることで自分だけのお風呂ができあがります。
川底からぶくぶくと天然温泉が湧いているからこそできる醍醐味です。川床を掘るスコップは同館で貸し出しています。トライしたい方は、ぜひ水着持参で足を運びましょう。
ただし、自然が相手となるので、川の水量や天候によってはNGとなる場合もあります。秋が深まり、肌寒さを感じる季節となれば、足湯として楽しんでみるのもよさそうですね。
なお、周辺は自然の見どころが豊富です。とりわけ珍しい景観を作り出しているのは布岩山。高さ50m以上の柱状節理の溶岩層がむき出しになっており、そのスケールは圧巻。秋はその周辺を取り囲むように木々が色づきます。
他にも、水量が増している時にしか姿を現さない夫婦滝や、蛇淵の滝、秘境ならではの静けさと美しい風景に出会える天池などがあります。いずれも紅葉の時期におすすめしたいスポットです。
「今年は無理!」という人も、来年以降に一度訪れてみてほしい切明温泉。ぜひ覚えておいてくださいね。