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特集記事【2008年12/20日号】

   

古くから日本における「神頼み」の対象といえば、「お稲荷さん」に「八幡様」、そして「天神様」が有名です。

天神とはすなわち菅原道真公のこと。学問の神様として知られる道真公を祀る神社は「○○天神」「○○天満宮」などと呼ばれます。今回、学業成就の御利益スポットとして紹介するのは、東京都文京区にある湯島天満宮。通称、湯島天神です。

元来、天神が生まれた理由は、菅原道真公の怒りを鎮めるためでした。政敵に罪をきせられて失脚したとされる道真公の死後、政敵たちやその親族たちが相次いで病死。さらに落雷などによる死傷者も多くでたことから、朝廷は「祟り」だと恐れ、道真公の罪を赦し、祟りを鎮めるために「天神様」を祭りました。

以後、いつしかその「いわく」は薄れていき、生前の道真公が学問に秀でていたことから「天神様=学問の神様」といわれるようになりました。

歴史学者によっては、道真公を「平安時代随一のインテリ」と評する人もいるほどです。

そのため、湯島天神がもっとも賑わうのは、新春の初詣から受験シーズンにかけて。受験生やその父兄の皆さんが数多くお参りに訪れます。
   
   
 
2009年の湯島天神の初詣の人出予想は、三が日で約35万〜40万人だそうです。

学業成就を願う参拝客には、合格祈願のお守りや絵馬、木札などの授与品が人気。鉛筆やシャープペン、ボールペン、鉢巻などもあります。受験生を対象にしたもの以外ですと「資格勝得」や「就職」などのお守りも。また、学業成就や合格祈願の祈祷も随時行なっています。予約は必要ありませんが、神社の祭事を行なっている際には若干待ち時間が発生するとのことです。

このように、受験生の皆さんにとって「神頼み」の対象となっている湯島天神ですが、もうひとつ、この地を訪れる人がお目当てにしているものがあります。それが「梅」です。道真公は梅をこよなく愛し、「東風(こち)吹かば 匂ひをこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ」という有名な和歌を遺していることから、湯島に限らず見事な梅を咲かせる天神様が全国各地にあります。

とりわけ湯島天神の梅は見事。江戸時代から梅の名所として名を馳せていましたが、太平洋戦争さなかには、この地の梅に想いを馳せて歌った流行歌「湯島の白梅」が大ヒットを記録。一躍、全国区の名声を得ました。春先にはると白梅を中心に300本あまりの梅が境内を彩ります。

また、毎年2月には「湯島天神 梅まつり」が開かれ、土・日・祝日には神太鼓や講談、琵琶演奏、野立などが賑々しく行なわれます。2009年の開催期間は2月8日から3月8日まで。ぜひ観梅に訪れてみてください。
 
 
■湯島天満宮
住所:東京都文京区湯島3-30-1
お問い合わせ:03-3836-0753
ホームページ:http://www.yushimatenjin.or.jp/pc/index.htm
 
 
天神様のご威光かどうかはわかりませんが、文京区は昔から文人墨客をはじめ、学問に秀でていた著名人が数多く住んでいました。森鴎外に夏目漱石、宮沢賢治に樋口一葉・・・挙げればきりがないほどです。そういえば、東京大学があるのも文京区本郷でしたね。文京区自ら、「文の京(文学・学問のメッカ的存在)」であると公言しているのもうなずけます。

その一方で、スポーツ関連の歴史を集約した施設があるのも文京区の特徴のひとつ。東京ドームには野球体育博物館がありますし、バス停「湯島一丁目」のそばには2002年FIFAワールドカップ(TM)を記念した日本サッカーミュージアムがあります。

日本サッカーミュージアムでは、大型映像装置メガビジョンを備えた「ヴァーチャルスタジアム」をはじめ、情報コーナーやJリーグに所属するクラブ紹介のコーナーなど貴重な資料が豊富。ワールドカップ(TM)時のロッカールームを再現したエリアや歴代のゴール集やユニフォーム展示など、実際の展示と映像資料の豊富さは日本随一の規模を誇ります。

文京区の「文武両道」を楽しむ休日散歩もオススメですよ。
 
 
「縁結び」には広い意味があります。男女の仲はもちろんのこと、仕事やプライベートにおいて自分にとって大切な人、尊敬できる人に出会うのも「縁」です。全国には縁結びの神様を祀ったスポットが多々あります。神々が集まる出雲大社もそのひとつです。そして関東圏で最も名を馳せているといえるのが、今回ご紹介する箱根の九頭龍神社でしょう。テレビや女性誌でも頻繁に取り上げられていますので、ご存知の方も多いと思います。

「九頭龍」とは、この地にある芦ノ湖の竜神伝説が由来です。人々を苦しめていた九つの頭を持つ龍を鎮めるため、萬巻上人が湖のほとりで祈祷を行なったところ、龍は改心して龍神になったといわれています。

縁結びはもとより、金運守護や商売繁盛の神としても崇められるようになりました。龍神を祀る、芦ノ湖の中から突き出た朱色の鳥居がシンボルです。

箱根山には数多くの神社が建立されていますが、まず知っておきたいのは「九頭龍神社は2つある」ということ。芦ノ湖のほとりに「本宮」があり、箱根神社の境内に、分社として「新宮」があります。

一見すると「本宮」のほうが御利益がありそうな気がしますが、「新宮」も同等のパワーを備えているといわれています。境内に湧く霊水「龍神水」は分社のほうがパワーが強いとの説もあるほどです。
ただ、人気を博しているのはやはり「本宮」。これは本宮へのお参りが、一般的に「船に乗って行く」ということがひとつの理由のような気がします。さらに遊覧船は毎日芦ノ湖を行き来しているのですが、九頭龍神社本宮(樹木園桟橋)には停泊しません。停泊するのは、月次祭が行なわれる「毎月13日」のみ。歩いていくことも可能なのですが、「月に1度だけ船が出る」という点が期待感を膨らませてくれますよね。ちょっと七夕伝説を彷彿とさせます。しかし!当然ながら13日は「混み合う」ことを想定してくださいね。船便はいつも満杯で、増便が出るほどです。ひっそりとした雰囲気を味わいたいのなら、13日を避けて徒歩で出向くことをオススメします。モーターボートをチャーターして出向くという手もありますよ。

普段、九頭龍神社本宮には宮司さんは常駐していませんが、13日の月次祭のときは別。祭礼は午前10時から始まり、宮司さんが祈祷を行ないます(受付開始は午前8時30分より、芦ノ湖遊覧船の元箱根案内所にて)。お参りが済んだあとは船着き場で配られる「御供」を皆で湖に撒きます。おわゆる「おそなえもの」ですね。冬場は湖から吹く風が冷たいので、しっかり防寒対策を施してからお出かけくださいね。

また、本宮のそばには弁天様を祭った弁財天社と、白塗りの鳥居が珍しい白龍神社もあります。

弁財天社は商売繁盛、金運守護の神様ですので、こちら目当ての男性参拝客も多くいます。白龍神社は、その名のとおり白い龍を祀った神社。「神社」というより、小さな社といった風情です。

一方、九頭龍神社の「新宮」は平成12年、箱根神社の境内に建立されました。やはり本宮はアクセスしにくいため、時間がない方はこちらでのお参りがオススメです。ちなみに新宮の月次祭は毎月15日となります。

良縁を求める人々が集う神社へ、この冬出かけてみてはいかがですか。
■箱根九頭龍神社
住所:神奈川県足柄下郡箱根町元箱根80-1
※上記は、箱根九頭龍神社「新宮」のある箱根神社の住所です。
お問い合わせ:0460-83-7123
ホームページ:http://hakonejinja.or.jp/
 
見どころ満載の箱根ですが、神社から近い距離ですと箱根園がオススメ。そもそも九頭龍神社の本宮自体、箱根園の中の「箱根樹木園」の一角なんです。その他、愛犬といっしょに楽しく遊べる「箱根ピクニックガーデン」や、子どもと一緒に楽しめる冬期限定の「雪そり遊び広場」、アザラシのショーも開催している「箱根園水族館」、その他テニスコートやゴルフ場など、レジャーに事欠かないスポットといえるでしょう。

また、同園から箱根山で二番目に高い「箱根駒ケ岳」山頂へと続くロープウェーに乗ることができます。ロープウェーの全長はおよそ1800メートル。時間にして7分の空中散歩を経て山頂につくと、そこから見える風景は圧巻の一言!眼下に芦ノ湖、北に霊峰・富士山。はるか遠くには駿河湾や伊豆半島、大島、三浦半島などの大パノラマが広がっています。

山頂はことのほか広く、芝生のエリアもあって気分爽快です。注連縄をめぐらした大きな岩「馬降石」は、かつて神様が白馬に乗って降臨した際に着地した岩だとか。そして極めつけは、山頂にある神社「箱根神社元宮(もとつみや)」です。清々しくも神々しい山頂の雰囲気の中に、神社が溶け込んでいます。御利益は心願成就。新春のお参りの旅に「ぜひとも寄りたい」スポットといえるでしょう。
 
 
今後の特集の参考にさせていただきます。
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