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特集記事【2015年3/20日号】

東京都内には大小さまざまな美術館がありますが、今月ご紹介するのは、小さな美術館です。

大きな美術館のほうが、多くの作品を鑑賞できることは確かですが、小さな美術館には心温まる独特の雰囲気があります。テーマが絞られているので、どっぷりとその世界に浸ることができる点はもとより、なんだか"小ささ"ゆえのアットホームで温かい雰囲気がありますよね。

今回ご紹介する4つの美術館は、いずれも閑静な街の一画に、ひっそりとたたずんでいます。ぶらりと散歩して「こんなところに美術館があったんだ。ちょっとのぞいてみようかな」と思わせてくれるような美術館です。

これから桜が咲き、新緑が美しく映える季節となります。ぜひとも休日散歩の途中で訪れて、ココロの栄養をチャージしてみてくださいね。
どことなくユーモラスで、観る者を温かい気持ちにさせてくれる作品の数々。明治から昭和にかけて活動した画家・熊谷守一(くまがい・もりかず)の作品を集めた美術館が東京・豊島区にあります。

1985年、熊谷守一が45年間住み続けた旧宅跡地に私設美術館としてオープンし、後に豊島区が作品150点あまりの寄贈を受けて2007年から豊島区立となりました。

絵を褒められようとも、有名になろうとも思わない。そんな心構えで絵を描き続けてきた彼は、年を重ねるにつれてだんだんと画風がシンプルになっていきました。

もともと身近な動物や花など命あるものを好んで描いていましたが、晩年はもっぱら自宅の庭で過ごすことを好み、そこに生きる昆虫や鳥などに興味を抱いていたといいます。熊谷守一にとって、自宅の庭が無限の小宇宙だったといえるでしょう。

それら生物をモチーフにした晩年の作品は、シンプルな線とシンプルな色づかいで構成され、一見すると子どもの描いた絵画のよう。晩年は主にカンバスではなく、小さな板に描いていました。

油絵としては最後となった作品「アゲ羽蝶」からは、生き物の力強さを感じ取ることができます。美術館の外壁にあしらわれた、蟻を描いた作品も独特です。

1階の第一展示室には「アゲ羽蝶」や「自画像」「白猫」など油絵をメインに、掛軸やブロンズ、絵付けした器など30点余が展示されているほか、生前に氏が使っていたイーゼルや、趣味のチェロなども飾られています。

2階の第二展示室には、筆と色墨で和紙に描いた墨絵の「蟻」「がま蛙」をはじめ、書「寂」「五風十雨」、オイルパステル画などを展示。

墨絵や書について詳しくなくても、ダイレクトに心に響いてくるような作品ばかりです。 住宅街の一画に、ひっそりとたたずむ美術館。春の散策の途中でぜひとも立ち寄りたい美術館のひとつです。
■熊谷守一美術館
 ホームページ:http://kumagai-morikazu.jp/
東京・原宿といえば「若者で賑わう街」というイメージが強いかと思いますが、竹下通りや表参道からほんの少し路地に入ると、ひっそりとしていて落ち着いた街並みが広がっています。

ちょうどラフォーレ原宿の裏手に位置している浮世絵太田美術館も、そんな一画にひっそりと建っています。

江戸時代の前期に誕生した浮世絵は、日本の大衆文化に根付いたと同時に、多くの外国の画家をはじめとした人々の心も掴みました。そのため、幕末から明治にかけて欧米に大量の秀作が流出したといいます。

そんな実情を嘆き、流出した浮世絵の蒐集に力を注いだ人物が五代太田清蔵。そのコレクションは1万4千点にも上ります。氏は生前からこれら作品を一般公開したいと願っていたことから、没後に遺族によってこの美術館が誕生しました。

浮世絵の初期から末期にいたるまでの代表作品はもとより、色目の美しい、保存状態に優れた作品を多く観賞できる点が最大の魅力です。 3月26日(木)まで開催している展覧会は『江戸ッ娘〜Kawaiiの系譜』。

世界の共通言語になりつつある「Kawaii(かわいい)」という日本語。その日本語を象徴する街である原宿にふさわしい展覧会です。江戸の娘たちの着物、髪型、化粧、さらに奇抜なメイクなどが描かれたさまざまな浮世絵を通して、「Kawaii」のルーツをたどることができます。

(前期展示) 4月1日(水)から5月28日(木)にかけては、展覧会『広重と清親〜清親没後100年記念』を開催。広重とは、江戸時代に「東海道五拾三次」「名所江戸百景」などの名作を生み出した浮世絵界の巨匠、歌川広重のこと。一方、清親とは、明治時代に活躍した「最後の浮世絵師」といわれる大家・小林清親のこと。

広重に比べて知名度こそ高くない清親ですが、「えっ!これって浮世絵?」と思わせてくれる繊細なタッチは、ぜひ一度ご覧いただきたいオススメの秀作!明治に入り、西洋の文化が入ってきた日本において、清親は西洋絵画の技法をマスターし、その技を浮世絵に取り入れる「光線画」という手法を編み出しました。洋室のリビングルームに飾ってあってもピッタリとハマる浮世絵とでもいいましょうか。同じく風景画や戯画をしたためた広重と清親、その時代背景とタッチの違いを比べながら鑑賞できる、絶好の機会です!
■浮世絵太田記念美術館
 ホームページ:http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/
大正浪漫を感じさせてくれる画風でおなじみの画家、竹久夢二。明治38年に雑誌投稿でデビューしてから、コマ絵や挿絵などを数々と発表。

いわゆる"画壇"に属しておらず、独自の活動を続けていたことから、世間からは画家よりもひとつ下に見られていたといっても過言ではありません。

しかし近年になって、作品の評価は上昇。日本独特の懐かしさと、西洋の洒落た感覚を併せ持つセンチメンタルなタッチで描かれた女性像は「夢二式美人画」というひとつのジャンルを確立しているといえます。

そんな夢二の作品に出会えるのが、東京・本郷にある竹久夢二美術館です。日本画、油彩、書をはじめ、原画やスケッチ、版画、デザイン、著作本、装幀本雑誌など、約3300点を所蔵しています。
その活動領域は、今でいうと"画家"というより"クリエイター"といったほうがしっくりきますね。稀代のイラストレーターであり、グラフィックデザイナーであったともいえます。さらに詩や歌謡、童話なども手掛けるマルチぶりを発揮した人物です。

3月29日(日)までは、「みなさま、ごきげんよう! 竹久夢二と乙女のハイカラらいふ展」を開催中。大正から昭和初期の乙女たちは、夢二の絵や読み物に惹かれていました。

夢二自身もそんな少女たちに向けてデザインした小物を取り扱う「港屋絵草紙店」をオープンしていたほど。オシャレ大正女子たちの憧れの的だったわけです。そんな当時の世相が垣間見える作品の数々を観賞することができます。
4月3日(金)から6月28日(日)にかけて開催される展覧会のテーマは「竹久夢二 詩と絵のおくりもの」。

若かりし頃は詩人を目指していた夢二は、絵と詩を組み合わせた作品を雑誌などで次々と発表していました。これらの作品群をみることで、当時と現在における「恋愛」の共通点が浮かび上がってきます。いまも昔も乙女は乙女!といったところでしょうか。

なお、同美術館には弥生美術館が隣接しており、こちらは明治末から戦後にかけて活躍した挿絵画家の作品・資料をみることができます。

こちらは大正・昭和男子に向けた作品が目白押しです。ぜひ両方の美術館に立ち寄り、レトロなひとときを満喫してくださいね。
■竹久夢二美術館/弥生美術館
 ホームページ:http://www.yayoi-yumeji-museum.jp/
「子どもの幸せと平和」をテーマに、やさしく繊細なタッチで子どもの肖像を描き上げた画家、いわさきちひろ。その名前、その絵は誰もが一度は目にしたことのあると思います。

練馬区下石神井にある、ちひろ美術館・東京。ここではいわさきちひろの作品はもちろんのこと、世界各国の絵本の原画も数多く展示されています。館長は、あの黒柳徹子さんです。

戦後まもなくは、広告ポスターや雑誌、教科書のカットを手掛けていた彼女。しかし44歳のとき、雑誌「子どものしあわせ」の表紙の絵を担当することになったことがひとつの転機になりました。

自由な裁量のもとで、本来描きたかった子どもたちの絵を素直に表現していきます。油彩ではなく水彩をメインに使うようになり、東洋の水墨画のような"にじみ"や"ぼかし"を上手に駆使したタッチが確立していきました。

青春時代を戦争の真っ只中で過ごしていた彼女ゆえ、作品には「子供たちに平和を」というメッセージが込められています。

5月24日(日)までの期間は、「絵本になった!『窓ぎわのトットちゃん』展」を開催中。

ご存じ、戦後最高のベストセラーになった黒柳徹子さんの自伝的物語『窓ぎわのトットちゃん』の表紙を、彼女のやさしい絵が飾っています。

この企画展では、絵本に収録された彼女の作品の数々を、戦時下においてもたくましく生きたトットちゃんたちのエピソードと共に展示されます。

また、同美術館には彼女の仕事場を再現した「ちひろのアトリエ」や、四季折々の花が咲く「ちひろの庭」、赤ちゃんや小さい子どもたちのための「こどものへや」、国内外の絵本約3000冊をはじめ、いわさきちひろの本などを読むことができる「図書室」、さらには絵本を楽しみながらゆったりとした時間を過ごせる「絵本カフェ」など、楽しみどころがたくさんあります。

ぜひお子さんと一緒に出かけてみてはいかがですか?
■ちひろ美術館・東京
 ホームページ:http://www.chihiro.jp/tokyo/
 
今後の特集の参考にさせていただきます。
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