もう説明の必要はありませんよね!皆さんご存知、富士山です。3776mという高さはもちろん日本一。それに加えて、パワースポットとしても「日本一だ!」と推す人が実に多いんです。
山は、パワースポットの代名詞的存在。アメリカでも、北カリフォルニアのシャスタ山(4317m)がパワースポットとして有名で、古くから北米先住部族の聖地として崇められてきました。シャスタ山も日本の阿蘇山も富士山も火山であり、エネルギーが流れ出す地ということもパワーに関与しているのかもしれません。
富士山のパワーを授かろうという人々は、江戸時代にもたくさんいました。霊験あらたかなパワースポットを参拝するとともに、そのスポットを維持すべく働きかけた団体のことを「講(こう)」と呼びます。富士山ですと「富士講」、伊勢神宮ですと「伊勢講」です。
江戸時代の初期、長谷川角行(かくぎょう)なる人物が富士で修行を積んだことが庶民で話題になり「富士講」は大いに盛り上がりました。いかんせん渡航費用の問題もあるため、富士に実際に赴く代表者を決め、その者に参拝を託すことも。あとは、高尾山など近場の霊山に赴いて、山頂から富士山を拝んでそのご利益を授かろうとしたり、神社の境内に盛り土をして、富士山に見立てた「富士塚」を拝むといった習わしも生まれたといいます。
一般的な富士登山は、例年7月1日の山開きから、8月26日の山じまいまでの期間です。日本人に生まれたからには、一度は富士山に登りたい!という気運も近年高まりつつあり、1人から参加できる富士登山ツアーも多く企画されています。人気なのは、5合目までバスで行き、7合目あたりの山小屋で夜になるまで就寝し、夜中に出発。山頂でご来光、つまり日の出を見るコースです。雲の海に一筋の光が差し込む様は、もはやこの世のものとは思えないほど。「その光景を見て人生観が変わった」と答える人も数多くいます。
ツアーには高齢ながらも健脚な方が多く参加しているそうです。まったく運動不足なままでヒョイと赴くことはオススメしませんが、皆さんウォーキングや高尾山登山などで「慣らし」を行なってから参加するんだとか。一念発起して、富士登山の計画を立ててみてはいかがでしょう。