いま、ご覧の皆さんの中にも、厄年・前厄・後厄を迎える方もいらっしゃるのでは?
大きな野望はないけれど、降りかかる災厄を避け、無事安泰に過ごしたいと思うのは人の常。厄除けに関するパワースポットをご紹介しましょう。
まずは東京・葛飾区にある業平山 南蔵院。創建600年を数えるお寺です。ここにあるのは、人呼んで「しばられ地蔵」。荒縄でぐるぐる巻きにされたお地蔵さんです。
なぜぐるぐる巻きなのか?それは、時代劇ドラマとしても有名な「大岡越前守」のエピソードが発端です。
ある時、荷担ぎが南蔵院の地蔵のそばで居眠りをしていたところ、届け物の反物を何者かに盗まれてしまいました。途方に暮れた荷担ぎは死んで詫びようと思いましたが、最後の手段として、江戸で評判の大岡越前守にうかがいを立ててみました。
すると越前守は、「盗人を見過ごした地蔵も同罪である」と言い放ち、縄でぐるぐる巻きにして白洲へ運ばせました。その際、大勢の野次馬も白洲になだれ込んできました。
そんな野次馬に対して「白洲に立ち入るとはけしからん。その罰として反物一反をおさめるように」と越前守。白洲にはたくさんの反物が集まり、その中に盗まれた品もありました。
結果、盗人は捕まり、反物も戻ってきたという話。以来、厄除けをはじめ、盗難除け、足止め、縁結びなどあらゆる願いをかなえてくれるお地蔵様として大切にされ、現在に至るそうです。
祈願するときには縄で縛り、成就したときには縄を解くという習わしがありましたが、現在では毎年大晦日の夜、しばられ地蔵の縄解き供養が行われます。また、大晦日と元日には厄除けから縁結びまで、あらゆる願い事を結ぶ開運の縁起・「結びだるま市」が開かれます。