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特集記事【2024年2/20日号】

梅がほころび、暖かい日が続く今日この頃。この陽気が続くのなら、今年の桜の開花も少し早まりそうですね。

毎年さまざまな桜の名所をご紹介していますが、今年のテーマは「菜の花との競演」。眼に眩しい一面の菜の花の黄色と、淡いソメイヨシノやピンクのヤマザクラ。そのコントラストが織りなす風景には、春が来た歓びがギュッと詰まっているように感じます。

今回ご紹介するスポットは、埼玉、群馬、栃木の3カ所。桜の名所100選に数えられていたり、蒸気機関車が力強く走っていたり、レジャー満載の多目的公園だったりと、三種三様のスポットが揃いました。ぜひご家族やグループで、贅沢な春の一日を満喫してください。

まず最初にご紹介するのは、群馬県前橋市。赤城山の南麓に広がる赤城南面(なんめん)千本桜です。「さくら名所100選」に指定されています。

昭和半ば頃、緑化推進によって国道353号線から忠治温泉までの道沿いに、地域の人びとがソメイヨシノを植栽。現在は約1100本の桜が植えられ、満開時には約1.3kmにわたって桜のトンネルが続きます。赤城南面千本桜のある「みやぎ千本桜の森」にはところどころに菜の花が植えられ、菜の花越しに桜の写真を撮ろうとスマホを構えている人が目につきます。周囲に高い建物もないので、晴れた日の青空をバックに撮ると圧巻の一枚となります。

また、ソメイヨシノだけではないのがこの地の魅力のひとつ。約40品種の桜が咲き誇ります。花見の頃、早咲きのカワズザクラやホソカワベニなどはすでにシーズンを終えていますが、サトザクラ、ヤマザクラ、オオヤマザクラ、シダレザクラなどの日本品種に加え、イギリスやアメリカの品種なども咲き揃うため、それぞれの違いを楽しみながら散策するのもおすすめです。日本三大桜のひとつ「薄墨桜(ウスズミザクラ)」の子孫も必見ですよ。

毎年、見頃になると桜祭りも開催されています。今年の開催期間は3月30日(土)から4月14日(日)にかけて。物産市やステージパフォーマンス、4月6日(土)、7日(日)にはフリーマーケットも開催され、とても賑やか。期間中は桜並木にライトアップも行われます。また、期間中はJR前橋駅南口から有料シャトルバスでアクセスすることもできますよ。

屋台も数多く登場。せっかくならご当地グルメを食べて旅気分を満喫したいですよね。そこでおすすめなのが、群馬県のソウルフードのひとつ、焼きまんじゅう。白いまんじゅうを串にさして、濃厚な味噌だれをつけて焼き上げた逸品は、食べ歩きにも最適。その香ばしさに食欲をそそられ、まさに「花より団子」な気分になってしまうかもしれません!
■赤城南面千本桜まつり(前橋まるごとガイド)
続いてご紹介するのは、栃木県の南東部に位置する真岡(もおか)市です。"いちご王国"と呼ばれる栃木の中で、最もいちごを作っている地ですので、花見に出かけたらぜひ食べたいところ!そしてもうひとつ、この町の象徴といえるのが真岡鐡道です。

真岡鐡道は、JR水戸線や関東鉄道常総線が乗り入れている下館駅と、終点の茂木駅を結んでいます。途中には焼き物の産地として有名な益子駅もあります。春になると賑わいをみせるのが、北真岡駅と西田井駅の間。北真岡駅から線路に沿って「SL・桜・菜の花街道」が伸びています。

咲き誇る桜と菜の花に加え、そこに「SL」の雄姿が加わるのが、他にはないこの地の見どころ。真岡鐡道では、通年で土・日・祝日に「SLもおか」を運行しています。列車をけん引する「C1266」が生まれたのは、なんと1933年の頃。鹿児島や岩手、青森、長野などで活躍し、1972年に廃車となって長らく福島県で展示されていました。1990年になり、真岡鐡道がかつて国鉄真岡線だった頃に走っていたSLを復活させようとプロジェクトを立ち上げ、復活を遂げた「C1266」が現在に至るまで、元気に走行しています。

約800mにわたる桜のトンネルと、土手に咲く菜の花。そこを駆け抜けるSL。絵にならないわけがありませんよね。例年、桜まつりも開催され、SLが走る土・日・祝日は多くの人で賑わっています。

なお、鉄道に興味のある方は、真岡駅に併設している「SLキューロク館」を訪れてみるのもおすすめ。SLをかたどったユニークな建物には、大正時代の代表的な蒸気機関車のひとつ、"キューロク"こと9600形蒸気機関車が展示され、土・日・祝日は1日3回運行。屋外には「D51」機関車や貨物車なども展示されています。

いちご、桜、菜の花、そして蒸気機関車を楽しむ春の休日は、きっと楽しくなりそうです!
■真岡鐡道
ホームページ:https://www.moka-railway.co.jp/
首都圏から近い、桜と菜の花が同時に楽しめる場所といえば、おすすめは埼玉県幸手(さって)市にある幸手権現堂桜堤です。関東、いや日本の桜の名所といっても過言ではないでしょう。

春になると、利根川の支流、権現堂川の堤に沿って約1,000本のソメイヨシノが咲き誇り、ピークには約1km続く桜のトンネルが出現します。最初に桜が植樹されたのは大正時代のこと。大正末期には露店や屋台も出現し、はるばる東京から江戸川を船で下って花見に訪れる人もいたそうです。

この地の桜の最大の魅力は、菜の花との競演が楽しめること。川の逆側、堤に沿って広がる権現堂公園の一画は、目にも眩しい一面の菜の花で埋め尽くされ、絶妙のコントラストと春爛漫の風情を楽しめます。菜の花の中にぽつんと立っている楠の木も味わい深いですよ。堤の途中にあるお休み処「峠の茶屋」では、桜を眺めつつ手づくりパンやコーヒーなどでほっとひと息つけますよ。

毎年3月下旬から4月上旬にかけて「桜まつり」も開催。堤には物産店も出て、花見を楽しむ多くの方々で賑わいます。

なお、同公園は4つのゾーンに構成されており、桜の名所は4号公園。1号公園は広大でスカッとするような多目的広場、2号公園は大型遊具やデイキャンプ場のあるレクリエーションエリア、3号公園は「歴史と文化の薫る緑の多い公園」となっており、ご家族やグループで思い思いに過ごすことができます。

ちなみに、桜のシーズンが終わっても楽しめるよう、紫陽花や彼岸花も多く植えられています。季節に応じて多彩な表情を見せてくれますよ。1日かけて、花見やお散歩でぜひ公園を遊び尽くしてください。
■県営権現堂公園
ホームページ:https://gongendo.jp/
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