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特集記事【2010年7/20日号】

埼玉県の東部中央に広がる鴻巣市。この地にはいくつかの「日本一」なモノがあります。雛人形の生産地ということで、「日本一高い29段のピラミッド型ひな壇」も今年登場。さらに花卉栽培も盛んで、ポピーの栽培面積や、サルビア、マリーゴールドの出荷量も日本一を誇ります。

そして昨今話題となっているのが川幅。鴻巣市と吉見町の間を流れる荒川は、一部の地域で川幅(堤防間の距離)がなんと2537mにも達します。国土交通省からも認定されている、川の幅の長さ日本一です。

そんな荒川の河川敷と、市内の糠田(ぬかた)運動場を会場として行なわれるのが、「こうのす花火大会」。地元の商工会青年部が中心となって運営している同花火大会は平成14年に第一回目が開催され、年々規模が大きくなって今年で9回目を迎えます。

打ち上げスタートは午後7時31分から。関東でも屈指の規模を誇る総数1万5千発の花火が漆黒の空を煌々と染め上げます。

同花火大会の目玉といえるのが、関東一の正三尺玉。一尺は約30cmですので、正三尺玉の直径は約90cm。その巨大な玉が高さ約600m上空まで打ちあがり、炸裂。花火の直径も約600mで、視界に目いっぱいの大きさと迫力で迫ってきます。もちろん、花火のドン!という音も正三尺玉ならではの重低音です。

この正三尺玉がこの夏、関東で打ち上げられるのは、こうのす花火大会のみ。つまり、関東で一番大きな花火が観られる花火大会なんです。しかもなんと、正三尺玉が2発打ち上がる予定!ちなみに一回り小さい二尺玉でも、「うつのみや花火大会」や「大洗海上花火大会」、「あげお花火大会」など、数えるほどしか関東では打ちあがりません。

ダイナミックな正三尺玉を観るだけでも、ひと夏の忘れがたい思い出になるはず。ぜひそのスケールを、実際の目で確かめてみませんか?
超巨大な正三尺玉が打ち上がるのも、打ち上げ場所となる広いスペースがあってこそ。“川幅日本一”のなせる業、といえるかもしれません。

そしてもうひとつ、この“川幅”から生まれたB級地元グルメがあるんです。それが「こうのす川幅うどん」。写真を見ていただけると一目瞭然ですが、麺の幅の太さが尋常じゃない!「切り忘れ?」と思ってしまうほどですよね。幅は約8センチにも達します。

現在、市内の9つのお店で「こうのす川幅うどん」を食べることができます。お店によっては、つけ麺のようにつけ汁につけて食べるメニューや、具だくさんのメニューも用意されるなど、お店によってさまざまなアレンジがなされています。鴻巣市本町にある小山屋食堂では、通常メニューを「川幅うどん」に変えることが可能。また、お店によってはナイフとフォークが出てくるところもあるんだとか。ちなみにこの写真の川幅うどんは、いわゆるスタンダード版。どこかのお店で出しているものではなく、街おこしとしてイベントやフードフェアで出されるものです。24ものご当地グルメが出揃った「埼玉B級ご当地グルメ王決定戦」では、初出店でありながら準優勝に輝いた実績を誇ります。

また、鴻巣市人形にある吉見屋製麺所では、ご自宅で楽しめるように川幅うどんの乾麺が売っています。川幅うどんの存在を知らない人がみたら、まさかうどんだとは思わない見た目ですよね。7枚入り、約3人前で、お値段は500円。“枚”で数えるところが、川幅うどんらしいです。

また、幅の広い麺やチャーシューを使ったラーメンを出すお店もあったり、幅広のまぐろがドーンと乗った海鮮丼や川幅ハンバーグ、川幅せんべい、川幅ケーキ、川幅のお漬物なども登場。鴻巣は今、空前の“川幅グルメ”ブームに沸いています!

見た目もビックリですが、どの店の味もなかなかのもの。ぜひ一度、お試しください!
■こうのす花火大会
住所:埼玉県鴻巣市 糠田運動場および荒川河川敷
お問い合わせ:048-541-1008(こうのす花火大会実行委員会)
ホームページ:http://kounosuhanabi.com/
■こうのす川幅グルメ
ホームページ:http://www.city.kounosu.saitama.jp/news/detail.9.10096.html
 
埼玉県熊谷市といえば、「暑さ」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。東京都心のビル群が作り出すヒートアイランド現象や、フェーン現象によって秩父の山を越えてやってくる熱風がこの地で交差し、暑さをもたらすといわれており、実際に2007年の夏には40.9℃を観測しています。

そんな暑さを逆手に取り、同市では「あついぞ!熊谷」事業としてシンボルキャラクターを創ったり、イベントやコンサートを開いたりと、積極的に“熱く”アピールしてきました。この地で行なわれる花火大会の正式名称も「あついぞ!熊谷 第61回熊谷花火大会」。もともとは熊谷空襲での被害から復興したことを記念した1948年開催の「大熊谷復興花火大会」が起源です。

開催日は8月14日(土)。場所は荒川河畔(荒川大橋下流)で、JR高崎線・秩父鉄道の熊谷駅南口から5分ほど歩けば会場に到着します。当日は縁日の屋台が河川に並び、お祭りムードが高まる中での花火スタート。打ち上げ総数はおよそ1万発です。例年、スターマインや尺玉などが打ち上げるほか、花火にメッセージを込めた「メッセージ花火」や、各花火業者がスターマインの技術を競う「スターマインコンクール」も見どころのひとつです。

スターマインとは、たくさんの筒をズラリと並べ、速射かつ連発でみせる花火のこと。そのコンクールは“連発の美”を競うものです。円形に広がる花火もあれば、しだれ柳や小さな花火、キラキラとスパンコールのようにきらめくものなど、花火にはさまざまな種類があります。これら色とりどりの花火を、どのような順序で上げていくか、どのように組み合わせて見せていくかが腕の見せどころです。色のコントラストの美しさ、複数同時に打ち上げられる花火の構図の良さなどがポイントです。

なにより、花火が次々と連発で打ちあがると、大会は盛り上がりますよね。1つの業者につき、1分〜1分30秒ほどの時間が割り与えらていますので、たくさんの盛り上がりを楽しめるということです。ぜひとも花火の競演を堪能してみませんか?
この地のB級ご当地グルメも、熊谷特有の「暑さ」に由来しています。といってもアツアツのおでんや鍋料理ではありません!「暑さ」を和らげる食べ物です。それが写真の「雪くま」。

「雪くま」は、熊谷のおいしい水から作った貫目氷を、雪のようにふわっと削り、協賛店ごとにオリジナルのシロップを使用したかき氷のこと。近年、「フラッペ」などの名前で売られているカキ氷の多くは、削り目の粗いものが多いですよね。口に入れるとジャリッとする氷つぶが多く含まれています。一方、「雪くま」は文字通り粉雪のような、フワフワとした食感が最大の特長。氷の削り方に細心の注意を払っているからこそ、実現できる味です。昔懐かしい、ふんわりしたカキ氷の優しい口当たり・・・暑い日にはもってこいですよね。

また、市販のシロップではなく、その店オリジナルのシロップや食材を使うことも「雪くま」の条件のひとつです。

写真の小豆が乗っている「雪くま」は、仲町にある「慈げん」の「煎茶あずき」。煎茶の渋味を活かし、すっきりとした後味が大人向けの一品です。いちごがあしらってあるのは、妻沼にある「騎崎屋」の「雪くまいちごミルク」。とちおとめを使ったシロップと、凍らせた「熊谷産完熟いちご」の実がトッピングされています。こちらは材料がなくなり次第終了とのこと。注文したい方はちょっと早めに訪れてみたほうがいいかもしれませんね。

他にも、小江川にある「四季の湯温泉」ではショウガを活かした「ジンジャーほたる」を提供していたり、仲町にある八木橋7階「マーガレット」では「フレッシュトマトのかき氷」があったり、同じく八木橋地階の「コラボ」では「特製大判焼カキ氷」など、他では味わえないオリジナルの味を、市内の随所で楽しむことができます。ホームページには、これらのお店が掲載されているクーポン券つきのチラシ(PDF形式)もありますので、ぜひプリントアウトして活用してみてはいかがでしょう。

夏の暑さがあるからこそカキ氷の美味しさは際立ち、花火もまた“夕涼み”となります。ぜひとも熊谷で花火と雪くまを体験して、夏らしさを感じてみてください。
■あついぞ!熊谷第61回熊谷花火大会
住所:埼玉県熊谷市 荒川河川敷
お問い合わせ:048-524-1111(熊谷市観光協会)
ホームページ:http://www.city.kumagaya.lg.jp/kanko/matsuri/kumagayahanabitaikai/index.html
■雪くま
ホームページ:http://www.city.kumagaya.lg.jp/appare/apiru/hitodukuri/yukikuka2010/index.html
 
夜空に次々と打ち上げられる花火。何も考えず、ただ目の前に広がる美しい光景に酔いしれることも、もちろん花火の見かたとして正しいといえます。

しかしながら、“通”な楽しみ方も知っておくと、さらにいろいろな視点から楽しめるようになりますよ!花火師をはじめとした花火業に携わる人々の間でよく交わされる言葉とともに、少しご紹介してみましょう。
料理を運ぶ「お盆」からきている言葉で、花火が開いた形のことを指します。一般的に良いとされるのは、花火をかたちづくる「星(光っている部分)」が、お盆のようにまん丸を描くこと。そんな花火が打ち上がったら「今のは、盆が取れていたねぇ」と口走ると“通”です!また、夜空いっぱいに広がる花火のことを「盆が大きい」花火といいます。昨今は、わざと盆を乱して楕円形に広がるようなものもありますが、やっぱり大きくて、丸い形で広がる花火は美しいですよね。
たとえば野球のボールを真上に投げると、手から離れた瞬間はスピードが速く、次第に遅くなって推進力を失い、いちばん高いところでフッと止まり、それから落下してきますよね。筒から打ち上げられる花火も、もちろん原理はいっしょです。この一番高いところ、フッと止まる地点のことを「座り」といいます。この「座り」は、実は花火をキレイに炸裂させる際、重要なポイントとなります。座りの地点に到達する前や、落下しているときに花火が炸裂すると、形が乱れてしまうんです。フッと止まった地点でちょうど炸裂した花火は、キレイな形を描きます。そんな花火が打ちあがったら「今の花火、座りが良かったねぇ」と口走ると“花火通”ですよ!
パッと花開く瞬間だけに目が行きがちですが、“通”は消え口、つまり花火をかたちづくる星がフッと消える瞬間にも注目しています。美しいとされるのは、てんでバラバラに消えていく花火ではなく、いずれの星も同時に消える「消え口の揃っている」花火です。これまであんまり注目していなかった人も多いはずですが、実際のところ花火によって揃っていることもあれば、そうでない場合もあります。ぜひとも注目してみてくださいね。ちなみに昨今では、わざと消え口をずらしているものもあります。
 
続きましては、花火大会での鑑賞法について。まず皆さんご想像のとおり、大会当日の会場は混雑必至です。場所取りは、余裕があればスタートの1〜2時間前には到着しておきたいところですよね。また、食事やトイレなどを済ましておくとよいでしょう。

鑑賞する地点としては、風上がベスト。風下だと、白い煙が花火を覆ってしまうこともあります。さらに打ち上げ場所から500メートル程度、離れた地点がベストといえるでしょう。昨今では、打ち上げ場所を一ヶ所に限定せず、数箇所設けて同時に発射するといったワイドな演出を施している花火大会も多々あります。その際、近すぎると全体像を堪能できないことにもなりかねません。

さらに、花火大会のプログラムがWebなどで発表されていたら、プリントアウトして持参しておくのもオススメ。この時間はこの花火が上がっている、ということを把握できると、楽しみ方が広がります。花火大会の中盤では、単発の江戸伝統花火などを打ち上げることも多くありますので、その際は先に挙げた「盆」「座り」「消え口」といったところに注目してみてはいかがでしょうか。

そして花火大会終了後は、時間に余裕があれば「最寄り駅」を避けて、夕涼みがてら隣の駅まで歩くのも一興です。事前にルートや、その時間帯に営業しているお店などをチェックしておくと、さらにスムーズ。せっかくの花火の余韻が人ごみで台無しになってしまわないよう、計画を立てておきましょう。

あとは、花火を楽しむ雰囲気づくり。浴衣やうちわなどを身に付けておくと、見る側としても気分が高まるものです。どうぞ皆さん、日本の夏の風物詩を、十分に満喫してくださいね!;
 
今後の特集の参考にさせていただきます。
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