湖を会場にした花火大会の良さは、都内で開かれる花火大会よりも自然が豊富であること。湖面に映る花火が美しいこと。さらに、周囲が静かなため、花火の音がストレートに伝わってくることです。まるで花火という芸術をさらに高めるために用意された舞台、といっても過言ではありません。
そこでご紹介したいのは、富士五湖のひとつ、山中湖。夏の平均気温は20℃前後。東京からクルマで90分とアクセスも良く、箱根や軽井沢と並び古くから避暑地として賑わいをみせてきました。富士五湖の中でもっとも富士山の近くにあり、湖面の面積も最大を誇る湖です。
山中湖を舞台に、毎年8月1日に行なわれる花火大会が「報湖祭」。大正時代、東京帝国大学(現・東京大学)の学生達が湖畔の寮に宿泊し、湖上で花火を打ち上げたことから始まったといわれています。昭和8年、文豪・徳富蘇峰により「報湖祭」と命名され、殉職した霊を慰めたり、水難事故がないように、湖の恵みに感謝と祈りを捧げる意味が加わりました。 現在打ち上げ数は約8000発です。
会場となるのは山中地区(山中湖畔駐車場)、旭日丘地区(旭日丘駐車場)、平野地区(平野ちびっ子広場)、長池地区(親水公園)。山中湖の周囲に4ヶ所点在しています。打ち上げ場所も湖の東西南北、4ヶ所に設置。湖畔であればどこにいても花火を楽しむことができます。湖面で花火が扇状に花開く水中花火やスターマイン、ナイアガラの滝など、湖ならではの花火を堪能してください。
いずれの会場も19:30から21:00までの間、花火が打ち上げられます。各会場ではミニコンサートなどの催し物も開かれるとのこと。長池地区ではレトロ感溢れるランプが連なる「カンテラの道」も出現します。また、湖上には電飾遊覧船も出航。この遊覧船から眺める花火もまた格別です。
折りしも、今年の8月1日は土曜日。土・日はETC搭載の自動車なら高速道路料金割引の対象になりますので、浮いたお金を宿泊費に充てて、山中湖へ花火見物がてら一泊旅行に出かけてみてはいかがですか?