収穫スポットは、山や畑に限ったことではありません。次にご紹介するのは"川"。栃木県と茨城県を流れる清流・那珂川(なかがわ)です。
実は那珂川は、昔から天然鮎のすみか。シーズンになると多くの釣り人が集います。天然鮎の漁獲量は全国1位、遡上する天然鮎の数は2位といわれているほどです。
鮎が生まれるのは秋が深まる頃。下流域で生まれ、冬は海に下って過ごします。春になると川を上り始め、中流域でなわばりを作り、コケを食べてすくすくと育ちます。そんな鮎を獲る伝統的な手法が簗(やな)漁です。川の一部を堰き止めて川幅を狭くして、そこに木や竹で作ったスノコ状の簗場を作ります。その簗場に立って、打ち上げられた鮎を掴まえる漁法です。簗漁が最盛期を迎えるのは秋。産卵のために川を下る鮎の習性を利用して、多くの鮎がかかります。
現在、全国各地の鮎が遡上する川で、観光目的の簗場がいくつも登場しています。那珂川にも観光簗が点在し、夏は水遊び感覚で簗に立つ子ども達の姿も見られます。
栃木県茂木町にある「大瀬やな」も観光簗のひとつ。那珂川最大級の規模を誇ります。夏から営業していますが、漁のピークは例年9月下旬から10月末にかけて。ピョンピョンと簗の上で跳ねる鮎のつかみ取り体験ができます。
たっぷり遊んで体験した後は、併設されているレストランへGO。新鮮な鮎の塩焼きをはじめ、フライや田楽、甘露煮、鮎の炊き込みご飯や刺身まで、鮎づくしの料理を楽しむことが可能です。
那珂川では他にも、栃木県大田原市の「黒羽観光やな」や、上流域に位置する栃木県那須烏山市の「あゆの里 矢沢のヤナ」といった観光簗があります。今年はまだ暑さも続きそうなので、思いきり水しぶきを上げながら、つかみ取り体験と獲れたての鮎料理を楽しんでみてはいかがでしょう。