では、免疫力をアップさせるにはどうしたらよいか?まず私たちが日々の暮らしの中でできることは、食事に対する意識づけです。
大前提は、1日3食、バランスよく食べること。たんぱく質を含む肉や魚、ビタミンやミネラルが豊富な野菜、身体のエネルギー源となる炭水化物のバランスです。そのうえで、免疫力アップが期待できる食材をいくつかご紹介しましょう。
微生物のチカラによって生まれる発酵食品は、免疫力アップを促すエリート食品。なかでもおすすめしたいのが、ヨーグルトと納豆です。
人間の腸内環境には、免疫に作用する菌が多く生息しています。腸内の悪玉菌を減らし、善玉菌を増やす効果が期待できるのが、ヨーグルト。
乳酸菌やビフィズス菌が腸内環境を整えてくれます。また、納豆にも乳酸菌や納豆菌などの善玉菌が多く含まれ、腸内の細胞を活性化させる効果が期待できます。
食物繊維も、腸内環境を整えるうえで欠かせません。先に挙げた納豆は、食物繊維も豊富。穀類をはじめ、イモ類ならさつまいもや里いも、野菜ならキャベツやごぼう、セロリ、さらにわかめなどの海藻にも多くの食物繊維が含まれています。
とりわけおすすめしたいのが、しいたけやしめじ、エノキなどのきのこ類。きのこ類には食物繊維の一種である「βグルカン」という成分が豊富に含まれています。この成分が腸内で免疫細胞に好影響を及ぼし、たんぱく質の生成も促進させてくれます。
体温が低いと、ウイルスや細菌に対して攻撃する白血球の働きが鈍くなり、免疫機能は落ちるといわれています。よって、身体を温めてくれる食材であるしょうがやにんにくも効果的。
しょうがの辛み成分であるジンゲロールは、加熱することでショウガオールという成分に変わり、発汗・代謝を促して身体を温めてくれます。
いまは過ごしやすい季節といえますが、これから暑くなってクーラーを使用するようになると、体温の低下が懸念されます。季節を問わず、身体を温めることを意識しましょう。
こまめな水分補給は健康の源。血流やリンパの流れをスムーズにする効果があり、免疫力アップにもつながります。
飲み物としておすすめしたいのは緑茶です。緑茶は新型コロナウイルスの出現前から、インフルエンザなどのウイルス予防効果が期待できるとして、注目を集めています。
緑茶に含まれる数種類のカテキンが、白血球の一種であるマクロファージを活性化させて、免疫力が向上するといわれています。なお、カテキンは高温になるほど溶け出しやすく、沸騰したお湯だと壊れてしまう可能性もあります。そのため沸騰状態よりもやや低めのお湯で入れることがおすすめです。