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特集記事【2012年6/20日号】

3年ほど前から、若い人の中にも手芸を趣味にする人が増えてきているようです。かつては手芸や編み物といったところが王道でしたが、現在は実に多種多彩なクラフト(手工芸品)の作り方を指南する教本やスクールなどが登場しています。

クラフトの楽しみは、まず作るところから。いろいろなテクニックを覚えていけばいくほど、表現できる幅が広がって、またそこに新たな楽しみを見い出せる…そんな楽しさがありますよね。そして、完成したものはお部屋に飾ったり、使ったり、親しい人へのプレゼントとしても喜ばれます。

今回は、作って楽しい、できて嬉しいクラフトの数々をご紹介しましょう。お部屋にいる時間が増えがちな梅雨の時期、ぜひとも"インドアの趣味"を見つけてみてください!
上の写真をご覧下さい。えっ?これがフェルトできているの?と疑問の方、そうです、本物のお菓子ではないんです。

特殊な針、フェルティングニードルと、羊毛だけで作る『羊毛スィーツ』というハンドメイドクラフトなんです。今回はこの羊毛スィーツの第一人者の福田りおさんにホビーショー2012にて、お話をお伺いしました。

この日も羊毛スィーツは大人気!Sweets&Deco Creation2012のブースには人だかりの山ができておりまして、羊毛でできたとは思えない"おいしそうな"スイーツの山に皆さん魅了されていました。

今回お話を伺った、福田りおさんは学生時代にニードルフェルトに出会い『不思議な針で羊毛をつついていると、固まる』という知識から作品制作をスタート。

試行錯誤を重ねる中、大好きなケーキをモチーフに、羊毛で作ってみた所、評判となり現在の大人気に至ります。福田さんは羊毛スィーツというジャンルを確立し、今では著作も多数。

一度見たら、そのかわいさとふわふわの手触りでみな虜になる羊毛スィーツ。それでは、作り方から、その仕組みまでじっくりご紹介致しましょう。
■福田りおさん著作一覧
 
羊毛スイーツは羊毛原毛、フェルトからできています。必要なものは針と原毛のみ。なんと、接着剤や縫い針は一切使いません。

使用するフェルトはハンドメイドフェルトの中でも、ドライフェルトと呼ばれる手軽なもので、硬さを自在にコントロールできるために、ふわふわの手触りを残すことができます。

原毛を刺してゆく特殊な針は、フェルティングニードルと呼ばれていて、先端がギザギザしています。

この先端がギザギザの専用の針でチクチクつついてゆく事で、繊維がからまってフェルト化してゆきます。これにより、形ができてくるという仕組み。針のギザギザが大活躍してくれるから、チクチクとさしていくだけで、ほらこのとおり!こんなにおいしそうなケーキが完成します。このフェルティングニードルと羊毛があれば、誰でもすぐに始めることができます。

ニードルにはいろいろな種類があり、表面のブツブツが目立たないきれいな状態にするもの、パーツをつなぎ合わせるもの、などなど…太さやニードルの本数の使い分けで、仕上がりがさまざまに違ってくるのです。奥深い世界ですね!

たとえば、細長いクリーム色したフェルトに淡いピンクのフェルトを重ねます。先生が目の前で目の前でくるくるっと巻いて、ニードルでチクチクしてゆくと…あらっ?ロールケーキ!

あっという間にイチゴのロールケーキになりました。フェルトの質感が、いい感じの柔らかそうなケーキそのものです。
作るのは簡単そうにみえますが、材料を揃えるの、大変じゃないの?という方にオススメなのが、こちら。羊毛フェルトキット。スイーツを作るのに必要なものがすべて入っていますので、初心者の方でも安心して始められます。

キット内容は、ロールケーキやマカロン、イチゴショートからクッキーまで、心躍らせるスイーツが多数揃っています。

沢山の種類がありますが、何よりも感動するのはメロンパン!焦げ目までついてるところがとてもリアルにできており、きっと、本物の中に紛れ込ませても絶対に口に入れちゃう人っているのではないでしょうか?

色々なカラーの原毛を、一から揃えてゆくのでは大変ですが、このキットを使えば簡単に作ることができそうな気がしませんか?もちろんりおさんが書かれた本も多数出版されていますので、そちらを参考に少しづつ揃えてゆくのも楽しいですね!きっと、色鮮やかなフェルトやかわいい作品を見ているだけでも楽しく、幸せな気分になることでしょう。  

そして、作品は立体的にできたスイーツだけではありません。壁掛けや実用的な物まで様々あり、なんとLessonパックにちょっとワンポイントという、かわいい使い方もあるんです。

Sweets&Deco Creation2012のブースでは、目の前で福田先生はかわいい『いちご』を作り始めました。まずは、布の下にスポンジを置きます。布の上に赤い羊毛フェルトを置いて、チクチク…チクチク…

フェルトが布地に吸い込まれていきます。形を整えながら、色を変えながら…あっという間に完成です。さわり心地がなんともいえずふわふわの仕上り。

あまりにも簡単にできてしまうので、接着剤、糸や縫い針は使わないで大丈夫なの?と心配になります。でも、大丈夫なのです。裏をちらりとのぞいてみると、表と同じようなデザインができているではないですか!しっかりと布地に埋め込まれているから、お洗濯にもバッチリ対応。お洗濯できるので、汚れたままでという事も無し。アップリケ、気づいたらとれちゃっていたの…なんてことも絶対にありません。かわいいデザインなのに耐久性もバッチリとは、言う事ありませんね!

それでは最後に、気になるお教室のご案内を。こちらのLessonを担当されているのは羊毛フェルト作家の"福田りお"先生になります。デザイン・手法はすべて独学のオリジナルです。ご自分のウェディングケーキやBirthdayケーキのレプリカをを作成される方もいらっしゃるとか。
■Lessonの受講はこちら
 東急セミナーBE 渋谷校
 日曜クラス:第1日曜  10:00〜12:30  6か月全5回  24,000円
 月曜クラス:第1月曜  10:00〜12:30  6か月全5回  24,000円
 研究クラス:第1日曜  13:00〜15:30  6か月全5回  25,000円
 見学も可能です。
 お問い合わせ先:03-3477-6277

 NHK学園オープンスクール 新宿校
 第3土曜日:13:30〜15:30 3か月全2回 10,000円 
 お問い合わせ先:0120-451-424  
■ホームページはこちら
 A's sweet! Felting Art:
http://www.as-sweets.com/
よく「食卓に彩りを」といったことばを耳にします。味もさることながら、色味の美しさやバランスなど「目で見て楽しい」ことも食事にとって大切な要素ですよね。そこで今回ご紹介するのは、「カービング」という装飾技術。カービングとはもともと「彫刻」のことを指します。彫刻にもさまざまな種類がありますが、今回ご紹介したいのは、南国・タイに古くから伝わる装飾技術としてのカービングです。

今から700年以上前、タイのアユタヤ王朝で、灯篭を流す際に装飾を施したことが始まりといわれています。以来、宮廷に仕える女性達の間で、フルーツや野菜に装飾を施すことが流行りました。花や動物など、表現するものは多種多彩。なにより食卓に出たとき、その美しさに誰もが圧倒されるでしょう。手間暇をかけたことがひと目でわかるカービングはタイ特有の「お客をもてなす」習慣ともマッチして、一般に広く普及していきました。現在も、タイには多くのカービング教室があり、高級料理店などで食卓に上ることもあります。コックさんの技のひとつですが、さらに高級な宮廷料理を出すお店となると、カービング専門の技師がいるほどです。

使うフルーツはスイカやリンゴなど、細かい装飾を施しても型崩れしにくいものが主流です。野菜も同じように、にんじんや大根、ラディッシュなど、シャリッとした食感のものがよく使われます。作り方は、先が細くとがっている「カービングナイフ」を使用。木を彫る彫刻刀にはさまざまな刃先の種類がありますが、カービングの場合は皮むき用のナイフを使うこともありますが、基本的にカービングナイフ1本でOK!至ってシンプルです。
昨今では、キャラクターをお弁当に描く「キャラ弁」を得意とするママさんも多いと思いますが、フルーツや野菜のカービングも、子ども達は大喜びしそうですよね。誕生日など、記念日のお祝いの食卓にもよく映えます。

ただ、せっかく創り上げたモノではありますが、当然ながら日持ちしません。もうちょっと長持ちさせたいな…と感じる方は、石鹸を彫るソープ・カービングがオススメです。

基本的な要領やテクニックはフルーツを彫る際と一緒。石鹸は、硬すぎず、柔らかすぎずのモノが一般的に使われます。出来上がったものは、プレゼントにするもよし、お部屋に置いて芳香剤のかわりにして、しばらく経ったら実際にお風呂で使用する、というのもよさそうですね。また、カービングする際に生じる細かな彫りカスもネットに入れて使用できるエコな面もあります。石鹸にしろフルーツにしろ、対象となるモノが安く手に入り、道具はナイフ一本で済むところも経済的ですよね。

あとは、しっかり基本を学んでおきたいところ。池袋にあるアジアの語学教室「JAYAランゲージセンター」では、フルーツやベジタブル、石鹸のカービング教室を月2回ほどのペースで随時開講しています。「果物にダリアと開いた葉」「石けんに百日草」など、毎講座ごとに共通の課題があり、初心者にはナイフの持ち方から教えてくれるうえ、カービングナイフも無料で貸し出ししています。

最初は、果物や石鹸など、「間違ってナイフを入れたら元に戻らない」ゆえ、カタチがイビツになることもあるでしょう。しかし慣れてくると形も整い、いろんな技を覚えることで、まさに芸術と呼べるような作品を創り出すことができるようになるでしょう。ぜひとも趣味として、始めてみませんか?
■JAYAランゲージセンター カービング教室
美しい花や植物の造形…これらはすべて「ペーパークイリング」と呼ばれるクラフトです。

ペーパークイリングの歴史は古く、多彩な芸術・音楽文化が花開いたルネサンス期までさかのぼります。フランスやイタリアの修道女たちが、聖書を製本する際に余った紙を使用して、宗教的用具に装飾を施しました。それがペーパークイリングの原型と言われています。鳥の羽を使い、紙をクルクル巻いて作る美しいこのペーパーアートは、18世紀になるとヨーロッパの貴族の間で大流行し、間もなく世界中に広がりました。

使用する紙は、クイリングペーパーと呼ばれる細長い紙。使う紙の質や巾によって、多彩な風合いを表現することができます。もうひとつ大きな要素は"巻きかた"。スロットツールやニードルといった道具を使い、細長い紙を巻き上げていきます。キッチリと丸く巻いてボンドで固定すれば「タイトサークル」に、キッチリ巻いたあとに手を離し、緩んだところでボンドを使えば「ルーズサークル」といったように、巻きかたによっていろいろな表現が可能となります。使う道具は至ってシンプルですが、カラフルな紙を使い、多彩なテクニックと表現を駆使すれば、リースやアレンジメント、ブーケ、さらにはウェディングボードなど、繊細で美しい作品を創り上げることができます。

そんなクイリングの楽しさ、美しさを広めるために普及活動を進めているのが、ボタニカルクイリング・ジャパン。講師育成や展覧会・販売会の実施、作品集の出版などを行うとともに、全国各地の認定教室や通信講座で、3つの公式講座を展開しています。

ビギナー向けのクイリングスタンダードコースでは、課題制作を通じ、多種多彩な植物の表現方法や、48種のシェイピング技術を教えてくれます。お部屋に飾ったり、ウェディングカード等にも使える作品を作りたい方は、まずこのコースで基本を覚えましょう。

ワンランク上のコースでは、オリジナル作品の作りかたを学ぶことができます。色の組み合わせや花の大きさのバランスなど、全体的に美しく仕上げるデザインのノウハウを知ることで、さらに楽しみが増すこと請け合いです。また、さらに高いレベルのテクニックと表現技法を学べるインストラクター認定コースもあります。

シンプルな道具から生まれる、美しい作品。ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょう?
■ボタニカルクイリング・ジャパン
 ホームページ:http://bqjapan.com/
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