西日本にもたくさんの名湯があります。まずご紹介するのは、その名が全国に知れ渡る兵庫県豊岡市の城崎温泉です。
およそ1300年前から賑わっていたとされる歴史の深さは、情緒あふれる街並みからも伺えます。宿に入って一服したら、浴衣を着て下駄を鳴らして温泉街へ。街中には7つの外湯があり、1日外湯めぐり券を使えば何度でも外湯を楽しむことができます。城崎温泉の源泉である元湯の名物、温泉卵もぜひご賞味ください。
また、多くの文豪たちが愛した地でもあるため、城崎文芸館や城崎美術館などの文化施設も点在。薬師堂、温泉寺などの寺社巡りもおすすめです。全長676mのロープウェイに乗れば、山頂から温泉街、さらには日本海も望める眺望が満喫できます。"湯"だけでなく楽しみどころが豊富なところも城崎温泉の人気の理由といえるでしょう。
最後は九州。別府、由布院、指宿、霧島など名だたる温泉が点在していますが、このところ人気急上昇しているのが、熊本・阿蘇の黒川温泉です。
宿は30軒ほど。特徴は、宿それぞれが「情緒あふれる温泉街」「上質な里山の景観」を作ろうと足並みを揃えていること。悪目立ちしているような建物や看板はなく、宿や里山の風景全てがひとつの旅館のようです。それぞれの宿は「離れ」、宿を繋ぐ小道は「渡り廊下」。どこを切り取っても調和の取れた美しい趣が漂っています。
これはお風呂についても同様で、各宿が持つ露天風呂を自由に巡る「入浴手形」があります。27箇所の露天風呂のうち、3つを選んで入浴することが可能。露天風呂を2つ巡り、残る1つを飲食やお土産に利用することもできます。
秋の紅葉は10月中旬から色づき始め、11月下旬まで見頃です。そしてクリスマス頃から3月末にかけて、この温泉の知名度をグンと上げたイベント「湯あかり」が開催されます。手作りの竹灯籠、約300個が温泉街を流れる田の原川に吊るされ、優しい光が温泉街を包み込みます。ぜひ旅行計画を立てて"遠路はるばる"の旅をお楽しみください。