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特集記事【2009年12/20日号】

全国に一万以上あるといわれている諏訪神社の総本社が、諏訪湖周辺にある諏訪大社です。諏訪大社は、信濃国の一宮(いちのみや)。一宮とは、その地域にある神社の中で最も格式が高いことを意味します。諏訪大社は歴史も古く、日本最古の神社のひとつといわれています。

ここに祀られている神様の名は建御名方神(たけみなかたのかみ)。国譲り神話において、鹿島神宮の祭神である武甕槌命(たけみかづちのみこと)に最後まで抵抗した神様です。強い霊力をもった神として広く信仰され、山の神、風の神、水の神としての顔も備えています。

諏訪大社は、「上社」と「下社」にわかれており、さらに上社は「上社本宮(諏訪市)」「上社前宮(茅野市)」、下社は「下社春宮(下諏訪町)」「下社秋宮(下諏訪町)」に分かれています。つまり諏訪湖の周辺に、諏訪大社は4つあるのです。

上社本宮は、中部地方唯一といわれる原生林に抱かれるように鎮座しています。社殿は「諏訪造り」。幣拝殿と片拝殿のみで本殿がありません。ただし、標高1,650mの守屋山が神体とされているところが特徴です。上社前宮は、祭典に必要な建物のみが残るシンプルな造り。ただし諏訪信仰の原点ともいわれており、並々ならぬパワースポットとして近年名を馳せるようになりました。

下社春宮は旧中仙道沿いに鎮座していて、室町時代の建立された下馬橋が見どころのひとつ。西に流れる砥川の流れの中には「浮島」があり、お社が建っています。下社秋宮は、諏訪大社のシンボルともいわれる拝殿に下がった注連縄が圧巻。その太さにびっくりされることでしょう。上社はご神体が「山」でしたが、下社は「御神木」。下社の宝殿の奥にあります。

これら社をお参りして気づくのは、社殿の四隅に結界を張り巡らしたかのように、モミの巨木が立てられていること。これがいわゆる「御柱(おんばしら)。この柱を立て替える「御柱祭」は7年に1度開催され、2010年が開催年にあたります。
御柱祭が“天下の奇祭”と呼ばれる理由は、やはりその勇壮さ、豪快さでしょう。簡単に説明すると、山から巨木を切り出し、里へ運び、社殿の四隅に建てるのが御柱祭。1つの社に4本、お社も4ヶ所ありますから、計16本が「御柱」として運ばれます。しかも人の手によって運ばれる、2ヶ月あまり続くロングランのお祭りなんです。

山から木を切り出し、里へ運ぶ工程は「山出し」といわれています。長さ約17m、直径1m余り、重さ10トンを超える巨木です。この「山出し」のクライマックスといえるのが「木落とし」。急坂を巨木が滑り降りるだけでなく、その巨木には男衆が馬乗りになっているので、その命がけのスリルは海外にも知れ渡るほど。ニュースなどで見かけた人も多いことでしょう。

「木落とし」は、上社と下社で微妙に異なります。馬乗りになって猛スピードで滑り降りるのは下社。一方、上社は、御柱そのものが下社と異なります。上社の柱には「めどでこ」と呼ばれるV字型の角のようなものがついています。角といっても、片方に10人くらいがまたがることができる巨大な角です。「ここは木落しお願いだー」という木遣り(きやり)の声に煽られながら、一気に急坂を下ります。上社、下社ともに、最後まで柱にまたがっていることが男衆にとって最高の栄誉。後年まで語り継がれるといいます。

「木落し」を含む「山出し」が行なわれるのは、上社が4月2日(金)・3日(土)・4日(日)、下社が4月9日(金)・10日(土)・ 11日(日)です。

「山出し」を終えた後は、里を御柱が練り歩く「里曳き」。こちらは豪快さとは一転して華やかな行列が繰り広げられます。そして最終的に、柱が社殿の四隅に立てられるのですが、この際も柱には人々が鈴なりになり、威勢のよい掛け声とともに立てられます。御柱祭のクライマックスです。

「里曳き」は、上社が5月2日(日)・3日(月・祝)・4日(火・祝)、下社が5月8日(土)・ 9日(日)・10日(月)です。

常にパワーに満ちた諏訪大社が、活気によってさらに熱いエネルギーを発する御柱祭。7年に1度ですから、ぜひともお参りとともに鑑賞してみてはいかがですか?
■諏訪大社
住所:長野県諏訪市中洲宮山1(上社本宮)
お問い合わせ:0266-52-1919(上社本宮)
ホームページ:http://suwataisha.or.jp/
 
都心からわずか1時間あまりで、木々が鬱蒼と茂る大自然・・・そんな醍醐味を味わえるのが高尾山です。子どもの頃に遠足で登ったり、家族みんなで出かけたことのある方も多いのは?

その高尾山が今、パワースポットとしても注目されているんです。土地が隆起した「山」そのもののパワー、さらに自然に囲まれた地は、それだけでパワーを有するともいわれています。さらに古くからある山岳信仰において、高尾山は修行僧が集う山でした。それらが統合して、パワースポットとして知られるようになったのでしょう。

現に、高尾登山は大ブームといえるでしょう。ミシュランが発行する、日本の観光地を紹介した本「MICHELIN Voyager Pratique Japon」の中で、高尾山は最高ランクの“三つ星”を獲得。他に三ツ星を取得したのは姫路城や厳島神社、京都、飛騨高山、日光、富士山など、ビッグネームがズラリと並んでいます。選定の理由となったのは、やはり都心からアクセスしやすいこと、中腹まで行けるケーブルカーなどが整備され、老若男女が登山を楽しめること、自然文化が色濃く残っていることなどです。実際、高尾山の登山数は年間260万を超え、300万人に迫る勢いです。“世界一登山客の多い山”ともいわれています。

登山口は、京王線高尾山口駅から歩いてすぐ。ここから山頂まで、6つのコースが選べます。もっともポピュラーで登山客が多いのは「1号路」と呼ばれるコース。ほとんどの工程が石畳で舗装されており、途中にある薬王院の表参道としても機能しているコースです。あ、でもヒールの高い靴はダメですよ。標高599mといえど、高尾山はれっきとした山。雨具などもしっかり用意して出かけましょう。混雑を避けたいのであれば、吊り橋のある「4号路」、修行者の滝行姿がみられる琵琶滝の「6号路」などもオススメです。
ミシュランの評価にもありましたが、登山していて感じるのは、ここが東京!?と思うくらいの自然の豊かさ。高尾山は「明治の森高尾国定公園」に指定されていて、キャンプや植物の採取が禁じられていることも、豊かな自然が残った理由のひとつです。高尾山にある薬王院の境内としても見なされていて、古くから自然が守られてきました。ひしひしと感じるのは、森のパワー。登山ですから当然疲れはするものの、「気」がみなぎるような感覚を抱く人も多いことでしょう。

「1号路」をズンズンと登っていくと、「男坂」「女坂」という石段が現れます。石段の数は108つ。煩悩の数です。これを一段づつ踏みしめて、自らの煩悩を振り払う・・・これもひとつの修行ですね。そして視界が開け、薬王院がその姿を現します。

薬王院は、川崎大師、成田山新勝寺と並び、真言宗智山派の関東三大本山のひとつに数えられる、由緒正しい寺院。境内は静謐な雰囲気に覆われていて、いかにもパワーが強そうです。山岳信仰の飯縄大権現を奉っている他、 高尾山に古くから住むといわれる天狗を祀った天狗社、不動明王を本尊に据える不動堂、弘法大師を祀った師堂、弁才天の弁天洞、修験道の開祖である「役行者(えんのぎょうじゃ)」を祀った神変堂など、神々が一同に鎮座しているところが特徴です。

薬王院では、2月中旬〜12月上旬までの期間、精進料理を食べることも可能。先ほど少し触れた、滝に打たれて身を清める「滝行」体験なども行なっています。心身を清めたいと切に願っている人は、一度体験してみてはいかがでしょう。

そしていよいよ(といっても登山にかかる時間は1〜2時間程度)、山頂です

。天気の良い日は、東京の都心のビル群や、江ノ島なども見ることができます。そして圧巻なのは、やはり富士山です。

冬至の前後数日間には、富士山の真上に太陽が沈んでゆく“ダイヤモンド富士”を見ることができるそうです。

緑が色濃いのは夏ですが、大気が澄み渡り、素晴らしい眺望を堪能できるのは冬。気軽に「山のパワー」を得られる高尾山に、この冬ぜひとも登ってみてください。
■高尾山
住所:東京都八王子市高尾町
お問い合わせ:042-661-4151(高尾登山電鉄株式会社)
ホームページ:http://www.takaotozan.co.jp/index.htm
 
日本有数のパワースポットとして知られる皇居。かつて江戸城だったその地は風水を元に位置が決められたともいわれています。鬼門の方角には神田明神と上野寛永寺、裏鬼門には芝の増上寺を配し、邪気の侵入を防ぐとも。丸の内から程近い皇居外苑には桜田門と二重橋があり、かつての風情を今に遺しています。北の丸公園をはじめお濠の外周、丸の内方面の二重橋周辺などがオススメ。日々の疲れを癒し、パワーを存分にチャージしてみてはいかがでしょう。
住所:東京都千代田区
お問い合わせ:03-3213-0095(環境省 皇居外苑管理事務所)
ホームページ:http://www.env.go.jp/garden/kokyogaien/
広大な敷地を持つ明治神宮は、都会にいながらにして自然のパワーを享受できる場所。東京ドーム15個分の境内に、17万本もの木々が生い茂っています。都会では珍しい「清正井(きよまさのいど)」は、かつて加藤清正が掘ったとの伝説が残る井戸。地下をつたうエネルギーが噴出する場所、つまりはパワースポットとして名を馳せています。四季を通じて境内に咲く様々な花や植物も、元気をもたらしてくれることでしょう。日々の暮らしでストレスを感じたら、気軽に立ち寄ってみたいスポットのひとつです。
住所:東京都渋谷区代々木神園町1-1(社務所)
お問い合わせ:03-337-5511
ホームページ:http://www.meijijingu.or.jp/
江戸幕府を築いた徳川家康が、東照宮大権現として祀られているのが日光東照宮。陽明門や五重塔など美しい建物も数多く、「眠り猫」「見ざる、言わざる、聞かざる」の三猿などのレリーフが、見る者の目を楽しませてくれます。一説には、主要な建物が北斗七星の配置をなしているともいわれ、陰陽道の影響を受けたパワースポットとしてみなされています。パワーを授かりたい人は、境内の奥に配置された奥宮(祭神の墓所)にも足を運んでみてください。
住所:栃木県日光市山内2301(日光東照宮社務所)
お問い合わせ:0288-54-0560
ホームページ:http://www.toshogu.jp/
日本三大八幡のひとつ、鶴岡八幡宮のある鎌倉も、風水や陰陽道の影響を色濃く受けて築かれた地といわれています。境内の中でパワーが強いといわれているのが、樹齢千年を超える大イチョウ。大石段の脇にそびえる巨木には、思わず目を奪われることでしょう。源平池の浮島には弁天様を祀った旗上弁財天社と、夫婦円満の祈願石として知られる北條政子にちなんだ「政子石」があるので要チェック。冬場は境内の神苑ぼたん庭園も見所のひとつになります。
住所:神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-31
お問い合わせ:0467-22-0315
ホームページ:http://www.hachimangu.or.jp/
 
今後の特集の参考にさせていただきます。
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