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特集記事【2015年1/20日号】

味噌やなっとう、しょうゆやお漬物などなど、日本には数多くの伝統的な発酵食品があります。発酵食品がカラダに良いということも、かなり知れ渡るようになりました。

そんな発酵食品を作り上げているのは、自然のチカラ。そのチカラがどれほどすごいか、ひとつの例として挙げたいのが、南国で飲まれている「ヤシのお酒」です。

原料は、椰子の木から採れる樹液のみ。朝、採りたての段階では、ほんのり甘い「ジュース」です。しかし、樹液の中に含まれている糖には天然の酵母が含まれているため、放っておくと発酵してアルコール分を伴い、微発泡の「ビール」になります。そこからさらに発酵が進むと「焼酎」のような味わいになり、さらに3日ほど置くと「酢」になります。人間が手を加えるのは、最初の樹液を採る工程だけで、あとは放っておくだけ。なんとも不思議だと思いませんか?「自然」と「時間」のチカラ、恐るべしですよね。

今回ご紹介する「手作り発酵食」も、ヤシのお酒ほどではありませんが、簡単に作れるものばかり。近年は、自分でお部屋のインテリア等を作り上げる「DIY(Do It Yourselfの略)」が流行っていますが、発酵食品づくりは「食のDIY」。ぜひトライしてみてくださいね!
2011年、ブームに火がついた調味料といえば塩麹(しおこうじ)。麹と塩、水を混ぜて発酵・熟成させた、昔からあった伝統的な調味料です。現在は広く一般に普及して市販品もスーパーに並んでいますが、材料である麹の売れ行きも良く、手作りしているご家庭も多いようです。

その理由は、やはり「作るのが簡単」で「使うのも簡単」、さらに「さまざまな料理に活用できて、なおかつ美味しく仕上がる!」ことでしょう。ご家庭で作る発酵食の入門編として、まさにオススメといえます!

用意するものは、米麹(100g)、食塩(30〜40g)、水(適量)のみ。食塩は30〜40gの間で、塩分を控えたい方は少なめ、濃い味がお好みの方は多めに調整しましょう。ただし、30g未満に減らすと、塩が足りず腐敗の原因になってしまうこともあるので注意が必要です。

作り方は、まず米麹をほぐし、塩と共によくかき混ぜます。塩が偏らないようにまんべんなく行き渡らせましょう。混ぜ合わせたら、タッパーなどの容器に入れて、麹がヒタヒタに浸かるくらいに水を入れ、かき混ぜます。これで仕込み完了!冷暗所で常温保存しましょう。

出来上がるまでは約10日間ほどかかります。気温が低いほど発酵のスピードは遅くなるので、冬場は2週間くらいが目安。その間にすることは「1日1回、かき混ぜること」です。空気に触れることでコクと風味が増していきます。また、麹が水を吸うことで水位が下がるので、1日1回のかき混ぜの際に水をヒタヒタになるように足していきましょう。

毎日1回混ぜていると、だんだんと甘い香りが漂うようになります。発酵が進んでいる証です。甘い香りと、お米がトロトロ状になってきたら完成!さっそく使い始めましょう。冷蔵庫で保存すると約半年ほど日持ちします。
■塩麹
 ご用意する材料:米麹(100g)、食塩(30〜40g)、水(適量)
 出来上がるまで:約10日間ほど(1日1回、かき混ぜること)
 保存できる期間:要冷蔵で約半年ほど
塩麹は「万能調味料」と言われているように、使い方は実にいろいろ。塩や醤油を使うシーンであれば、だいたい塩麹で代替が効き、いつもとは一風違ったコクと味わいを出すことができます。「いろいろ試せて、失敗が少ない」ことも、塩麹の人気の理由ですね。

ひとつだけ注意するとすれば、「まず最初は少量にすること」。料理の味付けには他の要素(調味料)が加わってくるケースもあるので、出来上がりが濃いめの味付けになってしまうことがあります。お味噌汁に入れても美味しい塩麹ですが、その際はお味噌を少なめ、塩麹を少なめにするなど、塩麹を入れる場合は少量使いにして、ベースは薄味にすることがおすすめです。

もうひとつ、塩麹の万能選手ぶりを示す魅力は、お肉や魚、野菜などの下味として漬けておくと、素材が柔らかくなる点。さらにお肉などに含まれるたんぱく質が、旨み成分のアミノ酸に変わることで、いっそう美味しく仕上がる点です。たとえば豚肉と、醤油やみりん、お酒、塩麹をボウルで混ぜ合わせ、ビニール袋に入れて半日から1日ほど置いてから調理すると、コクのある味わいになります。いろいろ工夫しながら料理にアレンジしていく楽しさを、ぜひ塩麹で満喫してみてくださいね。

米麹が余ったら、日本の伝統的な発酵飲料「甘酒」を作ってみるのもひとつの手。

まずは1合のお米でおかゆを作ったのち、60℃くらいの温度になったら麹500gを混ぜ合わせ、炊飯器に入れて「保温」します。この時、炊飯器のふたは開けておき、ふきんでふたをするようにしておくことがコツ。

およそ4〜5時間で甘酒の素が出来上がります。あとはコップにとりわけ、お好みでお湯を足して飲むだけ。なお炊飯器メーカーによって仕様が異なることもあるので、事前に説明書等で確認しておくとよいでしょう。
■甘酒
 ご用意する材料:米1合、塩麹500g
 出来上がるまで:炊飯器で4〜5時間(保温状態)
ホカホカの白米に味噌汁、納豆、たまご、そこにお漬物があれば、立派な日本の朝食のできあがり。かつてはどの家でもお漬物を漬けていましたが、今は市販品で済ましている方も多いのでは?その一方で、美味しい漬物づくりに目覚めて、冷蔵庫などでお手軽につくる方も増え始めているんです。今回は、ぬか漬けの作り方をご紹介しましょう。

まず必要なのは、野菜を漬けこむ"ぬか床"。用意するものは炒りぬか1kgに対し、粗塩140g、水1リットル、昆布10cm角×1枚、赤唐辛子2本です。

鍋で水を火にかけ、塩がとけた段階で火を止めて冷まします。次に、ボウルに米ぬかを入れ、冷ました塩水を注いでよくかき混ぜます。いっぺんに塩水を注ぎきるよりも、3回くらいに分けて注ぎ、1回づつ丹念に混ぜていくことがポイント。塩分がくまなく行き渡るようになります。混ぜていくうちに柔らかいお味噌くらいになったら、ぬか床のできあがりです。

そうしたら、次は「捨て漬け」をします。まだぬか床が発酵していない段階ですので、野菜を漬けこむと塩辛いお漬物に仕上がってしまいます。そこで、とりあえずにんじんや大根のヘタの部分やキャベツの外葉などの食べない部分を漬け、発酵を進ませるプロセスが「捨て漬け」。なお、この時に旨みを加える昆布、腐敗を防ぐ赤唐辛子もぬか床に入れます(昆布と唐辛子は、本漬けの際も入れたままにしておきます)。

漬物容器にぬか床を入れ、捨て漬け用の野菜を埋め込んだら、容器のふたをして冷暗所で寝かせます。ぬか床完成まで10日間。その間、1日朝晩2回、底からしっかりとかき混ぜまぜることが大切。さらに5日目で捨て漬け用の野菜を取り替えましょう。

10日経ち、捨て漬け野菜を捨てたら、いよいよ本漬け。ここまでの段階で「ちょっと手間だなぁ」と感じた方は、市販のぬか床を購入するのもひとつの手ですよ。

漬けるときのコツは、野菜の水分をじゅうぶんにふき取って塩もみすること。さらに、一部でいいので野菜の皮を剥いておくと早く漬かります。

本漬けの際は、密閉容器に入れて冷蔵庫(野菜室でも可)に入れておくと便利。冷蔵庫だと、カビの心配もいらず、ぬか床の手入れも簡単(毎日混ぜるのではなく、ぬか床から野菜を取り出す際に混ぜるくらいでOK)ですが、常温よりも倍くらい、漬ける時間がかかります。丸ごときゅうりなら常温で3時間のところが6時間、なすは常温1日のところが2〜3日です。

ぬか漬けの楽しさは、「今度はもう少し浅漬けにしてサッパリ風味にしよう」「次はあの野菜を漬けてみよう」と、自分でいろいろと工夫できること。作る工程も"食"の一環としてとらえ、楽しみながら美味しい漬物を味わってくださいね。
■ぬか漬け
 ご用意する材料:炒りぬか1kgに対し、粗塩140g、水1リットル、昆布10cm角×1枚、赤唐辛子2本
 出来上がるまで:ぬか床完成まで10日間、本漬けは漬ける野菜によって時間が異なります。
お腹の調子を整えてくれるヨーグルトは、毎朝食べたい発酵食品のひとつ。乳に乳酸菌や酵母を混ぜ、発酵させることで作られます。近年は健康志向からか、自家製のヨーグルトを楽しむ人も増えているんですよ。

ヨーグルトができる仕組みは至ってかんたん。乳に乳酸菌や酵母を混ぜて置いておくと、自然に発酵してできあがります。牛乳はもちろん、水牛や羊、ヤギ、さらには豆乳などでも作ることが可能です。

初心者にオススメなのは、乳脂肪の処理をしていない「全乳」と呼ばれる牛乳です。クリーミーでコクのあるヨーグルトに仕上がります。ダイエット中の方は、出来上がりが少しサラリとしますが低・無脂肪牛乳でもOK。ただし、昨今安価で売られている「乳飲料」だとうまく発酵しないことがあります。豆乳を使う場合は、大豆成分が8%以上のものを選ぶとよいでしょう。

まずは新鮮な牛乳1リットルを鍋で温めます。沸騰し始めるくらいに火を止め、次は45℃くらいまで冷まします。冷めたら容器に移し替え、乳酸菌や酵母を含む「種菌」を入れます。種菌はインターネット通販などで売っているパウダー状のものを使うのがおすすめ。もしくは、市販のヨーグルトもれっきとした種菌として使えます。パウダーの場合は分量などを但し書きに従い、市販のヨーグルトの場合は大さじ4杯を牛乳に入れてかき混ぜてください。

ここでひとつ注意事項。ヨーグルトづくりに使う鍋や容器、スプーン、最終的に小分けにする容器などは熱湯消毒し、雑菌が混入しないようにしましょう。

種菌をヨーグルトに入れたら、フタをして保温します。室温が20〜28度の場合は約30〜48時間ほど。15〜20度なら、容器をタオルで巻いて、36〜60時間ほどが目安です。プリンのように固まったら、発酵が十分になった合図。種菌の種類によって、出来上がる時間や保温温度が異なる場合があるので、種菌パウダーの但し書きで確認しておきましょう。基本的に長時間になればなるほど酸味が増し、濃い味になります。温度が高いほうが早く出来上がりますが、その際は45度を上限にすること。温度が高すぎると菌が死滅するためです。

十分に発酵したら、容器ごと冷蔵庫に入れて2時間ほど冷ませば完成。お好みによってフルーツに合わせたり、お砂糖やきなこ、黒蜜、はちみつなどを加えて楽しみましょう。

さて、ここまで説明してきて、「仕組みは簡単だけど、温度調節が面倒そう」と感じた方もいらっしゃるはず。そんな方にオススメなのが、市販のヨーグルトメーカー+種菌パウダーを使うことです。

事前に牛乳を温める手間も必要なく、ただ牛乳と種菌をメーカー専用の容器に注ぎ、メーカーにセットするだけで適温を保ってくれます。「ヨーグルトメーカーって、何か撹拌したりする装置なんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、実は「保温」を旨としたシンプルな装置なんです。ヨーグルトメーカー「ヨーグルティア(タニカ電器)」の場合は、25〜65℃の間で温度設定ができるため、カスピ海ヨーグルトやケフィアヨーグルト、さらには甘酒や納豆など高温発酵の食品もつくることが可能!まさに"発酵マシン"と呼べるくらいのスグレモノです。

ぜひ一度、自家製ヨーグルトでヘルシーな朝食を楽しんでみてくださいね。
■ヨーグルト
 ご用意する材料:牛乳1リットル、乳酸菌や酵母を含む「種菌」大さじ4杯
 その他の注意点:低・無脂肪牛乳でもOK。豆乳を使う場合は、大豆成分が8%以上のものを。
 タニカ電気 ホームページ:http://www.tanica.jp/
ザワークラウトは、「酸っぱいキャベツ」と言うドイツ語です。塩漬けの乳酸菌発酵キャベツで、この爽やかな酸味がこってり系の肉料理との相性が実に良い!そりゃビールが進みますよね。

しかも発酵キャベツが腸内環境の働きを活発にしてくれるのはもちろんのこと、胃の粘膜を守り、消化を助けることから、肉料理のベストパートナーとして食べられています。ビタミンCも豊富です。

焼いたマフィンに、ザワークラウト、ツナ、マヨネーズ、黒こしょうを和えて挟んだものがお気に入り。ピクルスの代わりにハンバーガーに。ロールキャベツやポトフの仕上げに少し加えると、味が引き締まって美味しくなる。保存期間はできあがってから要冷蔵で1ヶ月。
使うのは、キャベツに、塩と水だけ。あれば、ローリエと唐辛子を少々お好みで。そして空き瓶。重し要らずの方法です。

キャベツを1p幅に切って、キャベツ全量の2%の塩をまぶします。少ししんなりとするまで置いたら、空き瓶にギューギュー詰める。みっちり詰める!ここでできるだけ、空気を抜いてあげることがポイントです。重し代わりに圧迫で漬けるんです。4分の1玉のキャベツが手の平に乗っちゃう小さな瓶に治まるくらいの量になります。キャベツが浸ると頃まで水を入れ、フタをします。このまま暖房の利いている部屋だったら3日ほど。暖房の利いていない部屋なら10日〜1週間、置いておけば、美味しいザワークラフトのできあがり。ぜひ作ってみてくださいね。
■ザワークラウト
 ご用意する材料:4分の1玉のキャベツ、キャベツ全量の2%の塩
 出来上がるまで:暖房の利いている部屋で3日ほど、暖房の利いていない部屋なら10日〜1週間
 保存できる期間:要冷蔵で1ヶ月
こちらのザワークラウトの作り方は、料理研究家協会会長 宮成なみ先生 よりご寄稿頂きました。
宮成先生のプロフィールはこちらからどうぞ。

宮成なみ(みやなり なみ)


福岡出身の料理研究家。 楽しい食卓(株)代表取締役
一般社団法人料理研究家協会 会長 兼任 代表理事

現代の医学では治すことのできない難病「結節性動脈周囲炎」を持って生まれる。16歳で発症。5年以内に8割亡くなる難病であることから、医師の「唯一病気の進行を遅らせる方法が食事療法」という言葉に希望を託す。7年半に及ぶ食事療法の末、不可能だと言われていた社会復帰をみごと果たす。「今、食べたものは命で、命が私の命になって、私の未来を作るんだ」と食の可能性と素晴らしさに感動し、料理研究家を目指す。金なし、コネなし、資格なしのなか10年越しの夢叶い、27歳で料理研究家となる。現在は2日に1度、1回6時間の透析をこなしながらテレビ、ラジオなどのメディア出演、食育講演会、レシピ作成ほか料理研究家として活躍中。

 宮成なみ ホームページ:http://www.miyanari-cook.com/
今後の特集の参考にさせていただきます。
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