普段よく食卓に上るような食材にも、優れた夏バテ回避効果が期待できるものがあります。その一番手は、豚肉です。
多種多様な食材の中で、ビタミンB1を多く含む割合はトップクラス。牛肉よりもはるかに多く含まれており、部位ではヒレやロースがおすすめです。とんかつや生姜焼きなど、お子さんにも人気なメニューもたくさんありますよね。
ただし、ビタミンB1は水溶性ビタミンです。水に溶けやすいため、近年よく食卓に上る夏の定番メニュー、豚肉の冷しゃぶをつくる際には、ひと工夫すると良いでしょう。それは、ビタミンB1の吸収率を高めてくれる玉ねぎ、ニンニク、ニラなどと併せて食べることです。これらの食材には、ビタミンB1の吸収を高めてくれるアリシンが多く含まれているため、効率よくビタミンB1を摂取することができます。
また、鶏のむね肉やささみも夏バテ回避食。近年注目を集めている、イミダゾールジペプチドという成分が多く含まれています。長距離を旅する渡り鳥、その羽の付け根部分の筋肉にこの成分が多いとされており、疲労回復効果が期待できます。冷やし中華などのサッパリした料理と併せて摂るとよいでしょう。
お肉ばかりではなく、海産物からもおすすめをひとつ。ビタミンB1とB2を多く含んでいるエリート食材はスケトウダラの卵巣、すなわち明太子です。
明太子は味が濃いため高カロリーと思われがちですが、豆腐や納豆よりも低カロリー。また、一食あたり20g程度食べるのであれば、みそ汁1杯よりもかなり塩分量が控えめです。味の濃さを演出している主役は唐辛子。脂肪燃焼効果が期待できるカプサイシンを多く含んでおり、発汗を促す作用もあるため夏バテ回避に適しています。ご飯に載せたり、パスタに和えるなどして、積極的に活用してみましょう。
最後に、毎日食べるお米。といってもおすすめは玄米です。白米は、精米する際に糠を削り、胚芽を取り除いていますが、実はこの部分に多くのビタミンB群が含まれています。つまり玄米は炭水化物(身体のエネルギー源)であると同時に、その糖質を速やかにエネルギーに変えるビタミンB群も一緒に摂れるというわけです。食物繊維も白米に比べて多いため、腸の環境を整えることにもつながります。
豚肉、鶏むね、明太子に玄米。これらを意識して料理に取り入れて、家族揃って夏バテを回避しましょう!