R社は各店舗3名〜8名、5店舗30名の賃貸不動産屋を営んでいます。
昔ながらの不動産屋さんのため、一応パソコンは店舗に1台くらいはありますが、スタッフの年齢層も高く、PCを駆使して営業をする最近の不動産屋さんとは違い、情報はすべて紙を基本とし、伝達は電話が基本、FAXは使えるという体制で経営されていました。
5店舗もある中で、各店舗が独立採算制のように各店舗内にて情報をまとめ、それぞれで管理をしていたため、本社に情報を集めるものの、3日前の情報が最新のものとして取り扱われスピード感はありません。
昨今の不況もあって売り上げも伸び悩み、社長は息子のKさんに代替わりする前提で呼び戻すことに。
Kさんは武者修行といいますか、大手賃貸不動産業者で経験を積んでいたため、今の時代、情報がいかに大事かということは痛感していました。家業の業績の悪化の原因であるスピード感のなさで時代に取り残されることに非常に危機感を感じ、家業に戻ることにしたのです。
まずはじめにやり始めたことは、3日遅れの最新情報をその日中に集めることです。
各店舗にその日おこなった業務の報告、成約情報、解約情報、現在の空き室情報などをまとめさせ本社まで届けてもらうようにし、そこからKさんは集まった情報をさらにまとめ、PCで管理するようにしました。
各店舗から集まる情報は、通常業務が終わって各店舗でまとめ、それを本社で受け取るだけですでに夜の10時11時。
そこからKさんのまとめ作業に入りますので、終わるのは早くても深夜1時、遅ければ深夜3時ということも。
店舗情報が各店舗PCでまとめているのであれば、ここまで苦労することはありません。
そうはいっても急に「PCを全員きっちり使いなさい!」と言って簡単に使えるはずもありません。
今の体制を大きく変えることは今の業績も維持できない可能性が高く、どちらに転んでもうまくいかない恐れがありました。