首都圏から近い、桜と菜の花が同時に楽しめる場所といえば、おすすめは埼玉県幸手(さって)市にある幸手権現堂桜堤です。関東、いや日本の桜の名所といっても過言ではないでしょう。
春になると、利根川の支流、権現堂川の堤に沿って約1,000本のソメイヨシノが咲き誇り、ピークには約1km続く桜のトンネルが出現します。最初に桜が植樹されたのは大正時代のこと。大正末期には露店や屋台も出現し、はるばる東京から江戸川を船で下って花見に訪れる人もいたそうです。
この地の桜の最大の魅力は、菜の花との競演が楽しめること。川の逆側、堤に沿って広がる権現堂公園の一画は、目にも眩しい一面の菜の花で埋め尽くされ、絶妙のコントラストと春爛漫の風情を楽しめます。菜の花の中にぽつんと立っている楠の木も味わい深いですよ。堤の途中にあるお休み処「峠の茶屋」では、桜を眺めつつ手づくりパンやコーヒーなどでほっとひと息つけますよ。
毎年3月下旬から4月上旬にかけて「桜まつり」も開催。堤には物産店も出て、花見を楽しむ多くの方々で賑わいます。
なお、同公園は4つのゾーンに構成されており、桜の名所は4号公園。1号公園は広大でスカッとするような多目的広場、2号公園は大型遊具やデイキャンプ場のあるレクリエーションエリア、3号公園は「歴史と文化の薫る緑の多い公園」となっており、ご家族やグループで思い思いに過ごすことができます。
ちなみに、桜のシーズンが終わっても楽しめるよう、紫陽花や彼岸花も多く植えられています。季節に応じて多彩な表情を見せてくれますよ。1日かけて、花見やお散歩でぜひ公園を遊び尽くしてください。