次は、新種目の中で"日本らしさ"が垣間見えるスポーツと注目選手をご紹介しましょう。
新競技であり、日本発祥の空手では、「形」競技の喜友名諒(きゆな・りょう)選手に注目です。
突きや蹴りを演武として繰り出していく「形」は、動きの緩急や強弱、リズムなどが総合的に採点されます。ピタッと止まるべきところで静止しているか、逆に動くところでは、その流れの美しさや迫力、気合がみなぎっているか。見どころは豊富ですが、シンプルに「この人、強そう!」という目線で比べてみても面白そうですし、仮面ライダーシリーズの「変身!」ポーズが好きなお子さんも楽しめそうです!
また、予選から決勝まで勝ち上がる中で、「一度行った形(攻撃→防御の組み合わせ)は使えない」というルールがあります。自らが得意な形を、いつ繰り出すかも重要なポイント。漫才のコンテストでいうと「このネタ、決勝まで取っておけば良かった!」といったような展開になるかもしれません。そんな駆け引きにもご注目ください。
喜友名選手は現在、全日本選手権を9連覇、世界選手権を3連覇中で、まさに金メダルの大本命。沖縄出身ということで琉球舞踊も練習に取り入れ、空手本来の"剛"だけでなく、"柔"の動きも身につける取り組みをした同選手の活躍に期待しましょう!
同じく新競技のスポーツクライミングで金メダル候補と期待されているのは、楢崎智亜(ならさき・ともあ)選手です。
スポーツクライミングは、高さ15mの壁を登る速度を競う「スピード」、さらに高い壁をどこまで登れるかを競う「リード」、極限まで難しく設定されたコースをいくつ登れるかを競う「ボルタリング」と3つの種目があり、選手はすべてにトライして順位の掛け算で最終的な順位を競うことになります。
楢崎選手は「ボルタリング」と「リード」では世界屈指の実力者。残る課題だった「スピード」も強化を図りました。いずれも同じような種目に見えますが、これらをすべてこなすのは、陸上でいえば100m走もマラソンも走るようなもの。体重や筋肉の付け方など、バランスに気を配りながら鍛えてオールラウンダーになることが、金メダル奪取の条件です。楢崎選手のニンジャのような壁登りに、ぜひ注目してみてください。