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特集記事【2022年10/20日号】

コロナ禍もひと段落し、久しぶりの秋の行楽を満喫している方も多いのではないでしょうか。

今回ご紹介するのは温泉です。その中でも人気の高い、乳白色の"にごり湯"にスポットを当ててみました。にごり湯といえば、北海道の登別温泉や、長野県の白骨温泉、和歌山県の南紀勝浦温泉、大分県の明礬温泉などが有名ですが、首都圏からだと遠く、少しハードルが高いですよね。

しかし関東地方でも十分に、にごり湯を楽しむことができます。高い効能も期待できるとあってひそかな人気を博しています。さっそく厳選した3つの温泉地とおすすめの宿をご紹介しましょう。

「温泉王国」というと群馬県をイメージする方も多いと思いますが、お隣りの栃木県も負けてはいません。特に"にごり湯"には定評があります。

まず最初にご紹介したいは、栃木県日光市奥日光の湯ノ湖畔に広がる奥日光湯元温泉です。

森と湖に抱かれたこの温泉郷は古くから湯治場として多くの人びとを癒してきました。国民保養温泉地の記念すべき第一号指定の地でもあり、現在も20を超える温泉宿が点在しています。

泉質は、硫化水素型の単純硫黄泉。源泉から噴き出た湯はエメラルドグリーン色をしていますが、地上で空気に触れることにより、優しく肌触りのいい乳白色の湯となります。美肌効果が期待できるといわれている「メタケイ酸」が多く含まれていることも特徴のひとつ。さらに糖尿病や神経痛、慢性婦人病や病後回復期などにもよいとされています。

この温泉郷で明治元年に創業した老舗の湯宿が「湯守釜屋」。湯守とは温泉の管理のことで、江戸時代に日光輪王寺の寺役として湯守を任されていたことが宿名の由来です。

露天風呂を含むすべての浴槽の湯は源泉かけ流し。宿から近い湯ノ平湿原、通称「湯の元」といわれる場所に自噴する湯を引いています。

その温度が高温のため、湿原に流れている白根沢の湧水地から引いた源流水を使って温度を調節。薬効の強い濃厚な源泉が、源流水によって程よいまろやかさを帯びて肌に優しいところが特徴です。

同宿では日帰り入浴も可能(週末、過度の混雑時は不可となる可能性あり)。周辺には日光山輪王寺の別院・温泉寺があり、少し足を伸ばせば白樺や高山植物が美しい戦場ヶ原や、華厳の滝に続いて日光では知名度が高い竜頭ノ滝など見どころも豊富です。 日光の"奥座敷"で静けさと共に過ごし、乳白色の湯をお楽しみください。
■奥日光湯元温泉旅館協同組合
ホームページ:http://www.nikkoyumoto.com/
■奥日光湯元温泉 湯守釜屋
ホームページ:https://www.yumorikamaya.com
続いても"にごり湯王国"栃木から。那須塩原市を流れる箒(ほうき)川に沿って点在する11の温泉地は、総称して「塩原温泉郷」と呼ばれています。

開湯から実に1200年もの歴史を持つ名湯として知られ、宿が約60軒に対して源泉の数は150ヵ所以上。

源泉によって泉質が異なることもあるため、効能別にお好みの湯をチョイスできるというわけです。今回は塩原温泉郷の一番奥に位置する秘湯、塩原元湯温泉をご紹介しましょう。

"元湯"とついているのは歴史が古く、塩原温泉の発祥地と言われているから。江戸時代、地震によって一度は埋没しましたが復興を遂げて今に至ります。現在はひっそりと3つの宿が軒を連ねており、このうちご紹介するのは「塩原温泉 大出館」です。

同館の温泉は自家源泉で、天然の源泉100%のかけ流し。成分が強いため壁は傷みやすく、テレビや暖房など宿の電化製品もすぐに壊れてしまうのだとか。その分、効能が高く、昔から胃腸によく効くという評判で長期滞在のお客も多いのが特徴です。まさに"湯治場"といえるでしょう。

浴槽は8つあり、それぞれ効能が異なります。日本で唯一の名湯といわれている「墨の湯」は、鉄分をたっぷりと含んだ風呂。

含鉄泉は全国各地に点在していますが、その大半は赤褐色。ここまで黒い湯は本当に珍しいです。リウマチや糖尿病、関節痛、神経痛によいとされ、貧血気味の女性は飲むことでも高い効能が期待できます。

ちなみに、天然温泉では「湯の花」が浮いていることがありますよね。通常は白色ですが、この湯は湯の花も黒!珍しさから、黒く染まったタオルを記念に持ち帰るお客もいるそうです。なお「墨の湯」は混浴ではありますが、女性専用の時間帯も設けられているので安心ですよ。

「墨の湯」以外のお風呂は、晴れるとエメラルドグリーンや乳白色を帯び、雨が降ると灰色に変化するというなんとも不思議な温泉で、「墨の湯」を含めて「五色の湯」といわれています。

野天風呂は神経痛、御所の湯は胃腸の病、平家かくれの湯は糖尿病、子宝の湯は婦人病など、症状に合わせて湯を満喫することが可能です。

日帰り入浴もできますので、ぜひ一度、カラダのリフレッシュ&メンテナンスをしに出かけてみてください。
■ShiobaLove 源泉遺産 塩原温泉郷
ホームページ:https://www.siobara.or.jp/
■塩原温泉 大出館
ホームページ:https://www.ooidekan.com/
最後は皆さんご存じの温泉郷、箱根です。昔は「箱根七湯」を数え、今は「箱根十七湯」。多くの魅力的な温泉地が箱根の山に点在しています。

十七湯のうち、比較的新しいといえるのが、箱根登山鉄道とケーブルカーの乗り換え地に広がる強羅温泉です。明治末期以降、温泉付きの別荘分譲がブームとなり、大正8年に登山鉄道が箱根湯本〜強羅間で開通した際に十七湯の仲間入りを果たしました。

そして昭和24年、初めてこの地で温泉の掘削に成功。以降、数多くの温泉が掘り当てられました。現在の源泉数は46を数えます。これらに加え、大涌谷から湯を引いた酸性-硫酸塩泉、すなわち乳白色の温泉と、早雲山から湯を引いた単純硫黄泉を中心に、多彩な泉質を堪能できる温泉地として箱根の中でも高い人気を誇っています。

数ある宿のひとつ、「白湯の宿 山田家」の温泉は、その名のとおり大涌谷源泉のにごり湯。すべてが源泉かけ流しです。

箱根に古くから伝わる伝統工芸、寄木細工をあしらった露天風呂「箱根寄木細工仁兵衛の湯」や、「仁兵衛の湯・浮舟」は、かつてNHKテレビ番組「ブラタモリ」でも紹介されました。

さらに素晴らしいのは、その眺め。標高800mに位置し、すべての露天風呂から大文字焼きで知られる箱根外輪山を一望することができます。また、「神代杉の露天風呂」は、3000年前の神代杉をオブジェとして利用しており、悠久の歴史を感じながらの入浴が可能。貸切の半露天風呂もあり、日帰り入浴も可能となっています。

強羅温泉のにごり湯は、湯冷めしにくい"美肌の湯"とも言われています。箱根観光の拠点として利用してみませんか?
■箱根強羅温泉協会
ホームページ:http://goura-kanko.jp/
■白湯の宿 山田家
ホームページ:https://2641.net/
今後の特集の参考にさせていただきます。
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