副都心線の登場で一躍注目を浴びるようになったスポットのひとつが雑司が谷。副都心線雑司が谷駅は一部出口が開設しているものの全体は完成しておらず、現在も建築工事が進み、土埃をあげています。
そこを抜けると一転して閑静な住宅街。参道のケヤキ並木がゆったりとした時間を演出しています。この駅から伸びるケヤキ並木には他ではなかなか見られないほどの大木があり、古いものは樹齢400年。東京都の天然記念物に指定されています。そしてたどり着いたのが法明寺。俗にいうところの鬼子母神(きしもじん)です。
鬼子母神という文字だけ見るとなんだか恐ろしいようなイメージを受けますが、厳密には「鬼」の文字から“角”を取った漢字が充てられています。由来によると、もともとインドでは近隣の子ども達を食べてしまう存在でしたが、お釈迦様が鬼子母神の実子を隠して懲らしめたため、鬼子母神は改心し、以来安産・子育ての神になったといわれています。
境内に入ると、まずは左右に仁王様の像。左手にはなんと樹齢600年を数えるといわれる大イチョウの大木があります。柔和な表情で子どもを抱く鬼子母尊神が祀られる本殿のほか、金剛不動尊を安置した法不動堂、帝釈天王の石像、朱塗りの鳥居が濃い緑に映える武芳稲荷などが境内に所狭しと建てられています。
そしてもうひとつ、見逃せないのが境内にある駄菓子屋さん。
軒先に掲げられた看板には創業1781年の文字が書かれています。気さくな駄菓子屋のおかあさんと世間話を交わす参拝客も多く、昔懐かしい酢イカやミルクせんべいなどについ手が伸びてしまうこと請け合いです。