春に咲く花としてトップバッターを飾るのは、梅。皆さんがお住まいの地域でも、早咲きの梅がちらほらと咲き始めているのではないでしょうか。今回ご紹介するのは、都心から電車でおよそ90分、東京の奥座敷といわれる秩父多摩甲斐国立公園の玄関口にあたる吉野梅郷です。
吉野梅郷がある東京都青梅市の“市の花”は梅で、“市の鳥”がウグイス。まさに春が見頃といわんばかりですよね。日本経済新聞の2009年2月14日号の記事「おすすめの梅の名所」では、全国の梅の名所約90スポットの中で、栄えある第一位を獲得。例年、30万人もの人々がこの地に足を運びます。
吉野梅郷は、JR青梅線の日向和田駅から二俣尾駅までの多摩川南側に位置し、東西4キロメートルの区域に2万5千本もの梅の木が植えられています。華やかさでは桜に首位の座を譲りがちな梅ですが、香りとなれば桜よりも濃厚ですよね。2万5千本もの梅が漂わせる香りとなれば、まさに全身で春を感じられることになります。
梅の咲く時期に吉野梅郷を訪れた人が必ずといっていいほど足を運ぶのが、梅郷の中にある散策用に整備された区域「青梅市梅の公園」です。梅が開花する2月下旬から3月末にかけては有料開園期間となり、入園料は1人200円。午前9時から午後5時まで開園しており、例年、多くの観光客で賑わいをみせます。
同公園は起伏に富んだ山の斜面をそのまま利用し、そこに120品種、1500本もの梅が植えられています。白、桃色、紅、黄色と、色とりどりの梅のコントラストが見事で、起伏があるため上から梅を見下ろすことができるところも魅力。春の霞が山肌を覆っているかのようにみえます。
アーチを描く木造の「たいこ橋」付近の梅が最盛期を迎えるのは、例年3月中旬頃。あずまや付近の「枝垂れ梅」は他の梅に比べて開花が遅く、例年4月上旬が見頃となります。
また、2月下旬から3月下旬にかけては、同公園内に無料のボランティアガイドさんがいて、梅の木などについてレクチャーしてくれます。蛍光のグリーン色のジャンパーを着ているガイドさんがいたら、気軽に声をかけてみてください。