全国に一万以上あるといわれている諏訪神社の総本社が、諏訪湖周辺にある諏訪大社です。諏訪大社は、信濃国の一宮(いちのみや)。一宮とは、その地域にある神社の中で最も格式が高いことを意味します。諏訪大社は歴史も古く、日本最古の神社のひとつといわれています。
ここに祀られている神様の名は建御名方神(たけみなかたのかみ)。国譲り神話において、鹿島神宮の祭神である武甕槌命(たけみかづちのみこと)に最後まで抵抗した神様です。強い霊力をもった神として広く信仰され、山の神、風の神、水の神としての顔も備えています。
諏訪大社は、「上社」と「下社」にわかれており、さらに上社は「上社本宮(諏訪市)」「上社前宮(茅野市)」、下社は「下社春宮(下諏訪町)」「下社秋宮(下諏訪町)」に分かれています。つまり諏訪湖の周辺に、諏訪大社は4つあるのです。
上社本宮は、中部地方唯一といわれる原生林に抱かれるように鎮座しています。社殿は「諏訪造り」。幣拝殿と片拝殿のみで本殿がありません。ただし、標高1,650mの守屋山が神体とされているところが特徴です。上社前宮は、祭典に必要な建物のみが残るシンプルな造り。ただし諏訪信仰の原点ともいわれており、並々ならぬパワースポットとして近年名を馳せるようになりました。
下社春宮は旧中仙道沿いに鎮座していて、室町時代の建立された下馬橋が見どころのひとつ。西に流れる砥川の流れの中には「浮島」があり、お社が建っています。下社秋宮は、諏訪大社のシンボルともいわれる拝殿に下がった注連縄が圧巻。その太さにびっくりされることでしょう。上社はご神体が「山」でしたが、下社は「御神木」。下社の宝殿の奥にあります。
これら社をお参りして気づくのは、社殿の四隅に結界を張り巡らしたかのように、モミの巨木が立てられていること。これがいわゆる「御柱(おんばしら)。この柱を立て替える「御柱祭」は7年に1度開催され、2010年が開催年にあたります。