在宅避難となると、食料は自ら確保しなくてはなりません。「急いで確保しなきゃ!」とスーパーやコンビニに走ると、そこで"密"になって感染リスクが高まります。そうした昨今の事情も踏まえ、注目を集めているのは「ローリングストック」という考え方です。
ローリングストックとは「回転させながら備蓄する」という意味です。まずは、賞味期限の間に飲んだり食べたりできる量を目安に購入して「備える」。次に、それらを普段通り、消費期限が早いものから「食べる・飲む」。そして、なくなる前に「買い足す」ことでストックの量を一定に保つ。これがローリングストックです。「言葉は知らなかったけれど、以前から実践している」という方も多いかもしれません。
備蓄品を購入し、そのまま置きっぱなしにすると、いつのまにか消費期限が切れてムダが出てしまいがちです。消費期限が切れているかどうか、定期的にチェックする手間も生じます。
一方で、ローリングストックによって普段から食べたり飲んだりしているため、いざ災害時にも"非日常食"というイメージではなく、日常食だと心が認識します。過度のストレスが生じる災害時において、この"日常感覚"は、とてもありがたく、落ち着きをもたらしてくれることでしょう。
ただ、想像してみてください。「カンパン」をローリングストックしたいですか?確かにカンパンは優れた保存食ですが「普段は食べたくないなぁ」と考える方が多いかもしれません。そのため、ローリングストックに向いているのは、保存がきくと同時に普段食べていて違和感がなく、さらに「美味しい(=災害時に心が癒される)」ものです。
現在は、ある程度保存がきく多彩な食料品が販売されています。まずは、アルファ米。炊き上がったご飯から水分だけが抜けたお米で、主にレトルトパッケージで販売されています。フリーズドライと違って冷凍させずに乾燥させるため、素材の構造が崩れにくく、お米などに適しています。災害時にはお湯を注ぐだけで、しっかりした噛み応えと食感がよみがえります。
また、時間はかかりますがお水でも作れることが備蓄品向きです。
そして、災害の程度によっては交通網が遮断され、生鮮食品が手に入りにくい状況になることも考えられます。
3日で復旧すればよいですが、その後も在宅避難生活が続くと、ストレスが重くのしかかってきます。そこで野菜ジュースや野菜たっぷりのスープがセットになった「野菜の保存食セット(カゴメ)」などがおすすめ。
また、肉や魚も不足しがちとなりますので、これらのレトルト食品や缶詰なども重宝します。
また、昨今ではカップケーキやチーズケーキ、ガトーショコラなどのスイーツの缶詰も登場しています。お子さんのいるご家庭はもちろん、大人にとっても災害時の甘味は、緊張した心を解きほぐしてくれます。
トーヨーフーズのスイーツ缶の賞味期限は、製造日から36か月。常温で3年間保つことが可能です。自宅で定期的に食べてもよいですし、キャンプなどのアウトドアレジャーで食べるのもいいですね。
備蓄が減ってきたら、ローリングストックの考え方で買い足しましょう。
また、ローリングストックの「サブスク」を展開しているのが、「カップヌードル」でおなじみの日清食品です。 日清食品のサブスクは、申し込むことで「カップヌードル」をはじめとする9食が3か月ごとに届きます。そして、初回には商品を災害時にも美味しく食べられるよう、カセットコンロやボンベ、5年保存水&計量カップ、片手鍋、3WAYソーラーライト、フォーク&軍手、リュックベルト2本がセットになって届く仕組みです。
ちなみに商品の9食は「カップヌードル」各種や「どん兵衛」、「カレーメシ」や「ハヤシメシ」などの中から自由に組み合わせてリクエストできます。
サブスクであれば、消費期限チェックや買い忘れが生じず常に備蓄がある状態を維持しやすくなります。なにより、災害時には温かいご飯が心を潤すもの。さらに日常ではキッチンでお湯を沸かして食べられますが、初回のセットも一度は利用しておくことで、予行練習となります。
ご家庭の人数やお好みに合わせ、ローリングストックでの食料調達を一度考えてみてはいかがですか?