今年は多くの寺社仏閣での節分会が自粛・中止となっています。その一方で、ご自宅用に節分の縁起物を頒布しているところもありますのでご紹介しておきましょう。
まずは東京都府中市の大國魂(おおくにたま)神社。大國魂大神(おおくにたまのおおかみ)を武蔵国の守り神としてお祀りした神社で、厄除けや厄払いの御利益があると言われています。
同神社では、1月16日(日)から2月3日(木)の期間中、御供物などを納めた「福枡」を頒布しています。枡は、もともと液体や穀物を計るためのものですが、古来からお米や豆を盛って神前に供えたり、おめでたい席で枡を器にお酒を飲んだりと、縁起物としても重宝されてきました。枡が「増す」や「益す」など縁起の良い言葉につながるといった意味も込められています。
大國魂神社の福枡には、一陽来復(いちようらいふく)の御神札、福豆、御神酒、御供物が納められています(数量限定)。初穂料は2,500円です。節分の日まではご自宅の鬼門の方角に置いておき、節分当日はこれらを用いて豆まきを行いましょう。
なお、一陽来復とは、冬が終わって春(新年)が来ることを意味する言葉で、悪いことが続いた後に運気が向上しますよ、という意味が込められています。そのため、一年でいちばん日が短くなる冬至に頒布されることが一般的です。
一陽来復の札で有名なのは、新宿区西早稲田にある穴八幡宮(あなはちまんぐう)。江戸中期より年々冬至の福神祭に授与された独特のもので、金銀融通の御守りとも呼ばれています。冬至当日だけでなく、節分まで頒布している点は穴八幡宮ならではといえます。
貼り付ける場所は、家族が揃うリビングルームがよいでしょう。その部屋の中心から、恵方(2022年は北北西)に「一陽来復」の文字が向くように祀ります。画鋲を用いたり、御守りの上からテープで壁に貼り付けるのはNG。和のりなどの接着剤を使って壁や柱に直接貼るようにします。貼るタイミングは、節分から立春、すなわち2月3日から4日に変わる瞬間の、午前0時ちょうどにすることもポイントです。
「悪いことが続いた後に運気が向上する」というのは、コロナ禍から脱却しようとする世の中全体の願いも込められます。ぜひ入手してみてはいかがですか?