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特集記事【2007年9/20日号】


花屋さんで見かけた小さなバジルの苗。パスタに使えたらいいな…これがわが家のガーデニングの始まりでした。札幌から東京に引っ越してきて、最初に住んだのは 10階建てマンションの最上階。見晴らしが良く、池上本門寺の森や本堂も見え、朝夕の鐘の音も聞こえていました。

コンクリートの奥行きのない狭いベランダで、良すぎるほどの日当たりと、虫が来ない好条件を利用して、バジルやルッコラ、リーフレタスを植え、取れたて野菜のサラダを楽しみました。しかし、風が強く暑すぎるためか、ラディッシュは硬すぎて食べられませんでした。

最寄りの地下鉄駅までの道には、昔からの地主さんのお屋敷や畑が残っています。その一角に、いろいろな花の鉢植えを、名札をつけて庭先に置いているお宅がありました。季節毎に鉢の場所を変え、道を通る人たちの目を楽しませているのです。北海道育ちの私には、柏葉あじさい、ネムノキの花など、初めて出会う植物も多くありました。

たまたま庭の手入れをするそのお宅の奥様をお見かけして、お花の話をうかがってからは、いつもご挨拶する間柄になりました。ある時は「今夜、月下美人が咲きます」との張り紙が塀に。ライトアップされた幻想的な白い花を観に、近所の人たちがたくさん足を運んでいました。まさに付近の名所のような楽しいお庭で、そのお宅の奥さんが入院したときには、子どもたちからお見舞いのお手紙が届いたとか。庭や植物を通じた、温かいふれ合いの思い出です。

 


今の住まいは世田谷のコーポラティブハウス。引っ越して3年目です。室内のナラ材のフローリングの延長に見えるよう、栗材のウッドデッキを敷いた3×2.5メートルほどのミニ・ガーデンで、近所の東京農大で買ったガジュマル、花屋さんで一目惚れしたカイドウやブルーベリーなどの小さな樹木を育てています。

季節の花は、近所の花屋さんに相談しながら、切り花より長持ちするから…の気楽さで少しずつ植え替えています。今年はわすれな草、ビオラ、ブルーデージーや紫陽花、クレマチスなどを楽しみました「後、1.2週間たってから植えた方が良いよ」などとアドバイスしてくれる、仲良しのお店ができることは、とても心強いです。

でも、地下を掘り下げたスペースの難点は虫の多さ。リーフレタスやルッコラなど葉のものはことごとく虫の餌に。ハーブはなんとか育っています。憧れのガーデン・ブランチもあまりの蚊の多さに断念。でも、虫刺されは庭で育てたアロエで治します。

     

このマンションの良いところは、お隣との庭の仕切りが小クチナシの低木なので、庭つながりで長屋感覚のコミュニケーションが楽しめること。「この花は丈夫だよ」とお隣からアドバイスをいただいたり、ハーブをお裾分けしたり、庭の草木の水やりをお願いしたりしています。小さい子どものいるお宅では、ベランダで水遊びする様子もみられ、暑い夏のひととき、思わずこちらも笑顔になります。

なかなか理想どおりのガーデニングとはいきませんが、好きなハーブの苗一つ、気に入った花を一鉢…から始めるのが、我が家のスタイルに合っているようです。そんなベランダに、スマートなカナヘビや、雨が好きなカエルも遊びに来ています。
     
 
10月は種まきや、株分け、球根の植え付けなどに最適の時期です。
いい季節とは言っても『始めたばかりで何を植えたらいいのか分からない!』と言う方も多いのではないでしょうか?

秋に種まきする野菜として適していると言われるのは、ホウレンソウ、エンドウマメ、ソラマメ、カブやコマツナなど。ハーブでは耐寒性のある一年草のハーブ(コリアンダー、チャービル、ディルなど)を今のうちにまいておき、冬の間に苗を育てておくと春には素敵なキッチンハーブが楽しめます。

すぐに楽しみたい!という方は、サラダ野菜として人気のルッコラなどは1週間ほどで発芽するので、秋にまいて葉がでたら、ちょこちょこ摘んでサラダにするのもいいのではないでしょうか。
 
実は、このミモザ、ここまで育つまでには幾度かの失敗がありました。
最初に、ミモザの種子から育てようとトライしたのが一昨年の秋。

3本発芽しましたが、暮れまで育ったのは1本。その1本も、お正月留守の間にしおれてしまい、1月中旬には枯れてしまいました。せっかく育てた苗が枯れてしまうのはすごく残念でした。そして、再度、昨年二度に分けて種をまき、十数本発芽し、すくすく育つかに見えたミモザですが、移植、水遣り、施肥などの微妙な加減で葉が黄色くなって、枯れていき、最後に残ったのがこの1本なのです。

このように、ミモザは特に、水遣り、移植、肥料のやりすぎに敏感なので、大きく育つまでは注意が必要です。
剪定は大きくなってから、幼木のうちは控えたほうが賢明だそうです。また、庭への移植は、2年目以降の5月頃が最適。根を痛めずに、日当たり、水はけのいいところへ植えつけることが大切です。庭のない場合は、ベランダの鉢植えでもしっかり育ちます。大きめの鉢に植え、大きくなったらまっすぐ伸びた幹を適度な大きさに切り詰めて育てればミモザの黄色い花を楽しむことができます。

大きく育ったミモザの木を夢見て、毎日ベランダに出て、すくすく伸びるミモザを見るのが楽しみです。

今後の特集の参考にさせていただきます。
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