麺の細い太いはあるけれど、皆さんが想像する「うどん」は、ほぼ同じかと思います。しかし、「エッ!?これもうどんなの!?」と驚いてしまう"うどんの仲間"も関東には存在しています!話のタネになりそうな小麦系グルメをご紹介してみましょう。
まずは、耳慣れない「耳うどん」。画像をご覧いただければ一目瞭然、その形が耳に似ていることからその名がつきました。なんともカワイイですよね!
耳うどんは栃木県佐野市に伝わる郷土料理。佐野市を含む栃木県の県南は、稲作を終えた田んぼで小麦を栽培する二毛作が盛んでした。
佐野といえばラーメンも有名ですが、それも良質な小麦が獲れたゆえのことだったんですね。各家庭でも小麦粉を使った料理が食卓に上り、なかでも耳うどんはお正月の三が日に食べる縁起物なのだそうです。
一説によると、うどんに入っている「耳」は鬼で、それを食べてしまえば、その家の出来事などが鬼の耳に入らずに、魔除けになるということから縁起物になったのだとか。また、耳を食べることで他人の悪口が耳に入らずに、円満な人間関係を築けるようにするため…といった説もあります。
そんな耳うどんが食べられるのは、佐野市にある「野村屋本店」さん。明治40年創業の老舗で、ごく一般的なそばやうどん、ご飯ものの他に、この耳うどんがメニューに載っています。椎茸のダシがきいたおつゆに、ほのかに香るゆずの風味。伊達巻やかまぼこなどが具になっているところが、縁起物らしさを演出しています。もっちりとした"耳"の食感も楽しいですよ!
その他、同店には味噌味ベースの「煮込み耳うどん」や、けんちん汁風に仕上げた「田舎風耳うどん」、お餅とチーズが入った「カレー煮込み耳うどん」もあります。お好みに合わせてどうぞ。